経営理念
SHIONOGI Group Heritage (SHIONOGIの基本方針)
SHIONOGIの目的
SHIONOGIは常に人々の健康を守るために 必要な最もよい薬を提供する。
そのために
益々よい薬を創り出さねばならない。
益々よい薬を造らねばならない。
益々よい薬を益々多くの人々に知らせ、使って貰わねばならない。
創り、造り、売ることを益々経済的にやりとげねばならない。
そのために
SHIONOGIの人々のあらゆる技術が日々休むことなく 向上せねばならない。
SHIONOGIの人々が人間として日々休むことなく 向上しなければならない。
その結果
SHIONOGIの人々は日々の仕事と生活に益々生甲斐を覚える。
SHIONOGIの人々の生活の仕方が益々改善せられる。
SHIONOGIの人々の生活が益々豊かになる。
(1957年1月制定)

SHIONOGIグループ コード・オブ・コンダクト
SHIONOGIは、常に、従業員、患者さま、顧客、地域社会、株主・投資家の方々を念頭に置きながら、より良いヘルスケアを通じて、より良い未来を創造することを目指します。
このコード・オブ・コンダクトは、SHIONOGIの事業活動の中で倫理的かつ責任を持って行動するための規範です。
1: はじめに
社長メッセージ
SHIONOGIは、科学の可能性を最大限に追究し、人々の幸福に貢献することを社会的使命と考え、1878年の創業以来、人々の健康と幸せを守るために必要とされる最もよい薬・ヘルスケアソリューションを提供するという理念を持ち続けています。
SHIONOGIの経営理念と確固たる価値観は私たちの行動基盤です。私たちは、コンプライアンスの徹底、既成概念の打破による進化、不屈の精神による貫徹、多様性の尊重、社会への貢献と共存、という5つのValuesをSHIONOGIのあらゆる活動において実現してまいります。これらのValuesを高いレベルで実践することにより、SHIONOGIで働く人々が私たちの最大の強みとなり、SHIONOGIの企業文化が遺伝子のように継承されていくと信じております。
私たちが高い倫理感に基づいて行動することにより、SHIONOGIの目標を実現し続けると共に、社会からなくてはならない企業としてお認めいただけるものと確信しております。未来に向かって私たちの活動を世界中に展開していく中で、本コード・オブ・コンダクトは、働く国や場所を問わず、常に私たちの指針となるものです。SHIONOGIが事業を展開するすべての国や地域の法令を尊重し、遵守することは言うまでもありません。
SHIONOGIで働くすべての人は、コード・オブ・コンダクトに記載された内容とその背景となる理念に沿った行動を取る責任があります。それぞれの業務でよい成果を出すことは大切ですが、その成果にいたるプロセスがコード・オブ・コンダクトに則っていなければ成果とは呼べないことを肝に銘じております。本コード・オブ・コンダクトやSHIONOGIのポリシー類に反する振る舞いや行為に気づいた場合は速やかに報告してください。SHIONOGIには報告者の安全と秘密を守る体制が整っています。
SHIONOGI Group Valuesを体現し、患者さま第一の観点に立って、ヘルスケアの未来を築く画期的なプラットフォームを、SHIONOGI一丸となって築いてまいります。
ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
代表取締役会長兼社長 CEO
手代木 功
コード・オブ・コンダクトとは何か、またその必要性
SHIONOGIグループ(以下「SHIONOGI」)は、常に、従業員、患者さま、顧客、地域社会、株主・投資家の方々を念頭に置きながら、より良いヘルスケアを通じて、より良い未来を創造することを目指します。このコード・オブ・コンダクトは、SHIONOGI Group Valuesに基づいており、SHIONOGIの事業活動の中で倫理的かつ責任を持って行動するための道標です。
私たちのビジョン:ヘルスケアの未来を創り出す
私たちの価値観:行動の指針となり、成功に導く
私たちの文化:日々の行動を習慣づける
私たちの戦略:集中すべきものを示す
Be Trustworthy (コンプライアンスの徹底) |
社会の信頼を得るために、誠実・正確・公正・透明を徹底して行動する。 |
Boldness and Innovation |
世の中の変化を敏感に捉え、未来を予測し迅速に行動することで、イノベーションを起こす。 |
Play to Win |
競争視点を持って高い目標を常に掲げ、諦めず必ずやり遂げる。 |
Respect for Diversity |
個々の違いや多様な意見を楽しみ、相乗効果を生み出す。 |
Contribution to Society |
社会のアンメットニーズに向き合い、最も良いソリューションを届けることで、社会に貢献する。 |
コード・オブ・コンダクトの適用範囲
コード・オブ・コンダクトは、SHIONOGIグループ各社およびSHIONOGIで働くすべての役員および従業員(以下、「SHIONOGI社員」)が対象です。
SHIONOGI社員は役割や役職にかかわらず、率先垂範して倫理的行動をとらなければなりません。同僚やビジネスパートナー、顧客から高く信頼されるエクセレントビジネスパーソンとして、コード・オブ・コンダクトに則った行動を取ります。
SHIONOGIにおけるコンプライアンスの考え方

SHIONOGIにおけるコンプライアンスは、法律や規制、業界基準の遵守にとどまらず、社会規範の遵守、企業・社会人としての倫理的行動まで含みます。
私たちは、次の原則に則り、コンプライアンスを推進します:
- ステークホルダーから信頼される存在となることを常に目指します。
- SHIONOGI Group Valuesを重視し、レピュテーションの維持・向上に向けて誠実に行動します。
- 適正な判断を持って日々の業務を行います。
グループブランドシンボル
SHIONOGIは1878年の創業以来、さまざまな研究により新たな治療の可能性を拡げ、世界中の患者さまのQuality of Life向上に貢献してきました。SHIONOGIのグループブランドシンボルは、正確に重さを量るために使用された日本の伝統的な「分銅」をモチーフにしています。分銅は、正確性、信頼性、信用性、精密性、品質へのこだわりを表し、リングはダイナミックな拡張と結束を象徴しています。そして、分銅とリングが組み合わさって、グループブランドシンボルを形作っています。

2: 倫理的で責任ある行動
コード・オブ・コンダクトの使い方
私たちは日々、小さな意思決定を重ねながら活動を続けています。コード・オブ・コンダクトは、適正な意思決定とSHIONOGI Group Valuesの実現に導く道標です。これに則った行動を取ることにより、創業以来培ってきた「信頼できる企業」としてのレピュテーションを守ることができます。
しかしながらコード・オブ・コンダクトは、SHIONOGI社員が業務を行う際の法規制の枠組みすべてを網羅しているわけではありませんし、また職場で直面するすべての状況に対して答えを示しているわけでもありません。SHIONOGIのポリシーや手順は、想定される状況において、適正な判断をサポートしてくれます。何が適正な判断なのか確信が持てない場合は、ガイダンスを探したうえで、以下の「Hai 5」の質問項目すべてに「はい」と答えられるかどうか自らに問いかけてください(「Hai 5」は日本語の「はい」を意味しています。「Hai 5」は英語で“ハイタッチ”を意味する「High Five」の掛詞(かけことば)です)。
「Hai 5」の質問項目
あなたの取ろうとしている行動は、
- 関連する法規制、業界基準やSHIONOGIのポリシー・手順に適っていると説明できるものですか?
