知っておきたい!高齢者の感染症レジオネラ症
症状の原因が、感染症ではない可能性も十分あります。
自己判断せずに、医療機関を受診しましょう。
また、高齢者は目立った症状がでにくいことがあり、見た目には軽症にみえても深刻な状態に進行している場合もあります。
「普段の反応と違う」、「笑顔がみられない」、「なんだか元気がない」などの日常のなかの変化を見逃さず、早く気づくことが大切です。
レジオネラ症
主に、人工的な水循環設備を使用する施設で発生する感染症です。
レジオネラ属の細菌によって汚染された加湿器などの水がエアロゾルとして飛散し、それを吸入することで伝播します。
肺炎を特徴とするレジオネラ肺炎と、インフルエンザ様症状を示すポンティアック熱があります。
症状
- レジオネラ肺炎は、レジオネラ症の大半を占め、肺炎を特徴とし、全身倦怠感・筋肉痛・頭痛・高熱・意識障害・腹痛などの症状があります。
- ポンティアック熱は、発熱・悪寒・頭痛などのインフルエンザ様症状があります。
経 過
- レジオネラ肺炎は、重症化する場合もあります。症状が出た場合、すみやかに医療機関を受診しましょう。
- ポンティアック熱は、予後良好で2~5日で自然治癒しますが、症状が出た場合、すみやかに医療機関を受診しましょう。
感染経路など
感染経路
レジオネラ属の細菌によって汚染された加湿器などの水がエアロゾルとして飛散し、それを吸入することで感染します。
浴室のぬめり部分にもレジオネラ属の細菌が存在している可能性があります。
病原体
レジオネラ属の細菌。
人工的な水循環設備(循環式浴槽、冷却塔、給湯設備など)中に侵入、繁殖し、発生するレジオネラ属の細菌を含むエアロゾルを吸入することで感染します。
ヒトからヒトに直接感染することはありません。
潜伏期間
レジオネラ肺炎 2~10日、ポンティアック熱 1~2日
予防と治療
予 防
- 加湿器は、毎日水の交換とタンクの清掃を行います。
- 浴室のぬめりは清掃して除去し、衛生的に保ちましょう。
治 療
- レジオネラ肺炎:抗菌薬
厚生労働省:高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版. P62-63, 2019年3月.
厚生労働省:介護現場における感染対策の手引き 第2版. P52, 138-139, 2021年3月.
厚生労働省:レジオネラ症.
などを参考にして作成