知っておきたい!高齢者の感染症誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
注 意
症状の原因が、感染症ではない可能性も十分あります。
自己判断せずに、医療機関を受診しましょう。
また、高齢者は目立った症状がでにくいことがあり、見た目には軽症にみえても深刻な状態に進行している場合もあります。
「普段の反応と違う」、「笑顔がみられない」、「なんだか元気がない」などの日常のなかの変化を見逃さず、早く気づくことが大切です。
誤嚥性肺炎
(ごえんせい
はいえん)
誤嚥(ごえん:食べ物や唾液が気道に入ること)がきっかけになって、主に口の中の細菌が肺に入り込んで起こる肺炎で、他者から感染するのではありません。
誤嚥を起こしやすいのは、食事のときです。
なお、睡眠中などでも、唾液が肺に流れ込んで起きることもあります。
症状
疑うべき症状と判断のポイント
- 食事の際に起こる誤嚥性肺炎は、食事中にむせたり、食後に咳が続いたりすることが多いため、そのような場合は誤嚥を起こした可能性を考慮しなければいけません。
- 経口での食事以外(胃ろうなどの経管栄養法で栄養を注入する際など)でも、誤嚥性肺炎は起こり得ます。
むせるなどの症状がなくても誤嚥している可能性があります。 - 高齢者の中でも脳梗塞などで麻痺のある方では、嚥下機能(飲み込みの機能)が低下している場合があり、通常の食事の際にも誤嚥を起こす可能性が高くなります。
- さらに、高齢者の場合は、一般的に異物が気道に入ったときに咳で排除する反射能力が低下しており、むせる症状もなく、睡眠中などでも口の中の唾液が肺に流れ込んで起きる「不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)」もあります。
- また、ノロウイルス感染症などでは、嘔吐物を誤嚥して起こる肺炎もあります。
予防と治療
予防
- 普段の口腔ケアが重要です。
- 噛む力や飲み込みの機能を維持・向上させるためのトレーニング(嚥下リハビリテーション)をしましょう。
- 嚥下能力が低い高齢の方が食事する際には、十分注意する必要があります。
・よく噛んでゆっくり食べる。
・食事中はきちんと座り、よそ見をしないで食べる。
・食後すぐに横にならない。
・話をしながら食事をしない。
- 普段よりも食べられなくなっているような場合は、無理に食事をさせることのないように注意します。
- 咳やたん、発熱などの症状がある場合は、早めに医師の診察を受けます。
- 抗菌薬など
治 療
厚生労働省:高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版. P65, 2019年3月.
厚生労働省:介護現場における感染対策の手引き 第2版. P144-145, 2021年3月.
などを参考にして作成