- SHIONOGIのValuesに則り、患者さまの利益を優先したものですか?
- 世間は理解を示し、味方してくれるものですか?
- その行動が自分に向けられても、受け入れることができるものですか?
- あなたの大切な人も尊重してくれるものですか?
マネジャーの責任
- 協力者がコード・オブ・コンダクトを理解し、必要な教育を完了していることを確認する
- チームのメンバーが基準に適合した判断・行動できるように働きかける
- 率先垂範し、チームのロールモデルになる
- 役職、役割、権限の濫用と見られかねない行動は慎む
疑問や懸念が生じた際に取るべき行動
- 直属の上長
- コンプライアンス部門
- 法務部門
- 人事部門等
私たちは、スピークアップします
コード・オブ・コンダクトまたはポリシーに反する振る舞いや行為に気づいたSHIONOGI社員は、それを報告する責任があります。早く報告すればするほど、より早く解決に向けて取り組むことができるようになります。
匿名で報告することも可能であり、情報が洩れることや報告した事実に基づいて不利益な取り扱い(解雇・降格等)を受けることはありません。このことは各国の法律で定められています。
懸念事項は上長、コンプライアンス部門、法務部門、人事部門等に報告することができます。また、誰でもSHIONOGIの内部通報窓口を利用することができます。
SHIONOGIは報告内容を真摯に受け止め、別に法律で定められている場合を除き、機密情報として慎重に取り扱います。SHIONOGI社員は、コード・オブ・コンダクトやポリシーへの違反に関する調査に全面的に協力する義務があります。不正行為が認められた場合には、再発防止策や対応措置が講じられます。それには、解雇を含む懲戒処分が行われることもあります。
報復の禁止
SHIONOGIは、懸念を報告した人や調査に協力した人に対しての報復行為を一切容認しません。誠意を持って報告した人に報復をすることは絶対にありません。
SHIONOGIは正直さと誠実さを大切にしています。誰もが安心して疑問に思うことを尋ねたり、懸念を表明したり、問題を報告することができます。
<実践のヒント>
私たちは、それぞれの地域で定められている規則・規制の中で活動しています。その地域でのSHIONOGIのポリシーや手順を理解し、定期的に読み直すことが重要です。
3: 患者さまや医療関係者をはじめとする顧客との信頼関係
- 医療関係者とは、医学、歯科、薬学、看護の専門家、またはその他の専門業務において医薬品を処方、推奨、購入、供給、販売、または投与する可能性のある職種の人を指します。
私たちは、ヘルスケア関連の法律・規制、業界基準を遵守します
<私たちの考え方>
SHIONOGIは世界中で事業を展開しています。事業を展開するすべての国において適用される、すべてのヘルスケア関連の法律・規制および業界基準を守ります。
以下の行動を徹底することにより、ヘルスケア関連の法律・規制、業界基準を遵守します。
- 業界のベストプラクティスや規制の変更に関する最新情報を常に把握します
- 取引先のデューデリジェンスを適正に実施します
- 違反に気付いた際は直ちに報告します
<意識するポイント>
SHIONOGIは、あらゆる業務で高い倫理基準で行動します。これには、研究、開発、製造、マーケティング、プロモーション、営業、流通も含まれます。
私たちは、透明性を確保します
医療関係者が患者さまにとって最善の判断をするために、SHIONOGIからの情報を必要としていることを理解しています。SHIONOGIの製品やサービスを提供する患者さまの健康と幸せに貢献することが、SHIONOGIの活動の中心です。
以下の行動を徹底することにより、透明性を確保します。
- 医療関係者への支払い情報を正しく記録します
- 法律や業界基準に則り、医療関係者への支払い情報を公開します
- 製品ラベル、マーケティング・プロモーション資材やブランディング資料において、明確かつ正確な情報を提供します
- 製品やサービスに関連する安全性と有効性のデータを提供します
- 重要な安全性情報を省略したり、過少表現したりしません
- 承認されたプロモーション資料のみを使用します
私たちは、医療関係者と誠実な関わり方をします
<私たちの考え方>
私たちは、さまざまな場面で研究者を含む多くの医療関係者と関わります。その際、常に公平性と透明性を持って接します。
以下の行動を徹底することにより、医療関係者と誠実に関わります。
- 完全かつ正確であり、科学的根拠に基づいた偏りのない製品情報を提供します
- 患者さまと医師の関係には関与しません
- 関連する基準や審査プロセスに沿ってプロモーション活動を実施します
- 研究開発活動と製品プロモーション活動を切り離します
- 医療関係者の判断に影響を与える、または与えようとする目的で、私たちの活動を悪用しません
<実践のヒント>
私たちは業務の中で、製品やサービスに関連する判断(例えば、製品やサービスの承認、処方、購入、販売、供給、使用に関することなど)に影響を与え得るさまざまな医療関係者や意思決定者と関わる場合があります。SHIONOGI社員は、製品やサービスの使用に影響を与える立場にある人々と誠実かつ透明な関係を築くように努めます。
<意識するポイント>
患者さまと医師の関係は医療プロセスの中核を成すものであり、SHIONOGI社員はその関係に決して干渉しません。
私たちは、責任を持って政府組織や非政府組織と連携します
<私たちの考え方>
SHIONOGIの事業は、政府組織や非政府組織(NGO)との継続的な関係による影響を受けています。そのような関係が重要であると同時に責任あることを認識し、相手の立場を理解しながら慎重に関わります。私たちは、関連するすべてのポリシーと規制に従い、政府機関に全面的に協力します。
