重要課題
SHIONOGIグループの重要課題(マテリアリティ)
❶ 顧客・社会に新たな価値を創出するために取り組む重要課題
重要課題 | 主な取り組み | 主な関連指標・評価軸 |
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感染症の脅威からの解放 | 急性感染症に対する製品・サービスの提供
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● 急性感染症関連パイプライン数 ● 重症感染症関連パイプライン数 ● 重症感染症におけるPull型インセンティブの採用国数 |
治療に長期間を要する感染症に対する製品・サービスの提供 | ● HIV 関連製品パイプライン数 ● カボテグラビルによるQOL改善への貢献 ● 抗マラリア薬等の開発 |
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ワクチンビジネスの構築 | ● COVID-19ワクチンの提供 ● 次世代ワクチンの開発 |
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健やかで豊かな人生への貢献 | アンメットメディカルニーズの高い疾患領域に対する製品・サービスの創出 | ● 精神・神経疾患治療のパイプライン数 ● 疼痛治療パイプライン数 ● がん領域パイプライン数 ● その他社会的影響度の高いQOL疾患に対する製品・サービス数 |
疾患特性、当事者の抱える困りごとに対する社会理解促進に資する疾患啓発 | ● Webセミナーなどを活用した啓発活動の実施数 ● 発達障がい領域における支援サービスの提供数 |
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持続可能な社会保障への貢献 医療アクセスの向上 |
医薬品とは異なるソリューションの提供 | ● ソリューションの数、パートナリング数 |
セルフメディケーションの推進 | ● OTC 医薬品の品目数・売上実績 | |
入手しやすい環境の整備 | ● エンシトレルビルの提供国数 ● GARDP、CHAIとの提携を通じたセフィデロコルの提供可能国数 ● WHO必須医薬品リストへの掲載 ● ヴィーブ社によるドルテグラビル、カボテグラビルの提供国数 |
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ヘルスケアシステムの強化 | ● 妊産婦・授乳婦および 5 歳未満児の健康の改善 ● 自立的な保健サービスの運営 |
❷ 顧客・社会への負の影響を軽減するために取り組む重要課題
重要課題 | 主な取り組み | 主な関連指標・評価軸 |
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責任ある製品・サービスの提供 | 製品サービスの安定供給 |
● 需給バランスの変化を捉え、欠品を起こさないための調達・生産・流通の管理 ● 安定調達の実現に向けたサプライヤーとの定期/非定期協議の実施 ● 製造委託先との関係性強化および事業継続計画(BCP)体制維持に向けた支援 |
法令遵守およびモニタリングの強化 | ● 医薬品の製造販売に係る法規制・ガイドラインの遵守徹底 |
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人権の尊重 | 人権課題への対応 |
● 現代奴隷法に基づく声明文の表明 ● 人権インパクトアセスメントの実施 |
環境への配慮 | 気候変動・温室効果ガス(GHG)の排出量削減 | ● TCFDに基づく情報開示 ● 2030年度:スコープ1+2を46.2%、スコープ3のカテゴリー1を20%削減(2019年度基準)、2050年度:排出ゼロの達成 |
AMR・抗菌薬の製造過程における環境への影響の軽減 | ● 2030年度:サプライチェーンを含めた適正管理(監査のフォローアップ完了) |
❸ 持続可能な社会の実現とSHIONOGIの成長を支える重要課題
重要課題 | 主な取り組み | 主な関連指標・評価軸 |
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成長を支える人材の確保 | 競争力のある多様な人材の確保 | ● 必要なスキル要件の明確化 ● 競争力のある報酬制度 ● 社内公募活用人数 ● キャリア採用者数 |
尖った強みを持つ人材の育成 | ● 人材育成状況のモニタリング強化 ● 教育研修費 ● 自己投資支援制度利用者率 ● 副業制度の申請者数 |
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誰もが働きやすい環境・風土の醸成 | ● 継続的な働き方改革の実施と従業員コミュニケーションの活性化 ● 経営理念の浸透度 ● 女性マネジャー比率 ● 育児休業取得率 |
