基礎薬学研究の発展を願って
篷庵社は2代目社長塩野義三郎氏の遺志“薬学の進歩発展に資するため必要な研究を行うものに対し、研究の助成ならびに研究費の援助を行い、もって薬学の発展に寄与すること”を目的として昭和28年に設立され、以後、時代の変化とともに助成研究の対象を変更し、薬学のみではなく医学にも広げておりますが、現在なお、寄付者の遺志を尊重し、基礎的な薬学系研究への助成を継続しております。
薬学の長い歴史において、特に創薬領域では医学研究と連携することにより、種々のモダリティ活用が進み、医療の発展に重要な役割を果たしてきました。同時に、基礎薬学・化学研究も再び注目されています。低分子に加えて種々のモダリティにおいてもこれらの研究は重要であり、この基盤なしでは創薬研究も十分に進展することはできません。加えて、現代の創薬研究は、医学のみならず様々な学問領域との連携が求められるようになり、種々の学際領域との融合によって、迅速に効果的かつ安全な医薬品の研究開発が可能となり、疾病治療や予防、診断の分野で大きな貢献を果たすことができると考えています。これら医療の発展に重要な基礎薬学・化学研究を当財団は、支援してまいります。
今後も理事・評議員の先生方のご協力のもと、公益財団法人として未来の医療や社会に貢献する研究を対象に助成活動を行ってまいりたいと存じます。
理事長 澤田 拓子