細菌感染症領域の研究開発への長期コミットメント
SHIONOGIの細菌感染症に対する本格的な取り組みは、終戦後ストレプトマイシンの輸入に始まります。そして、1952年のアイロタイシン(イーライリリー社)の販売を経て、1959年にSHIONOGIの研究所による初の自社創製品である持続性サルファ剤「シノミン」(一般名:スルファメトキサゾール)を発売するとともに、「シノミン」はグローバルにおいてはスイスのロシュ社に導出され、世界中の患者さまの感染症治療に貢献してきました。その後、スルファメトキサゾールとトリメトプリムとの合剤として誕生した「バクタ」は今もなお世界中で広く使われています。これ以降、SHIONOGIは単独あるいは他社との戦略的な提携により60年以上にもわたり感染症薬の研究・開発を続けており、長年の抗菌薬創製の経験から培ったSHIONOGIの強みを活かして、世界初のシデロフォアセファロスポリン系抗菌薬「フェトロージャ(セフィデロコル)」を2020年から欧米で上市し、WHO必須医薬品リスト掲載やPull型インセンティブ制度適用などにより、AMR対策と医療システムの持続可能性確保に貢献しています。
また、耐性菌の動向や監視を目的としたSHIONOGIが関与して進めているサーベイランスは2025年まで30年以上にもわたり継続して実施し、抗菌薬の適正使用やAMR対策を推進するための貴重なデータとなりました。
外部からもSHIONOGIのAMRへの取り組みは高く評価されており、直近のAMR Benchmark *2021へ選定されました。特にManufacturing(製造)の項目では、トップスコアである93を獲得しました。
* オランダを拠点とするNGO「Access to Medicine Foundation」がAMRに対する取り組み状況を分析・評価した世界初のレポート
近年では、SHIONOGIは2023年7月に米国Qpex Biopharma, Inc.を完全子会社化しました。また、2025 年4月に拠点となるShionogi Qpex Lab.を米国サンディエゴに開設し、細菌感染症治療薬の 研究体制を一層充実させています。ここでは、新規β-ラクタマーゼ阻害剤ゼルボルバクタム を配合したS-649228(セフィデロコルとの注射剤)およびS-743229(セフチブテンとの経口剤)の研究開発を推進するとともに、アカデミア、ベンチャー企業、米政府機関などとの連携を 活かし、AMR感染症治療薬を含む細菌感染症治療薬のパイプライン拡充に取り組んでいます。
さらに、Shionogi Qpex Lab.ではAMR感染症にとどまらず、結核菌や非結核性抗酸菌(NTM)感染症に対する新たな 治療薬の創出に向けた創薬研究も展開しており、将来の感染症リスク全般に対応する幅広い取り組みを進めています。
| 1959年 | sulfamethoxazole、塩野義製薬によって発見、開発された最初のスルホンアミド系抗菌薬 |
|---|---|
| 1982年 | latamoxef(moxalactam)、世界で最初の注射用オキサセフェム系抗菌薬 |
| 1988年 | flomoxef、世界で2番目の注射用オキサセフェム系抗菌薬 |
| 1992年 | ceftibuten、新規経口セフェム系抗菌薬 |
| 1997年 | cefcapene、新規経口セフェム系抗菌薬 |
| 2005年 | doripenem、新規注射用カルバペネム系抗菌薬 |
| 2019年 | cefiderocol、新規注射用シデロフォアセファロスポリン抗菌薬 |