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健康経営の推進(健康管理・労働安全衛生) | ● 健康診断受診率 ● ストレスチェック 高ストレス者割合 ● 喫煙率 ● 度数率 ● 強度率 |
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サプライチェーンマネジメントの強化 | 重要サプライヤーの特定およびサプライヤーのサステイナビリティ評価 | ● 2022年度質問票または EcoVadisによるアセスメント ● EcoVadis 評価企業数 ● 設定した基準を満たすサプライヤーの割合 |
サステイナビリティ課題に関する面談、説明会 | ● 調達に関する行動規範に同意するサプライヤーの割合 ● 面談、説明会による働きかけを実施した会社数 |
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コンプライアンスの遵守 | 国内コンプライアンス体制の強化 |
● 管掌コンプライアンス委員会の設置 ● 国内外のコンプライアンス推進組織との連携強化 |
ガバナンスの強化
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実効性の高いコーポレート・ガバナンス体制 |
● 第三者評価機関による実効性評価 ● スキル・マトリックスの見直し |
リスクマネジメントの強化 | ● 全社リスクを事業戦略上のリスクと事業遂行上のリスクに分類 |
特に貢献するSDGs
重要課題(マテリアリティ)の特定プロセス
課題の抽出 STEP1:機会と脅威の評価 |
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社内外の環境変化に対する認識をもとに整理 ー 社会、事業、社内の3軸で評価 ー ISO26000やESG開示基準の観点を考慮 |
課題の抽出 STEP2:分類 |
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意味合いから価値創出、負の影響の軽減、基盤の3要素に整理 |
マテリアリティの特定 STEP3:抽出された事項の優先順位付け |
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3要素ごとに影響度と発生可能性の2軸で評価 ー 影響度:ステークホルダーエンゲージメントから得た期待値を考慮 ー 発生・実現可能性:時間軸を考慮 |
マテリアリティの特定 STEP4:取締役会での承認 |
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経営会議での議論を経て取締役会にて承認 |
リスクと機会
環境変化/社会ニーズ | |
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社会・ヘルスケア業界を取り巻く環境の認識 | リスク/機会 |
■ COVID-19の世界的流行とその後の生活様式の変化 ■ 企業の社会的責任範囲のさらなる拡大 ■ 先進国の高齢化、新興国の台頭 ■ 未来を担う子どもたちへの投資の加速 ■ ヘルスケア産業の構造変化 ■ 医療へのアクセス制限 ■ 国際情勢の不安定化 ■ デジタル化などの技術革新/技術進化・データ活用の発展 ■ 医療用医薬品の世界市場の成長と日本市場の縮小 ■ 地球温暖化 |
リスク ● 衛生意識の高まりに伴う感染症治療薬市場の縮小 ● 自社および調達先による下記事象に伴う人権侵害、安定供給・事業遅延・継続リスク/信用力低下 ・地域社会との関係悪化 ・人権問題、環境問題、コンプライアンス・ガバナンス上の問題の発生 ● 情報セキュリティリスクの上昇
機会 ● 温暖化による感染症のグローバル化 ● 世界的な感染症対策への期待と需要増加 ● すべての世代のウェルビーイング実現と社会参画への需要増加 ● 予防・未病・セルフメディケーションニーズの向上と市場の拡大 ● 医療アクセスの促進 ● 技術革新によるソリューションの創出 ● 自社および調達先による下記事象に伴う安定供給の実現、顧客満足・信頼性の獲得 ・安定供給・品質保証の継続改善 ・人権、環境への配慮 |
社内環境の認識 | リスク/機会 |
■ SHIONOGI Group Vision実現に向けたTransformation ■ 働き方改革の推進 ■ パイプライン数、研究開発進度の偏り ■ ロイヤリティービジネスへの高い依存 ■ パテントクリフリスクの低下 |
リスク ● 破壊的イノベーションによる既存のビジネスモデルの崩壊 ● Transformation の実現を担う人材の不足 ● 新興国市場における打ち手不足による機会損失 ● 創薬ハードルの上昇、研究効率の低下 ● 生産性の低下/人材流出
機会 ● 特許に依存しないビジネスの構築 ● 従業員のTransformationへの意識向上によるイノベーション創出・変化対応力の強化 ● 多様な人材が活躍できる環境拡大による人材確保 |