以下の行動を徹底することにより、政府組織やNGOと責任を持って連携します。
- 関連する法律、規制、手続きに関する最新情報を常に把握して、遵守します
- メディア、政府機関、NGO、投資家とのコミュニケーションは担当者のみが行います
- ビジネス上の判断に不適切な影響を与えることを意図した価値あるもの(寄附を含む)を、政府機関に対して一切提供しません
<実践のヒント>
私たちは随時、メディア、投資家、政府機関、NGOや社会とコミュニケーションを取る必要があります。SHIONOGI社員は、常に、正確かつ信頼できる情報を提供します。私たちのメッセージを正確に伝えるようにするため、担当者のみが質疑応答をはじめとする、メディア、政府機関、NGOや投資家とのやり取りを行います。
<意識するポイント>
SHIONOGIは公的機関を顧客とする場合があります。そのような機関には国公立の病院が含まれ、それらは各国の調達に関する法律による規制を受けます。 SHIONOGIはサプライヤーとして、それらの法律を遵守し、公共調達プロセスおよび公的機関との契約を公正に実行します。公務員の意思決定に不適切な影響を与えるような行為は、決して行いません。
私たちは、個人情報保護に関する法律を遵守します
<私たちの考え方>
私たちのビジネスには、患者さま、医療関係者、ビジネスパートナー、同僚等多くの人々が関わります。業務上それらの関係者から個人情報やデータを提供してもらうことが必要な場合もありますが、それはSHIONOGI社員がそれらのデータを慎重に取り扱うものと信頼して提供されています。私たちは、個人情報に関するデータを、適用される法律とSHIONOGIのポリシーに従って、同意された目的にのみ利用します。
以下の行動を徹底することにより、データプライバシーを守ります。
- 法律で義務付けられている場合を除き、患者さまの同意無しに患者情報を開示しません
- 個人情報は業務目的でのみ収集して、使用します
- セキュリティおよび暗号化に関する手順に従って、個人情報を安全かつ確実に保管します
- 個人情報は閲覧権限のない者と共有しません
- 個人情報を第三者に提供する際は、デューデリジェンスとリスク評価を実施して、必要に応じたデータ保護契約を締結します
- 記録を破棄する場合は、SHIONOGIのポリシーと手順に従います
<実践のヒント>
個人情報とは、個人を特定することが可能なあらゆる情報です。そのような情報は、氏名、マイナンバー、運転免許証番号、電話番号、住所などを含みます。固有の識別番号や数字・文字の羅列といった形式の場合もあります。
<意識するポイント>
SHIONOGI社員は、個人情報やデータを委託先に共有する場合には注意を払います。委託先がSHIONOGIと同程度のレベルで適切に管理することを目指します。
4: 公正な事業慣行
私たちは、競争法を遵守し、公正に競争します
<私たちの考え方>
公正な競争は、イノベーションを促進して、SHIONOGIの活動をより良いものにします。つまり、更なる質の高いヘルスケアにより、明るい未来の創造につながります。私たちは、事業を展開するあらゆる地域で、公正に競争し、適用される競争法を遵守します。
以下の行動を徹底することにより、公正に競争します。
- 競合他社に関する情報を不正な手段で入手しません
- 競合他社と価格設定戦略について話し合いません
- 競合他社と販売区域、市場、顧客の割り当てを行いません
- 競合他社と協力して販売を制限したり、競争入札プロセスを変更したりしません
- 競合他社の製品に関する虚偽の言明をしません
- 優越的な地位を利用しません
- 競合他社が不適切または違法な取引を実施しようとしていることに関する懸念事項がある場合は、直ちにコンプライアンス部門または法務部門に報告します
<意識するポイント>
競争法は複雑で、その要件は地域、実態、また状況によって異なる場合があります。競合他社とのやり取りに関して疑問や懸念がある場合は、コンプライアンス部門または法務部門に確認してください。
私たちは、贈収賄や腐敗行為を一切容認しません
<私たちの考え方>
私たちは、事業を展開するあらゆる地域で、贈収賄および腐敗行為防止に関する法を遵守します。それらの法律に違反する行為をした場合、または関与したとみなされるだけでも、SHIONOGIと当事者の双方が、刑事告訴を含む重大な処罰を受ける可能性があります。違反行為によってSHIONOGIのレピュテーションが大幅に損なわれ、患者さまを含めた社会からの信頼を失墜させることにつながり得ます。また、国・政府との契約や公開入札からの排除、時間と費用のかかる調査、その他の日常的な事業活動への悪影響につながることを認識します。
私たちは、ビジネス上の判断に影響を与えたり、ビジネス上の優位性を得るために賄賂、違法な支払い、またはその他の便益を直接的、間接的問わず、絶対に提供、受領しません。
以下の行動を徹底することにより、贈収賄や腐敗行為を回避します。
- ビジネス上の優位性を不正に得る目的で、金銭を提供しません
- 賄賂や円滑化支払い、キックバックを提供しません・受け取りません
- 完全かつ正確にすべての支払い情報を詳細に記録します
- SHIONOGIの立場では行わないであろう支払いを、代理店や第三者を通して実施したり、させたりしません
- 不適切な支払いに関する懸念に気づいた場合は直ちに報告します
贈収賄とは、他者の行為や行動に影響を与える意図を持って提案または提供される、価値のあるもの(便益)です。賄賂を贈ったり、提案することだけでなく、自分が不適切な行為を行う見返りとして賄賂を要求したり、受け取ったりすることも違法です。
腐敗行為とは、不誠実で欺瞞的な行為のことです。腐敗行為には、賄賂、詐欺、金融犯罪(マネーロンダリングや脱税幇助など)といった、さまざまな種類の不正行為が含まれます。
