重要課題
SHIONOGIグループの重要課題(マテリアリティ)
SHIONOGIグループは事業活動を通じて社会課題や医療ニーズに応え、社会に必要とされる企業として成長し、その成果をステークホルダーと共有することを目指しています。そのために事業のリスクや機会、自社の現状や課題を踏まえて優先的に取り組む重要課題(マテリアリティ)を特定しています。私たちは将来にわたって人々の健康に貢献する「価値」を提供し続けることで、社会とともに成長することの重要性を絶えず認識し、これらの重要課題にグループ一丸で取り組んでいきます。
❶ 顧客・社会に新たな価値を創出するために取り組む重要課題
重要課題 | 対応 | 関連指標 |
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感染症の脅威からの解放 | ・COVID-19に対する取り組み ・新たなパンデミックへの備えの強化(安定的な 感染症ビジネスモデルの構築) ・ウイルス性感染症に対する製品・サービスの提供 ・三大感染症に対する製品・サービスの提供 ・AMR含む重症感染症に対する製品・サービスの 提供 |
・COVID-19の早期終息に向けたトータルケアの実現 ・研究開発費に占める感染症領域の割合 ・感染症領域パイプライン ・自社開発ワクチンの提供 ・自社開発ワクチンの製造設備の構築 ・「カボテグラビル」による QOL改善への貢献・ 予防適応の取得 ・適正使用情報を提供した人数 |
健やかで豊かな人生への貢献 | ・アンメットメディカルニーズの高い疾患領域に対する製品・サービスの創出 ・疾患特性、当事者の抱える困りごとに対する社会理解促進に資する疾患啓発 |
・精神・神経、疼痛、がん領域のパイプライン ・Webセミナーを活用した啓発活動の実施 |
持続可能な社会保障への貢献 | ・トータルケアによる健康寿命の延伸 ・感染状況の推移を早期に予測することによる 社会的損失の最小化 |
・未病・ケア、予防、診断、重症化抑制における 製品・サービスの提供数 ・下水疫学調査による感染状況の把握 |
❷ 持続可能な社会の実現とSHIONOGIグループの成長を支える重要課題
重要課題 | 対応 | 関連指標 |
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医療アクセスの向上 | ・AMR治療への貢献 ・アフリカでの母子保健支援 |
・LMICアクセスの拡大に向けたパートナリング ・母子保健サービスへのアクセス向上 |
成長を支える人材の確保 | ・多彩な人材の確保 ・尖った強みを持つ人材の育成 ・誰もが働きやすい環境・風土の醸成 |
・マネジャー研修時間 ・自己投資支援額 ・女性マネジャー比率 |
人権の尊重 | ・ポリシーの制定 ・リスクアセスメントの実施 |
・「 シオノギグループ人権ポリシー」の制定 ・従業員/マネジャー向けワークショップの開催 |
サプライチェーン マネジメントの強化 |
・EcoVadis導入と優先度の高いサプライヤーの決定およびサステイナビリティ評価 | ・サプライヤー評価数、評価割合 ・設定した基準を満たすサプライヤー数 |
責任ある製品・ サービスの提供 |
・安定供給 ・モニタリングシステムの強化 |
・欠品ゼロ・回収ゼロ ・法令遵守の徹底 |
ガバナンスの強化 | ・実行性の高いコーポレート・ガバナンス体制 ・リスクマネジメントの強化 |
・取締役会での審議内容の開示 ・全社リスクマネジメント体制の構築 |
コンプライアンスの 遵守 |
・コンプライアンス意識の醸成 | ・従業員の意見を反映したボトムアップ型のコンプライアンス ハンドブックへ刷新 |
環境への配慮 | ・抗菌薬の製造過程における環境への影響の軽減 ・温室効果ガス(GHG)の排出の削減 |
・2030年にサプライチェーンも含めた適正管理(監査のフォローアップ完了) ・2030年度にScope1+2を46.2%、Scope3のカテゴリー1を20%削減、2050年度に排出ゼロの達成 |
特に貢献するSDGs

重要課題(マテリアリティ)の特定プロセス
STEP1:マテリアリティ候補となる社会課題の抽出 |
