新型コロナウイルスに対する弊社の取り組み
 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)でお亡くなりになった皆さまに謹んでお悔やみを申し上げます。また、罹患された皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに早期の回復と一日も早い感染の終息を心よりお祈り申し上げます。

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の世界的な蔓延による社会の混乱が続く中、当社は医薬品の安定供給に努めるとともに、感染症を重点疾患領域に掲げる製薬企業として、公的機関やアカデミア、パートナー企業と連携し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬やワクチン、診断薬の開発に鋭意取り組んでおります。

 当社製薬は、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、治療薬の研究・開発だけにとどまらず、啓発・予防・診断ならびに重症化抑制といった感染症のトータルケアに対する取り組みを進めております。当社はパンデミックの早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために、産官学での連携を密にし、各取り組みを加速するとともに、今後も状況に変化があり次第、皆さまにお知らせし、企業としての社会的責任を果してまいります。

弊社の取り組みイメージ
  • ワクチン開発に向けた取り組み

     当社は、グループ会社のUMNファーマが有するBEVS注1を活用した遺伝子組換えタンパクワクチンを開発しています。遺伝子組換えタンパクワクチンは、ウイルスの遺伝子情報から目的とする抗原タンパクを発現・精製後に投与に供されます。遺伝子情報そのものを投与し、体内にて抗原タンパクを合成させるmRNAワクチン等の新規技術と比べて、抗原発現や精製に一定の開発期間を要する一方で、BEVSを活用したインフルエンザ予防ワクチンをはじめ、複数の製品がその効果と安全性を基に承認・実用化されている確立された技術です。

     

     当社が国立感染症研究所、京都大学との共同で開発中の遺伝子組換えタンパクワクチンにつきましては、今月より国内における第1/2相臨床試験を開始しました。詳細につきましては、2020年12月16日付のプレスリリースをご参照ください。

     

     臨床試験の実施と並行して、当社は2021年末までに3,000万人分以上のワクチン生産体制を整備することを目標に、引き続き生産設備の構築・増強ならびに大量生産に向けた製造方法の最適化に取り組んでまいります。

     

    注1 Baculovirus Expression Vector System:昆虫細胞などを用いたタンパク発現技術

  • 治療薬の創製に向けた取り組み

     北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターおよび国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と連携し、評価を進めておりますSARS-CoV-2株に対する有望化合物につきましては、非臨床試験において有効性と安全性のさらなる検証が必要と判断し、2020年度内の臨床試験開始目標を見直しています。当社は引き続き、同化合物の開発可否判断に向けた有効性、安全性に関する精査に取り組むとともに、次のパンデミックも見据え、SARS-CoV-2以外のコロナウイルスにも有効な治療薬の創製に向けて、低分子やペプチド、抗体等の様々な創薬モダリティを活用し、本創薬研究を精力的に展開してまいります。

  • 診断薬の開発に向けた取り組み

     当社は、日本大学、群馬大学、および東京医科大学とのSARS-CoV-2を含むウイルスの新規迅速診断法に関するライセンス契約に基づき、同共同研究チームが開発した革新的核酸増幅法(SATIC法:Signal Amplification by Ternary Initiation Complexes)を用いたSARS-CoV-2感染に対する迅速診断の実用化に取り組んでおります。SATIC法のユニークな原理と優れた特性を活かし、体外診断用医薬品として医療現場等のニーズに1日も早くお応えできるよう開発を進めておりますが、種々の社内検討の結果、高感度かつ安定的な反応を得るためには、反応試薬の一部改良が必要との判断に至りました。試薬の改良に伴い、各反応工程への影響の確認ならびに改良試薬のスケールアップ検討が必要となることから、このたび、初期型製品の年内提供開始目標を見直し、新たな開発計画を策定することになりました。当社は、用時混合調製タイプの初期型製品の開発に引き続き注力するとともに、一般の医療機関等においても広くご活用いただけるよう、より簡便かつ多検体の迅速診断を可能とする改良型(キット)の早期提供に向けた製品開発ならびにスケールアップ検討を並行して進めてまいります。

     

     なお、当社は、既感染者数の把握を目的としたSARS-CoV-2/COVID-19の疫学調査や研究などにお役立ていただくために、新型コロナウイルスIgG/IgM抗体検出キット(20テスト/キット)を研究用試薬として販売中です4。