円滑化支払いとは、一般的に、(政府関係者などによる)所定の措置または必要な措置を確実なものとする、促進する、もしくは省略するため、またはプロセスを回避するために行われる非公式な支払いです。円滑化のための支払いは賄賂とみなされます。
<実践のヒント>
賄賂は、たとえそれがコンサルタントや流通業者などの第三者を通じて間接的に支払われたとしても、賄賂であることに変わりはありません。私たちは、法的に認められていないことを他者にも依頼しません。賄賂の要求を受けた場合は、それがいかなるものであっても、直ちにコンプライアンス部門または法務部門に報告しなければなりません。
<意識するポイント>
グローバル企業であるSHIONOGIは、政府関係者(公務員)と仕事をする場合には特に注意が必要です。政府関係者は法に基づき、SHIONOGIの事業を左右する決定権を持っていると想定されます。政府機関、大学、または病院に雇用されている医療関係者は、政府職員とみなされることがあります。したがってビジネス上の判断に不適切な影響を与えたり不適切な行為と見られないように、医療関係者との活動は慎重に検討する必要があります。
私たちは、完全かつ正確で、関連性のある記録を保管します
<私たちの考え方>
正確性、適時性、透明性、完全性を備えた業務記録と財務記録は、事業運営を支える基本的な統制手法です。そのような統制手法は、経費不正を防止、発見、阻止するうえで不可欠です。私たちは、業務記録および財務記録を作成、保管、破棄する場合には注意を払い、ポリシーおよび適用される法律と規制を遵守します。
以下の行動を徹底することにより、完全かつ正確な業務記録と財務記録を保管します。
- すべての記録を整理し、利用できる状態にし、安全に保管します
- 財務記録の作成にあたり、一般に公正妥当と認められる会計基準、また関係する法律と規制を遵守します
- 経費は正確かつ速やかに報告します
- 取引の報告を怠ったり、隠蔽・偽装しません
- 書類の日付の改ざん(バックデート含む)をしません
- 経費不正やマネーロンダリングなど、疑わしい行為があった場合は、直ちに経理部門、コンプライアンス部門、または法務部門に報告します
<実践のヒント>
経費不正は、個人的利益のために企業を騙そうとするときに発生します。経費不正には、以下のようなさまざまなものがあります。
- 個人的な出費を会社経費として偽ること
- 行われなかった活動に関する請求を行うこと
- 労働していない時間の賃金を請求すること
- 架空の領収書を提出すること
<意識するポイント>
業務記録および財務記録には、さまざまなものがあります。以下に、いくつか例示します。
- 手紙、メモ、電子メール、テキストメッセージなどの通信文書
- 注文書および請求書
- 契約書
- 給与台帳
私たちは、ビジネスシーンでの接遇を誠実に行います
<私たちの考え方>
ビジネス上の接遇(例えばおもてなし、会食、手土産、旅費など)は、感謝の気持ちを表し、良好な取引関係を築くための手段となることがあります。ただし、SHIONOGIの取引先、または取引先となる可能性のある医療関係者、医療機関、およびその他の第三者への接遇は慎重な対応が必要であり、多くの場合、そのような行為には厳格な要件と制限が適用されます。私たちは、取引関係者や患者さまへの処方に関する判断に影響を及ぼしたり、義務感を抱かせたり、またそのように見られる可能性がある場合は、決して接遇を受けたり、行ったりしません。特に医療関係者への贈答は禁止されています。
以下の行動を徹底することにより、ビジネス上の接遇を、責任を持って行います。
- 接遇を要求しません
- 現金または金銭相当品を授受しません
- 医療関係者に贈答品を提供しません
- 授受の際にはSHIONOGIのポリシーと手順に従います
- 入札中または交渉中は、ビジネスパートナー候補と贈答品の授受は行いません
- 政府関係者や公務員に対しては、特に注意を払い、厳格なルールを適用します
<実践のヒント>
接遇の提供は、以下の条件を満たす必要があります。
- ビジネス上の優位性を得ようとするものではないこと
- 現金または金銭相当品を授受しないこと
- 適用される法律、ポリシー、および手順を遵守すること
- 正確に書面化し、承認を受けること
<意識するポイント>
医療関係者への贈答は許されていません。また、おもてなしは、何らかの主目的に伴う副次的な性質のものとして、正当な業務上の必要性がある場合に限り提供することができます。おもてなしは、旅費、宿泊費、食費、参加費が代表的なものですが、それらに限定されません。
私たちは、利益相反を回避します
<私たちの考え方>
利益相反とは、私的な利益、関係、活動、またはその他の忠誠的行為が、SHIONOGIでの役割における判断、決定、行動、または業績を損なう可能性がある、または損なわれるように見える状況を指します。
私たちは、SHIONOGIの利益と相反する可能性がある行動を回避します。客観的なビジネス上の判断能力を損なう恐れがあるので、私的な利益や利得をSHIONOGIの利益よりも優先しません。SHIONOGIの利益と相反する可能性のある状況に遭遇した場合は報告します。利益相反があるように見えるだけでも、SHIONOGIのレピュテーションに影響を与える可能性があります。透明性を確保することで、潜在的もしくは実際的な利益相反または利益相反と認識される状況を適切に管理し、回避することができるようになります。
以下の行動を徹底することにより、利益相反を回避します。
- 利益相反とみなされる可能性のある状況について慎重に検討します
- 利益相反の可能性がある場合は、上長、コンプライアンス部門、法務部門、または人事部門に報告します
- 親戚や親しい友人の採用や、それらの人々が携わっているビジネス上の判断に関与しません
