破傷風

破傷風菌が作る毒素が神経に作用して筋肉のけいれんやこわばりがあらわれ、
全身の筋肉が硬くなって弓反りしたり、呼吸困難で死亡することもあります。
破傷風菌は傷口から体内に侵入しますので、被災後のがれきの片付けなどでは、手袋や厚底の靴などを使用し、けがをしないように注意することが大事です。

症状

  • 最初に口が開きにくい(開口障害)、顎が疲れる、首筋が張る、体が痛いと
    いった症状があらわれ、やがてしびれや痛みが全身へと広がっていきます。
  • 顔の筋肉がけいれんすることにより笑っているようにみえたり、ものが飲み
    込みにくくなったりします。
  • 歩行や排尿・排便の障害などを経て、最後には全身の筋肉が硬くなって頭部
    から背中まで弓のようにそり返らせたり、息ができなくなったりし、死亡することもあります。

感染経路

  • 破傷⾵菌は傷⼝から体内に侵⼊して破傷⾵毒素を作り、発症します。
  • ⼈から⼈に感染することはありません。

予防

  • 破傷風トキソイド含有ワクチンの接種が最も有効な予防手段で、免疫は約10年間持続します。
    前回の接種後10年を過ぎた人は追加接種をお勧めします。
  • 破傷風菌は、土や動物のフンなどに存在しますので、がれきの片付けや汚泥をさわる可能性があるときなどは、手袋や厚底の靴などを使用し、けがをしないように十分注意しましょう。

治療

抗破傷風ヒト免疫グロブリン(血液中の破傷風毒素を中和するために、破傷風に免疫のある人の血液から作られた抗血清)、筋肉のけいれんを抑える薬物療法、人工呼吸器など

病原体

破傷風菌

潜伏期間

3~21日(平均10日)

文献
厚生労働省: 破傷風.
厚生労働省検疫所 FORTH: 破傷風.
国立感染症研究所: 破傷風とは.
国立感染症研究所: 令和元年台風第19号関連・地域の感染症発生状況と感染症対策について
(2019年10月18日現在).
などを参考にして作成

関連リンク

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