自分と、大切な人のために #コロナ早期受診
自分と、大切な人のために #コロナ早期受診

自分自身が健康でなければ
大切な家族は守れないと実感したあの日。

感染当時の体験談です。症状には個人差があり、
現在とは症状や重症患者の割合、治療環境などが異なります。

白木 花

熊本県出身。認知症の両親を介護しながら穏やかに生活をする、56歳。

認知症のご両親を自宅で介護しながら生活しているという白木花さん。はじめにお父さまが新型コロナウイルス感染症に罹患して発熱。数日後、お母さまも発症してしまいます。「私は絶対に罹るわけにはいかない」と懸命にふたりを看病しましたが、ほどなく自身も感染し、発熱してしまいました。大切な人たちと自分自身を守るためにどうするべきなのか。白木さんはこの経験からとても大切なことを学んだと話します。

両親が二人ともコロナに感染、そして自分も病院に行くと…

私の両親は認知症です。私はふたりを介護しながら生活しています。
あのときは本当に大変でした。はじめに父に鼻水と咳の症状が出て、39度以上の発熱。家の中で隔離をした上で看病をしました。父は高熱でフゥフゥ言いながらも「こんなもんには負けんぞ」と頑張ってくれました。

それから1日、2日くらい経ったころ、今度は母が朝からぐったりとしており、体温を測ってみると38度3分。すぐに病院へ連れて行ったところやはりコロナ陽性でした。つらそうな父と母の姿は見たくない…という想いでした。だから絶対に私は罹るわけにはいかない、ふたりを無事に完治させなければ、と強い想いを持ちました。
ところがそうしている間に、私もゾクッと寒気がしてきて。病院へ行くと、陽性とのこと。3人ともいっぺんに罹ってしまったのです。その日のうちに私も発熱し、39度8分まで上がりました。頭痛が特にひどかったですね。認知症の両親は、自分で薬を飲むこともできません。夜中にふたりの体温を測るなど、自分もフラフラしながら必死で頑張りました。

私が倒れたら、両親を誰が看てくれるのだろう

両親を介護しながら「ふたりの命を預かっている」という思いで生活をしてきました。
これまで私たちを育ててくれた大切な両親です。忙しくしている姉妹の分まで今は私が責任を持って守ってあげたいと考えていました。

私が倒れてしまったら、誰がふたりの面倒をみてくれるのだろう。そんなふうにとても切羽詰まった気持ちになりました。罹ってしまったことがわかったときは、両親に申しわけない、助けてあげられなかったらどうしようと、辛かったです。早く治りたい、元気になって、ふたりを助けてあげたいと何度も思いました。

しかし私はますます悪化して、動けなくなってしまったのです。とても情けなく、ひとりでは何もできないんだなと痛感しました。そこへ姉が応援にきて、手伝ってくれたんです。忙しいのに時間をやりくりして、また自分も感染する可能性もある、それでも「みんなで助けるよ」という気持ちで姉が来てくれたことは、本当にありがたかったです。家族みんなに感謝しました。

自分自身を守ってこそ、家族を守ることができる

私はそれまで、自分はとても健康で元気だと思っていたんです。ところがコロナに罹ってしまって、両親を守れなくなってしまうかもしれないという怖さを体験しました。やはり、自分が健康であること。自分自身を守ってはじめて家族を守ることができるんだなと、これが切実に思い知ったことですね。

コロナが5類に移行されてから、以前のような生活に戻り、私もホッとしたのですが、先日風邪をひいて咳が続いたときに「あれっ、もしかして」とハッさせられました。喉元過ぎれば熱さ忘れるといいますが、そんなふうに忘れてはいけない、家族3人で罹ってしまったときの苦しかった日々のことを、もう一度思い返しておかなければ…と。

あのときはたまたま両親が先に罹り、私が後からでした。でも、この先も私が先に罹ることで家族にうつしてしまうというリスクはあります。高齢者と一緒に暮らしている人は特に注意をしなければいけないと思いますし、そうでない人であっても公共の場所では優しい思いやり、配慮ができる世の中であるといいなと思います。例えば、咳が出るようならマスクをするなどですね。

やはり、手洗い、うがい、換気はこれからも日常の中で心がけていきたい。
※感染症対策の基本は手洗いやマスクの着用を含む咳エチケットです※1
家族の健康と幸せを守るために、私自身が健康でありたい。そのためにできることを、しっかりとやろうという気持ちです。これからも、家族と思い出を作るために。

※1 出典:国民の皆さまへ|厚生労働省

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