- SHIONOGIの競合企業の株式を多数保有している場合は、開示します
- 疑念がある場合は、コンプライアンス部門または法務部門に連絡します
<実践のヒント>
利益相反は、SHIONOGIの利益を阻害する可能性のある関係、活動、または利益を伴う場合に発生します。発生する可能性のあるすべての利益相反を特定することは困難ですが、いくつかのケースを以下に示します。
- SHIONOGIの競合企業で副業先を探している場合
- 家族がSHIONOGIの競合企業で働いている場合
- SHIONOGIとの取引を希望する企業を親しい友人が経営している場合
- 社内に親密な私的関係(家族関係や恋愛関係)にある人がいる場合
- SHIONOGIが取引を検討している企業と経済的利害関係にある場合
<意識するポイント>
潜在的な利益相反について透明性を確保することで、利益相反または利益相反と認識される状況を適切に管理し、回避できるようになります。利益相反の疑いがあるとみなされることは、実際の利益相反と同様に、SHIONOGIや個人のレピュテーションに影響を与える可能性があります。
多くの場合、適切な予防策を講じることで潜在的な利益相反を緩和することができます。
私たちは、インサイダー取引に関する法律を遵守します
<私たちの考え方>
私たちは、与えられた役割によっては一般の人々が入手できない、投資家の興味を惹く情報を知ることがあります。そのような情報を入手した場合、私たちは、証券を売買したり、家族・友人・同僚などに情報を共有したりしません。インサイダー取引は決して行わず、正しい方法で目的を達成します。
以下の行動を徹底することにより、インサイダー取引に関する法律を遵守します。
- インサイダー情報を入手した場合には、SHIONOGIの株式を売買しません
- インサイダー情報を入手した場合には、関係するビジネスパートナーや競合他社の株式を売買しません
- 事業開発の評価や取引の一環で機密情報を取得した企業の株式を売買しません
- 家族や友人を含む社外の人とインサイダー情報を共有しません
- インサイダー情報は、SHIONOGI内で知る必要のある社員のみで共有します
- インサイダー情報が誤って共有されないように細心の注意を払います
- インサイダー情報であるかどうか不明な場合は、助言を求めます
<実践のヒント>
投資家の興味を惹く可能性のあるインサイダー情報は、重要な非公開情報とも呼ばれます。そのような情報には、以下のものが含まれます。
- 未公開のパイプラインやその開発状況に関する情報
- 未公開の決算情報
- 未公開の買収案件
<意識するポイント>
重要な非公開情報を知った場合は、その情報に基づいて行動する可能性のある人に情報を伝えないでください。これは直接的であるか間接的であるかを問わず禁止されています。
私たちは、制裁措置および輸出入に関する法律を遵守します
<私たちの考え方>
制裁措置とは、国、集団、または個人の行動に影響を与えることを目的とする経済的および政治的な制限措置です。
SHIONOGIは、グローバル企業として国際的な貿易に関する法律の適用を受けます。私たちは、製品、サービス、情報、テクノロジーの国際的移転を規制する法律と制裁措置に従います。そうすることで、厳しい罰則やレピュテーション低下からSHIONOGIの事業を守ることができます。
以下の行動を徹底することにより、貿易に関する法律を遵守します。
- 輸出入に関する法律や規制を事前に理解することなく、国際取引を行いません
- 制裁措置の対象となる可能性のある国際取引に関わる前にコンプライアンス部門または法務部門に助言を求めます
<実践のヒント>
制裁措置では、所定の個人、組織、国に対する特定の製品、サービス、リソースの移転が禁止・制限されます。国家安全保障、経済、外交政策上の理由から、政府や省庁によって課せられるものです。
<意識するポイント>
制裁措置の内容は常に変化します。そのため、特定の取引について質問や不明点がある場合は、必ず助言を求めてください。
私たちは、慎重かつ責任を持って政治活動に関わります
<私たちの考え方>
私たちは、公正性と透明性を確保しながら、事業を展開する各国の政府機関、行政機構、政党と関わります。政治活動や政治献金を行う場合は、適用される法律、規制、SHIONOGIのポリシーを遵守し、ビジネス上の判断に不適切な影響を与えたり、ビジネス上の優位性を確保しようとすることは決して行いません。
以下の行動を徹底することにより、SHIONOGI社員が政治プロセスに参加する権利を尊重します。
- 参加する場合には、私的な時間と費用を使います
- 同僚に政治的見解を押し付けません
- 個人の政治的見解とSHIONOGIの見解を明確に区別します
- 政治活動が仕事上の責任の妨げとなることを認めません
5: 情報とコミュニケーションの適切な管理
私たちは、企業秘密、機密情報、知的財産を大切に扱います
<私たちの考え方>
私たちはあらゆる活動で信頼を築き、維持します。これは、顧客、ビジネスパートナー、その他の外部業者の知的財産権を尊重することも意味します。知的財産は、SHIONOGIの貴重なイノベーション文化を守るものです。
以下の行動を徹底することにより、企業秘密、機密情報、知的財産を大事に取り扱います。
- 機密情報について公共の場で話したり、競合他社に話したりしません
- 機密情報は、業務上の目的で権限を持っている者とのみ共有します
- 患者さま、顧客、またはビジネスパートナーから取得したすべての機密情報は、社内の機密情報と同様に、注意して取り扱います
- すべてのデータと書類は、適切なセキュリティと暗号化を使用して、ポリシーと手順に従って保護します
機密情報とは、一般に公開されていない、SHIONOGIに関する、機密性の高い業務に関係する資料です。それには、以下のものが含まれます。
