薬学の発展を願って

篷庵社は2代目社長塩野義三郎氏の遺志“薬学の進歩発展に資するため必要な研究を行うものに対し、研究の助成ならびに研究費の援助を行い、もって薬学の発展に寄与すること”を目的として設立され、60年以上に亘って助成事業を続けています。

20世紀半ば、薬学は創薬研究、即ち有機化学を中心として目覚ましく発展して来ました。その後、創薬研究も遺伝子解析が進むにつれ、薬学領域から学際領域へと移っていきました。現在の創薬研究においては医学系等の領域での応用研究が主流で、創薬研究に本来必要となる基礎の薬学研究には充分な光が当たっていないように感じます。また、2006年に薬学6年制教育が始まりましたが、そろそろ併設されている4年制教育と共に薬学研究の今後のあり方が問われ始めているようです。篷庵社としては寄付者の遺志を尊重し、助成研究費の一部を基礎的な薬学系研究にフォーカスし、助成していく事も検討して行きたいと思います。

 

今後も理事・評議員の先生方のご協力のもと、存在感のある公益財団法人として助成活動を行って参りたいと思います。

 

理事長 武田 禮二