知っておきたい!高齢者の感染症帯状疱疹(たいじょうほうしん)
注 意
症状の原因が、感染症ではない可能性も十分あります。
自己判断せずに、医療機関を受診しましょう。
また、高齢者は目立った症状がでにくいことがあり、見た目には軽症にみえても深刻な状態に進行している場合もあります。
「普段の反応と違う」、「笑顔がみられない」、「なんだか元気がない」などの日常のなかの変化を見逃さず、早く気づくことが大切です。
帯状疱疹
(たいじょう
ほうしん)
水痘(水ぼうそう)にかかった後、免疫状態が低下したときや加齢に伴って、神経節(末梢神経の神経細胞が集まっている部分)などに潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化することで発症します。
症状
- 頭・顔・体の片側の神経に沿った部分に、ピリピリ、チクチクとした痛みが起こります。
- その後、痛みが出た部分に赤い発疹があらわれ、水ぶくれが集まってでき、やがてかさぶたとなってとれます。
- 高齢者などでは痛みが強く、発疹がおさまった後も痛みが残ることがあります(帯状疱疹後神経痛)。
感染経路など
感染経路
-
帯状疱疹は、他人からうつって発症する病気ではありません。
ただし、帯状疱疹の患者さんが、水痘にかかったことがない人へ水痘・帯状疱疹ウイルスをうつし、水痘を発症させることがあります。
その場合、帯状疱疹の患者さんの水ぶくれ液からの接触感染が中心で、唾液から飛沫感染することもあります。 - 水ぶくれの中には多量のウイルスが含まれているため、すべての水ぶくれがかさぶたになるまで感染力があります。
病原体
水痘・帯状疱疹ウイルス
潜伏期間
水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染した後に、神経節に潜んでウイルスが再活性することで発症するため、期間は特定できません。
予防と治療
予 防
- ワクチン(帯状疱疹ワクチン、水痘ワクチン)
- 一度水痘にかかった人でも、加齢に伴い免疫力が低下しますので、予防接種を検討してもよいでしょう(2016年3月から、50歳以上を対象に、帯状疱疹ワクチンの接種が可能になりました)。
- 日ごろから栄養バランスのよい食事、十分な睡眠、適度な運動などで免疫力を高めておくことも大切です。
治 療
- 抗ウイルス薬
厚生労働省:介護現場における感染対策の手引き 第2版. P149, 2021年3月.
などを参考にして作成