- 企業秘密、特許、商標、著作権などの知的財産
- 研究開発に関する情報
- マーケティング戦略および製品発売計画
- 事業計画、プロセスおよび手順
- 従業員データ
- 財務情報(価格設定、提案、製品コスト、財務実績、決算情報など)
- 臨床試験に関する情報
<意識するポイント>
SHIONOGI社員は、業務を通じて知りえた機密情報を保護します。退職後も、職務中に知り得たすべての機密情報を守ります。
私たちは、会社の資産を守ります
<私たちの考え方>
私たちは、業務を行うためにSHIONOGIの情報、システム、設備を使うことを任せられています。それらの資産を、責任を持って安全に利用します。私たちの職場環境は、作業空間、技術システム、およびネットワークによって構成されています。
私たち全員に、会社資産を盗難、不正利用、損害、紛失、誤使用から守る責任があります。以下の行動を徹底することにより、会社の資産を大切に守ります。
- すべての有形資産は、損傷、乱用、紛失、または盗難が発生しないように丁寧に扱います
- 会社の所有物を、個人利用のために職場から持ち出しません
- 承認されているソフトウェア、アプリケーション、ハードウェアのみを業務で使用します
- すべての情報システムは、SHIONOGIのポリシーと手続きに従って、最新の状態に維持し、適切に機能するようにします
- SHIONOGI資産の不正使用を許しません
<実践のヒント>
会社資産にはさまざまなものがあり、以下のものが含まれます。
- 製品、在庫、コンピューター、オフィス機器などの有形資産
- ネットワーク、ハードウェア、ソフトウェア、電子メールシステムなどの技術
- 金銭、銀行口座、株式などの金融資産
- 機密情報
私たちは、責任を持って人工知能を使用します
<私たちの考え方>
人工知能(AI)は、イノベーションのための新しい機会を生み出します。AIは効率性を高め、新たな見識を提供してくれます。私たちは、それを利用して、ヘルスケアの未来を創り出すという目標を推し進めます。しかしながら、AIはその進化に伴いリスクをもたらす可能性があり、適切に監視してそのリスクを軽減する必要があります。
以下の行動を徹底することにより、責任を持ってAIシステムを使用します。
- 特にデータ保護と機密性に関しては、AIの使用がポリシーに則っているか注意します
- SHIONOGIの知的財産を、公開されたAIシステムに組み込みません
- AIシステムにおける第三者の知的財産を尊重します
- AIの回答を鵜呑みにしません
私たちは、責任を持ってコミュニケーションを行います
<私たちの考え方>
私たちは、偽りのない、正確な情報をビジネスパートナーやステークホルダーに提供します。メディアをはじめとする社会とコミュニケーションを取る場合、一貫性を持って発言します。それを実現するため、SHIONOGIは代表として発言する者を任命します。
以下の行動を徹底することにより、責任を持ってコミュニケーションを行います。
- SHIONOGIを代表して発言する権限がない限り、外部団体からのコメント要請は丁重に断ります
- 外部からの問い合わせ対応は、SHIONOGIを代表して発言することを任命された社員が実施します
- 許可を得ずに会社の機密情報を共有しません
- 重要な出来事を適時適切に開示できるようにします
- 顧客やビジネスパートナーに関するSHIONOGIの見解は伝えません
- コミュニケーションやソーシャルメディアの使用にあたってはSHIONOGIのポリシーと手順に従います
<意識するポイント>
SHIONOGI社員は、ソーシャルメディアを通じて、SHIONOGIに関する重要な情報を伝えることができます。発信内容がSHIONOGI Group Valuesに沿ったものとなるようにするため、代表してソーシャルメディアに関与できるのは、権限を与えられた社員だけです。SHIONOGI社員が、個人のソーシャルメディアアカウントを使用する場合は、常にSHIONOGIやレピュテーションへの影響を考慮しなければなりません。
6: 人権の尊重
私たちは、強制労働や奴隷を一切容認しません
<私たちの考え方>
私たちは、公平性を尊重し、それが世界をより安全なものにすると考えています。あらゆる種類の違法な労働環境と非人道的な労働慣行に反対し、すべてのビジネスパートナーにも同様の対応を求めます。私たちは、事業やサプライチェーンにおける強制労働、奴隷、また人身売買を容認しません。
以下の行動を徹底することにより、強制労働、奴隷、およびその他の違法な労働慣行を排除します。
- 安全な労働条件と公正な対価を提供します
- サプライヤーとビジネスパートナーの労働慣行が公正かつ人道的なものであることを確認するため、デューデリジェンスを実施します
- 事業を展開する地域で、児童労働や囚人労働、またはその他の非人道的、違法な労働慣行を行いません
- 懸念事項がある場合は、直ちにコンプライアンス部門または法務部門に報告します
7: 働き方改革、職場環境の充実
私たちは、機会平等を推進します
<私たちの考え方>
私たちは、優秀な人材を惹き付け、育成して、維持することを目指します。すなわち、個人の知識、スキル、能力に敬意を払います。最高の同僚と一緒に仕事をすることで、競争力を常に磨き続けます。
以下の行動を徹底することにより、機会平等を推進します。
- 従業員一人ひとりがSHIONOGIにもたらす能力に着目します
- 障がいを持つ社員に配慮した環境を提供します
- 差別禁止法に従います
- 懸念事項がある場合は、直ちにコンプライアンス部門または法務部門に報告します
<実践のヒント>
SHIONOGIは、以下による差別をしません。
- 人種
- 民族または国籍
- 性別または性差
- 宗教
- 年齢
- 障がい
