知っておきたい!高齢者の感染症インフルエンザ
症状の原因が、感染症ではない可能性も十分あります。
自己判断せずに、医療機関を受診しましょう。
また、高齢者は目立った症状がでにくいことがあり、見た目には軽症にみえても深刻な状態に進行している場合もあります。
「普段の反応と違う」、「笑顔がみられない」、「なんだか元気がない」などの日常のなかの変化を見逃さず、早く気づくことが大切です。
インフルエンザ
急激に発症し、流行は爆発的で短期間内に広がる感染症です。
気管支炎や肺炎を併発しやすく、重症化すると心不全を起こすこともあるため、体力のない高齢者にとっては命にかかわることもあります。
症状
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急な発熱(38~40℃)と全身症状(頭痛、腰痛、筋肉痛、全身倦怠感など)
(ただし、高齢者では発熱があまりない場合があるので、注意が必要です) - これらの症状と同時に、あるいはやや遅れて、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、咳、たんなどの気道炎症状
- 腹痛、嘔吐、下痢などの症状を伴う場合もあります。
合併症
- 肺炎、脳症、中耳炎、心筋炎、筋炎などがあります。
- 気管支炎や肺炎を併発した場合、重症化すると心不全を起こすこともあります。
感染経路など
感染経路
咳・くしゃみなどによる飛沫感染が主ですが、汚染した手を介して鼻粘膜への接触で感染する接触感染の場合もあります。
病原体
インフルエンザウイルス
潜伏期間
平均2日(1~4日)。
感染者が他人に伝播させる時期は、発症の前日から症状が消失して2日後までとされています。
予防
- ワクチン接種を行うことが有効ですが、インフルエンザワクチンのもっとも大きな効果は「重症化」を予防することです。
- 寒冷などに配慮しながら、日ごろからこまめに換気を行うことも重要です。
- 手洗い、うがいをしっかり行い、ソーシャルディスタンスを保つことも大切です。
厚生労働省:介護現場における感染対策の手引き 第2版. P125-P127,2021年3月
厚生労働省:高齢者介護施設における感染対策マニュアル 改訂版. P50-51,2019年3月 などを参考にして作成