知っておきたい!高齢者の感染症結核
症状の原因が、感染症ではない可能性も十分あります。
自己判断せずに、医療機関を受診しましょう。
また、高齢者は目立った症状がでにくいことがあり、見た目には軽症にみえても深刻な状態に進行している場合もあります。
「普段の反応と違う」、「笑顔がみられない」、「なんだか元気がない」などの日常のなかの変化を見逃さず、早く気づくことが大切です。
結 核
結核菌による感染症で、咳や発熱などが主な症状です。
若年者に比べて、高齢者は発症しやすいと考えられています。
また、高齢者では、免疫力の低下などのため、過去に感染した肺結核の再発例がみられます。
症状
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呼吸器症状(たんと咳、ときに血たん・喀血)。
咳が2週間以上続く場合は要注意です。 - 全身症状(発熱、寝汗、倦怠感、体重減少)
- 全身の衰弱、食欲不振などの症状が主となり、咳、たん、発熱などの症状を示さない場合もあります。
経過
- 早期発見と治療薬の正しい服用で、治癒することができる病気です。
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無治療でいると、結核菌が血液やリンパ液で運ばれ転移することにより、体内のあらゆる臓器に病変ができることがあります。
重症型の粟粒(ぞくりゅう)結核、結核性髄膜炎などを引き起こし、命にかかわることもあります。
感染経路など
感染経路
主に空気感染(発病した人の咳のしぶき中に含まれる菌[飛沫核]が空気中をただよい、それを大量に深く吸い込んだ人だけに伝播します)
病原体
結核菌(一般の細菌とは異なり、手指や土の中や水まわりにいるものではありません。感染者の体内だけで増殖します)
潜伏期間
2年以内、特に6か月以内に多いです。
感染後、数十年後に発病することもあります。
予防と治療
予 防
- 年に一度、胸部エックス線検査を行うなど肺の状態の変化に注意します。
- 日ごろの体調の変化に注意し、呼吸器症状や全身症状がみられる場合は結核発症の可能性も考慮し、早めに医師の診察を受ける必要があります。
治 療
- 抗結核薬
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服薬を途中で止めてしまうと、薬の効かない菌(耐性菌)ができてしまいます。
医師の指示通りに、一定期間、確実に内服することが必要です。
厚生労働省:高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版. P65, 2019年3月.
厚生労働省:介護現場における感染対策の手引き 第2版. P133-135, 2021年3月.
などを参考にして作成