私たちは、思いやりと敬意を持って行動します
<私たちの考え方>
私たちは、理解され、支えられていると感じたときに最大限の力を発揮することができます。一緒に働く仲間をプロフェッショナル且つ一人の大人として扱い、思いやりと敬意のある職場環境を作り上げます。私たちは、他者に敬意を払う責任があり、ハラスメントや脅迫行為を決して行いません。
私たちは、ハラスメント、差別、いじめ、報復のない職場環境を推進します。
以下の行動を徹底することにより、思いやりと敬意を示します。
- 常に礼儀正しく敬意を持って他者に接します
- 必要な場合は人事または法務部門に助けを求めながら、忍耐と理性を持って紛争に対処します
- ハラスメント、いじめ、報復行為を受けた、または目撃した場合はスピークアップします
<実践のヒント>
ハラスメントには、以下のような、さまざまなものがあります。
- 人種や民族に対する差別的な言葉を口にしたり、書いたり、またソーシャルメディアなどに投稿したりすること
- 不当に邪魔をしたり、相手が望まない性的なアプローチをしたりすること
- オフィス内に不快または過激と感じられるようなポスターなどを掲示すること
私たちは、多様な価値観を尊重し、結束して大きな成果を築き上げます
<私たちの考え方>
私たちは、多様性、公平性、包摂性の力を信じ、個人の強み、能力、視点を活かす職場環境を作り上げます。個々人の多様な背景がイノベーションを生み、目標達成の一助になると信じています。
以下の行動を徹底することにより、多様性から大きな成果を築き上げます。
- チームを編成するときには多様性を尊重します
- チームメンバー全員から意見を求めます
- 敬意と礼節を持って、他者の意見に耳を傾けます
- 職場環境における公平性、平等性、敬意、協調、包摂性を推進します
私たちは、職場の安全と健康を確保します
<私たちの考え方>
私たちは、従業員、ビジネスパートナー、そして職場を訪れるすべての人々の安全と安心を確保します。万一、安全でないと思われるものを見つけた場合に即座に報告することは、私たちの責任です。
<実践のヒント>
SHIONOGIは、健康と安全を重視し、安全に働く方法が分かるように研修プログラムを提供します。健康と安全に積極的に関わり、率直なコミュニケーションを取ります。
8: 持続可能な経済成長と健康に関わる社会的課題の解決に向けた貢献
私たちは、高品質な製品を造ります
<私たちの考え方>
SHIONOGIのレピュテーションは製品の品質によって強く影響を受けます。私たちは、製品の安全性と品質に関するさまざまなガイドラインや基準を適用します。
以下の行動を徹底することにより、高品質の製品を造ります。
- 開発や製造プロセスでは、SHIONOGIのガイドラインと基準に従います
- 適用される法律、規制および業界のガイドラインに従います
- 正確な記録を保持して、製造プロセスを支えるシステムの検証を行います
- 製品を安全かつ適正に使用する方法を理解してもらえるよう、医療関係者とコミュニケーションを取ります
- 製品の安全性や品質に関する問題は、速やかに報告します
- 製品に関連する有害事象は、速やかに報告します
<実践のヒント>
有害事象は必ずしもマイナス効果や危険な症状だけとは限らないことを認識しなければなりません。たとえば、意図しない副作用による利点についても、それは有害事象とみなされ得るということです。
<意識するポイント>
SHIONOGIは、以下の観点で自らに高い基準を設けます。
- 品質:製品の安全性、品質、有効性に関連するすべての規制対象活動が品質管理システムに組み込まれるようにします。
- 記録:記録とコンピューターシステムを管理し、いつでも確認できるようにします。
- コミュニケーション:重要な関連情報を正確性と透明性を担保しつつ、医療関係者、患者さま、公衆衛生機関と共有します。
- 報告:製品に関するあらゆる問題を直ぐに報告します。SHIONOGIは、高い品質で有効な製品を提供する責任を果たします。
私たちは、責任を持って研究活動を行います
<私たちの考え方>
イノベーションはSHIONOGIのビジネスの中核であり、私たちは研究開発活動を通じて、新しい医薬品、ワクチン、製品を開発しています。私たちは、研究に参加する人々の権利、安全、心身の健康に配慮します。
以下の行動を徹底することにより、責任を持って研究を行います。
- 倫理的、医学的、科学的基準を遵守します
- データインテグリティの原則を一貫して適用します
- 科学的証拠に基づく判断が、SHIONOGIの研究にとって極めて重要であることを認識します
- 使用される可能性のあるすべての化学物質と生物試料を慎重に取り扱います
- 臨床試験に参加する人々の安全を守ります
- 他の研究者と共有するデータを匿名化します
<実践のヒント>
私たちは、臨床試験の参加者が十分な情報に基づいて判断を下せるように、透明性を持って説明します。臨床試験を開始する前に、リスクとメリットの両面をすべて開示し、インフォームドコンセントを得ます。私たちは適用される法律、規制、業界基準に従って、臨床試験情報を公開します。
<意識するポイント>
時には、試験データが期待どおりの結果にならないこともあります。可能な場合には、そのような試験データを科学と公衆衛生の発展に役立てることができるように、適切な研究者に共有します。データを共有する前には、必ずそのデータが匿名化されていることを確認します。このようにすることで、試験データの価値だけでなく、試験参加者の貢献も最大限に活かすことができます。
データインテグリティの原則は、研究分野と製造分野に適用されます。それらの原則では、データが以下の特性を備えていなければなりません。
- 帰属性
- 判読性
- 同時性
- 原本性
- 正確性
- 完全性
- 一貫性
- 永続性
