トップメッセージ

新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す

 SHIONOGIグループのルーツは、1878年に誕生した薬種問屋「塩野義三郎商店」です。

当時と比べると、医薬品を取り巻く環境も社会も飛躍的に発展しました。

SHIONOGIも時代の移り変わりに合わせて、そのビジネスのかたちを変えながら、今日まで成長してきました。

 しかしながら、この140年以上にわたり、変わらないものがあります。それは、患者さまによりよい薬を、そして、医療関係者の皆さまに正しい情報を、誠実にお届けすることです。何度か直面した経営が苦しいときにおいても「SHIONOGIは、常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という基本方針を決して変えることはありませんでした。貫いたこの基本方針は、SHIONOGIの哲学(フィロソフィー)としてしっかりと従業員一人ひとりの心の中に根付き、SHIONOGIグループの成長の推進力となっています。
 SHIONOGIは2030年に成し遂げたいビジョン(2030年Vision)として、「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」ことを掲げています。創造力と専門性をベースとして築き上げてきた創薬型製薬企業としての強みをさらに進化させ、異なる強みを持つ他社・他産業から選ばれることで、ヘルスケア領域の新たなプラットフォームを構築する「協創の核」となるべく自らを変革し、医療用医薬品を中心に提供する「創薬型製薬企業」から、ヘルスケアサービスを提供する「HaaS(Healthcare as a Service)企業」へ進化し、社会に対して新たな価値を提供し続けていくことで、患者さまや社会の抱える困り事をより包括的に解決したいと考えています。

 このビジョンを実現し、さらなる成長を達成するための戦略として中期経営計画「Shionogi Transformation Strategy 2030(STS2030)」を2020年6月に策定しスタートさせました。すでに3事業年度が経過しておりますが、この期間においては、全世界が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のパンデミックによる社会・医療の混乱に直面し、早期収束に向けた対応や社会保障のあり方、人々の健康的な日々に対する再認識など、ヘルスケア産業を取り巻く外部環境はより一層急速に変化しました。

 このような中、SHIONOGIは社会からの強い要請に応えるべく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬ならびにワクチンの開発、下水疫学サービスを開始するなど、創薬力の進化や医療用医薬品以外のサービスを拡大するなど取り組みを進めてまいりました。

 SHIONOGIが目指す方向性はSTS2030策定時より変更はありませんが、この3事業年度の取り組みによる成果や学びから、2030年Vision実現に向けた道筋がより明確となったことから、このたびSTS2030を改訂し、「STS2030 Revision」として再策定しました。
 STS2030 Revisionでは、「HIVビジネス」、「COVID-19治療薬」、「新製品/新規事業」の3点を成長の柱に掲げ、「最もよい“薬(ソリューション)”」をグローバルに提供し続けることで、社会の課題を解決するとともに、社会とともに持続的な成長を実現し、2030年Vision実現を目指してまいります。
 今後とも、一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
代表取締役 手代木 功