新薬開発プロセス
研究開発活動
SHIONOGIは、世界トップクラスの研究生産性の実現およびグローバル市場への迅速な医薬品の提供を目指して研究開発活動を進めるとともに、アカデミアやベンチャーとの連携や将来の医療ニーズを見据えた医薬品シーズ、製品および技術の導入を継続して進めています。
研究活動におきましては、当社グループの研究機能の中枢となる医薬研究センター(Shionogi Pharmaceutical Research Center、略称:SPRC「スパーク」)を中心として、開発候補品の充実、ならびに臨床試験の成功確率の向上を目指した活動を精力的に行っています。超高齢社会における医療ニーズ(健康寿命延伸・生産的活動への復帰)を見据え、当社の強みである感染症領域と疼痛・神経領域を重点領域とし、革新的な医薬品を創出していくとともに、低分子では補えないアンメットニーズの解決に向けて新たなモダリティの拡充にも挑戦し、多様な治療オプションの提供に向けた取り組みも進めてまいります。
臨床開発活動におきましては、新規化合物の迅速な前期臨床試験の遂行、及び確実な臨床POC[*1]の獲得に加え、自らグローバルで臨床試験を実施する経験を蓄積することで、生産性の高い開発基盤を構築しました.これまでの経験を活かし、今後も、一層効率的かつ迅速な新薬開発を進め、患者様に必要とされる医薬品を早期に世界各地の市場に提供できるよう、努めてまいります。
- ※1Proof of Conceptの略語:当該疾患の治療薬として、その化合物のコンセプト(作用部位や作用機序)が有効性や安全性を含めて妥当かどうかを臨床試験で証明すること
参考(医薬品の開発プロセス)
- フェーズⅠ(第1相臨床試験) : 初めてヒトに投与する試験。健康成人(抗がん剤など一部の治験薬では患者)に対して薬物動態(どのくらいの速さで体内に吸収され、どのくらいの時間でどのように体外に排泄されるか)及び安全性を確認する。
- フェーズⅡ(第2相臨床試験) : 比較的少人数の患者に投与して有効性・安全性を検証するとともに、有効な用法(投与量、投与間隔など)を見極める試験。
- フェーズⅢ(第3相臨床試験) : より多数の患者に投与して有効性・安全性を検証する試験。多くの場合、プラセボ(有効成分を含有しない偽薬)や既存薬と比べてどのような利点があるのかを併せて検討する。