- 可用性
私たちは、動物福祉を支持します
新しい医薬品を開発するうえで、製品の安全性と品質を確保する必要があります。研究では可能な限り、動物に代わるものを使用します。しかし、動物による研究が、人間の安全を確保するうえで最善の方法となることもあります。その場合、私たちは科学に基づく倫理原則に従います。
以下の行動を徹底することにより、動物福祉を支持します。
- 動物のケアと福祉に関する厳格な基準を維持します
- 外部業者に対しても、SHIONOGIと同じ基準での動物の倫理的取り扱いを求めます
- 研究での動物の人道的扱いに関して、適用される法律と規制に従います
- 代替、削減、改良の原則を遵守します
9: 環境問題への取り組み
私たちは、環境保護に取り組みます
<私たちの考え方>
環境を保護する法律は、未来をより良いものにするうえでの助けとなります。私たちは、持続可能性の文化を育んでいます。
以下の行動を徹底することにより、環境への影響を最小限に抑えます。
- 業務遂行上の環境リスクを特定し、監視します
- リサイクルなど、持続可能性に関連するポリシーや手順に従います
- 可能な限り再生可能エネルギー源を使用します
- 持続可能な方法で資源を管理します
- ビジネスパートナーに対しても、SHIONOGIの環境への取り組みへの賛同を求めます
10: 社会参画と発展への貢献
SHIONOGIは、Quality of Lifeの向上は誰もが実現できるものであると信じています。地域社会だけでなく国際社会の持続可能な発展に貢献できるように努めます。
私たちは、社会貢献として意義あることを行います。SHIONOGIの活動、寄附や助成金は、世界中、そして地域社会に、良い影響をもたらすよう実行します。
私たちは、地域社会と協力します
<私たちの考え方>
私たちは、ヘルスケアや地域社会に関するさまざまな取り組みを支援しています。それには、ヘルスケアへのアクセスを改善し、患者さまの健康と幸福を守り、病気に対する意識を啓発し、地域社会の福祉を向上させる取り組みが含まれます。私たちの取り組みは、進歩を促し、医療格差を減らすことに貢献すると信じています。
以下の行動を徹底することにより、地域社会を支援します。
- ボランティア活動に参加し、慈善事業に貢献する
- SHIONOGIとして寄附を行う場合は事前に承認を得る
11: 危機管理の徹底
私たちは、情報システムを保護します
<私たちの考え方>
情報システムは、私たちが業務を行ううえで欠かすことができないものです。私たちは、それらの情報システムを使用し、重要なビジネスに関する情報だけでなく、患者さまやビジネスパートナーからのデータも安全に保管します。また、システムそのものも大切に保護します。
以下を徹底することにより、情報システムを保護します。
- 電子メールやファイル、フォルダを含む情報システムへのアクセスは、権限のあるユーザーのみとします
- ユーザーIDとパスワードを保護し、ポリシーに従って更新し、決して共有しません
- 社外で作業しているときも、常にすべてのコンピューターと情報機器のセキュリティを確保します
- 疑わしい電子メール、添付ファイル、ハイパーリンクは絶対に開きません
- 不適切なコンテンツを検索、作成するために会社のコンピューター、情報機器、システムを使用しません
- データ侵害やその他の障害が発生した場合は、速やかに報告します
私たちは、危機に備えます
<私たちの考え方>
SHIONOGI社員の健康と安全は、私たちの最優先事項です。あらゆる業務で安全を重視していますが、危機的な事象の影響を受ける可能性や、職場で緊急事態が発生する可能性もあります。緊急時も適切に対応できるように、事業継続計画を策定しています。また、必要に応じて資産とサプライチェーンを復旧、調整できるように対応します。
以下の行動を徹底することにより、最善の方法で危機に対応します。
- 緊急時におけるすべての手続きや手順だけでなく、各人の役割についても理解しておきます
- リーダーの役割がある人は、周知されており、常に連絡がとれるようにします
- 周りの人と協力し、できるだけ早く安全を確保します
12: 結語
SHIONOGI Group Valuesは、私たちの行動基盤です。適切な判断を下し、SHIONOGIのValuesを尊重し、レピュテーションを維持し、すべての活動において倫理的かつ責任を持って行動することは、私たち一人ひとりの責任です。
結果だけでなく、その結果にいたるプロセスもとても重要です。少しでもおかしいと感じたり、患者さま、従業員、SHIONOGIが危険にさらされたりする可能性がある場合には、スピークアップしてすべての懸念を洗い出します。そうすることによって得られる患者さまからの信用・信頼関係が、SHIONOGIのレピュテーションを維持し、最もよい薬を供給することに繋がります。
私たち一人ひとりの貢献が、日々、大きな意義のある効果をもたらします。
今後ともSHIONOGI一丸となって、ヘルスケアの未来を築いて行きます。
2025年4月制定
SHIONOGI Group Vision(2030年にSHIONOGIが成し遂げたいこと)
SHIONOGI Group Values(Vision達成に不可欠な価値観)
- コンプライアンスの徹底 -
社会の信頼を得るために、誠実・正確・公正・透明を徹底して行動する
- 既成概念の打破による進化 -
世の中の変化を敏感に捉え、未来を予測し迅速に行動することで、イノベーションを起こす
- 不屈の精神による貫徹 -
競争視点を持って高い目標を常に掲げ、諦めず必ずやり遂げる
- 多様性の尊重 -
個々の違いや多様な意見を楽しみ、相乗効果を生み出す
- 社会への貢献と共存 -
社会のアンメットニーズに向き合い、最も良いソリューションを届けることで、社会に貢献する