医療従事者や研究者はパンデミックの最前線でたたかい続けていました。人々もまた、暗闇からの出口を探し、取れうる措置を講じて共にたたかってきました。
新しい治療法や診断法、予防策は社会に希望をもたらし、日常は徐々に取り戻されつつあります。
私たちの経験は、「あしたの感染症」とのたたかいの礎となることでしょう。
MESSAGE
日常と隣り合わせにある、感染症の脅威。
人類は、感染症とのたたかいを繰り返してきました。
そのたびに苦難を乗り越え、大切な暮らしをつないできたのです。
このページは、そのたたかいの軌跡をたどる旅。
過去の努力や教訓を未来への希望に変えるきっかけとして、
共に考え、共にたたかうための一歩を踏み出しましょう。
COVID-19
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100年に一度の衛生上の危機と言われ、人々の記憶に深く刻まれることとなった今回のパンデミック。
ウイルスという見えざる敵への社会不安が広がる中、2020年1月30日にはWHOが「国際的な緊急事態」を宣言しました。 -
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各国でロックダウンなどの行動制限が設けられ、日常の営みが大きく変わってしまいました。
生活様式の変化、感染への恐怖、愛する人を失う痛み―。出口の見えない不安が世界中に広がりました。 -
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感染症の歴史
人類の歴史は、感染症とのたたかいの歴史。
細菌やウイルス、真菌などがもたらす脅威。
それらを乗り越え、学び、
あしたの暮らしに活かしてきたからこそ、今日があるのです。
ペスト
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14世紀
ペスト菌の感染によって引き起こされるペスト。古代ローマや中世ヨーロッパでは「黒死病」と呼ばれ、幾度となく猛威を振るい、数百万人もの命を奪いました。
14世紀ヨーロッパでは、当時の人口の約3分の1が命を落としたと言われています。
ペストとのたたかいの中で、検疫や個人防護具の考え方が生まれ、衛生環境の改善に取り組む試みが始まりました。 -
18世紀
天然痘ウイルスによって引き起こされる天然痘は、紀元前から存在し、16世紀にはアステカやインカ帝国の衰退にも影響を与えたとされています。
18世紀にはジェンナーの研究により天然痘ワクチンが開発され、1980年5月にWHOより根絶が宣言されました。 -
コレラ
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19世紀
コレラはコレラ菌に汚染された水や食べ物を摂取することによってかかる病気です。
19世紀以降、世の中にたびたび爆発的な流行を引き起こし、世界中の人々の生活に大きな影響を及ぼしてきました。特に水の衛生が欠如した環境での拡大が多く報告され、人々に水や食品の衛生の重要性を再認識させることとなりました。 -
スペイン風邪
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20世紀
スペイン風邪(インフルエンザA/H1N1)は1918年から突如として全世界に広がります。
世界の推定感染者数は5億人と言われ、数千万人以上が命を落とす大流行となりました。
この経験を通して、マスク着用や、患者を隔離して治療する取り組みが始まりました。 -
SARS / MERS
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2002/2012
2002年、新型のコロナウイルス SARS(重症急性呼吸器症候群)がアジアとカナダを中心に拡散しました。
2012年には、MERS(中東呼吸器症候群)が中東を中心に発生し、人流によって特定の地域や国へと拡大しました。いずれも、コロナウイルスによる流行で、集団発生のリスクが高いことが確認されたことから、早急な対応と情報共有など、国際的な連携が求められました。 -
新型インフルエンザ
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2009
新型インフルエンザは、10年から40年の周期で発生することが知られています。
2009年4月にメキシコで発生し、世界中に広がった新型インフルエンザA/H1N1は、結果的には通常の「季節性インフルエンザ」レベルと判断され収束したものの、その過程では行政、企業、市民等で多くの混乱が見られました。その感染力の強さと拡散の速さから、当時は社会や経済に大きな影響を与え、ワクチンの開発や予防策の啓発など、流行を抑えるための大規模な取り組みが行われました。
天然痘(ワクチン)
ここまでは、人類と感染症とのたたかいの歴史をいくつか紹介しましたが、
世界にはまだまだ解決すべき課題が多く残されています。
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薬剤耐性 / AMR
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世の中に存在する抗生物質が効きにくい細菌が存在することをご存知ですか?
これは「薬剤耐性」として知られ、全世界で毎年70万人以上の命を奪う原因となっています。
サイレントパンデミックとも言われ、特別な対策を行わなかった場合、2050年にはがんによる死亡者数を上回り、年間1000万人にまで増加すると予測されています。各国政府や保健行政機関は、AMRをグローバル、地域・国レベルでの優先度の高い社会課題として取り上げており、グローバル規模での対応が急務となっています。 -
3大感染症 HIV
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HIV/エイズ、結核、マラリア。これらは「3大感染症」として知られ、未だに低・中所得国を中心に毎年数百万人の命を奪っています。
これまでの長年にわたる科学の進歩や多くの国際支援の結果、感染拡大の勢いは低下してきていますが、未だに根絶が難しい感染症です。 -
顧みられない感染症
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熱帯の地域を中心に蔓延している寄生虫や細菌による感染症は、これまで先進国から主要な疾患と考えられてこなかったことから、「顧みられない熱帯病」と呼ばれています。世界149の国と地域でみられ、10億人を超える人々の生活を脅かし、それら低中所得国に毎年数十億ドルもの損害を与えているとされています。
三大感染症であるHIV/エイズ、結核、マラリア、および顧みられない熱帯病などの感染症は、
個人の経済的困窮を蔓延させるだけでなく、その国や地域全体の貧困の原因ともなっています。
この貧困と感染症の負の連鎖を断ち切ることは、感染流行国の経済成長と世界情勢の安定化に必要です。
持続可能な開発目標(SDGs)の目標3(ターゲット3.3)には、
2030年までにこれらの感染症を根絶させることが掲げられています。
SHIONOGIのこれから
感染症はいともたやすく国境を越え、世界中の人々の生活と健康を脅かします。
いつ起こるか分からない「その時」に備え、SHIONOGIは半世紀以上にわたって感染症とたたかい続けています。
これからもSHIONOGIは、感染症の脅威から目を逸らさずに挑み続けます。
我々の取り組みが、提供するヘルスケアソリューションが、多くの人の命を救い、
平穏な日常を送るための一助となることを願って。
あしたの感染症に備えて、皆さんと共に考え、共にたたかうために。