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SHIONOGIグループを取り巻く環境変化とリスク/機会、国際的なガイドライン等の要請事項、社会的責任投資の調査内容、様々なステークホルダー・エンゲージメントを通じて社会課題を抽出 |
STEP2:抽出した社会課題の優先順位付け |
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経営戦略本部、経営支援本部、CSR推進部等が中心となり、「社会にとっての重要性」と「SHIONOGIグループの事業との関連性」の2軸で課題を抽出・整理 |
STEP3:ステークホルダーによるヒアリング |
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作成したマテリアリティマップについて、投資家や有識者などの社外ステークホルダーおよび社内関連部署にヒアリングを行い、妥当性を確認 |
STEP4:マテリアリティの特定 |
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経営会議、取締役会においてマテリアリティの妥当性を検討し、特定(環境変化等を踏まえて定期的に見直しを実施)
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リスクと機会
SHIONOGIグループの重要課題(マテリアリティ)特定にあたり、社内外の環境変化からSHIONOGIグループにとってのリスクと機会の分析、評価を行いました。今後もリスクと機会の検討を継続的に行いながらSHIONOGIグループの各重要課題の取り組みへ反映させるとともに、活動を推進していきます。
社会の変化 | リスク/機会 |
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・COVID-19の世界的大流行による意識や生活様式の変化 ・ 多様性・価値観の変化 ・先進国の高齢化、新興国における人口の増加(経済パラダイムの急激な変化) ・グローバル化のさらなる進展 ・持続可能な社会の実現に向けた動き |
リスク ・衛生意識の高まりに伴う感染症薬市場の縮小 ・人/モノの移動制限に伴うサプライチェーンの混乱 ・異常気象増加などによる事業被害 ・環境関連規制の強化 ・勤務形態の変化に伴う生産性の低下 ・個人情報の意識の高まり
機会 ・世界的な感染症対策への期待と需要増加 ・世界的なワクチン需要の拡大 ・感染症薬の備蓄の重要性の高まり ・マラリアの地域拡大による市場変化 ・新興国の人口増加と経済成長による市場の変化 ・個人が健康で自分らしく活躍することができる社会の実現への期待 ・国、地域を超えたQOL向上への需要増加 |
製薬業界を取り巻く環境 | リスク/機会 |
・社会保障費に対する意識の高まり ・技術進化・データ活用の発展 ・ヘルスケア産業の構造変化(異業種参入) ・医療ニーズの高度化・多様化 ・公衆衛生、教育、所得格差等に起因する医療へのアクセス制限 |
リスク ・社会保障費の削減(薬剤費の抑制)による市場の縮小 ・既存品の売上縮小による収益低下 ・創薬ハードルの上昇、研究効率の低下 ・安定供給の揺らぎ、品質の低下による患者不利益の発生
機会 ・医療経済性に優れた薬剤への期待 ・テーラーメード医療に対する需要の高まり ・治療薬のみではなく、予防・未病へのニーズ向上 ・精神神経やがん・免疫領域などのアンメットニーズの増大 ・薬物以外で生理機能に影響を与える技術の発達 ・創薬におけるAI・リアルワールドデータの活用 |
SHIONOGIの内部環境 | リスク/機会 |
・STS2030の発表 ・パテントクリフへの対応 ・目指すビジネスモデルに必要な人材確保・育成の必要性 ・ガバナンスの透明性・追跡可能性強化の要請 |
リスク ・従業員のVision 理解からVision具現化の遅れ ・グローバル人材、DX人材、新規事業人材の不足 ・ESGに対する意識の高まりへの対応不足による信用の低下 ・誤った情報拡散による患者不利益の発生 ・情報セキュリティリスクの上昇
機会 ・未病・予防・セルフメディケーション市場などの拡大(パテントに頼らないビジネスの拡大) ・働き方におけるDXの浸透 ・Transformationに対する従業員の意識向上 |