  • 事業の継続に関する取り組み

     当社グループでは緊急事態宣言前より中央対策本部を設置し、全社横断的な意思決定を進めてまいりました。宣言解除に伴い本部は解散しましたが、各事業部がポストコロナ時代における社内外の対応にあたっています。緊急事態宣言下では、在宅勤務環境を整え基本的には多くの従業員が在宅勤務へ移行したものの、一方で予め定められた事業継続計画(BCP)に基づく対応を実施しました。計画に定められた要員は、自身はもちろん社会全体への感染拡大防止のためマイカー通勤や時差出勤を実施し、医薬品の安定供給やCovid-19に関する研究など、製薬企業としての責務である事業を継続しました。

     今後も、在宅勤務や時差出勤の推奨をはじめとする様々な対策により、「新しい生活様式」に対応した勤務形態で感染拡大防止に努めながらも、必要な事業活動は継続することでステークホルダーに対し責任を果たしていきます。

  • 医薬品の安定供給への取り組み

     「常に人々の健康を守るために必要なもっとも良い薬を提供する」ことを基本方針とする弊社は、必要な医薬品を患者さまに確実にお届けできるように、従業員の感染予防・体調管理・検温体制の整備などを徹底し、安定供給に向けた対応に尽力しております。

  • 国際社会との協力・連帯

     弊社が参加する国連グローバル・コンパクトが、国連と連携し実施している「#Uniting Business to Respond to COVID-19」キャンペーンにビデオメッセージを投稿し、感染症領域を専門とする製薬企業として、治療薬やワクチン開発等、COVID-19に対する取り組みを紹介するとともに、この世界的脅威克服のために国際社会と密に協力・連帯し、試練を乗り切りたいとの思いを述べています。

     

関連情報の提供

弊社、COVID-19関連プレスリリース

1.      プレスリリース: 2020年3月17日
新型コロナウイルスIgG/IgM抗体検査キット製品の導入に向けたマイクロブラッドサイエンス社との業務提携について

2.      プレスリリース: 2020年4月14日
新型コロナウイルス感染症に関する取り組みについて

3.      プレスリリース: 2020年4月27日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの開発決定について

4.      プレスリリース: 2020年6月3日
新型コロナウイルスIgG/IgM抗体検出キットの研究用試薬としての新発売について

5.      プレスリリース: 2020年6月3日
新型コロナウイルス感染症に関する取り組みについて(2)

6.      プレスリリース: 2020年6月19日
新型コロナウイルス感染症に関する取り組みについて(3)

7.      プレスリリース: 2020年6月22日
新型コロナウイルスを含む感染症領域のウイルス迅速診断法に関する日本大学、群馬大学、東京医科大学との業務提携について

8.      プレスリリース: 2020年8月7日
新型コロナウイルス感染症に関する取り組みについて(4)

9.      プレスリリース: 2020年9月24日
新型コロナウイルス感染症に関する取り組みについて(5)

10.     記者会見資料: 2020年10月30日
2020年度第2四半期(上期)決算

11.     プレスリリース: 2020年12月16日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの第1/2相臨床試験開始のお知らせ

12.      プレスリリース: 2020年12月18日
新型コロナウイルス感染症に関する取り組みについて(6)

 

 

なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関しては、多くの情報が発信されております。下記サイトの情報もご参考までにご確認ください。

 

新型コロナウイルス 生活関連情報

・   首相官邸: 新型コロナウイルスお役立ち情報
http://www.kantei.go.jp/jp/pages/coronavirus_info.html

新型コロナウイルス 疾患関連情報

・   内閣官房: 新型コロナウイルス感染症対策:
http://www.cas.go.jp/jp/influenza/novel_coronavirus.html

・   厚生労働省: 新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

・   米国疾患予防センター(CDC: Centers for Disease Control and Prevention): Coronavirus Disease 2019 (COVID-19)
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/cases-updates/summary.html?CDC_AA_refVal=https%3A%2F%2Fwww.cdc.gov%2Fcoronavirus%2F2019-ncov%2Fsummary.html

・   世界保健機関(WHO: World Health Organization): Coronavirus
https://www.who.int/health-topics/coronavirus#tab=tab_1

塩野義製薬は約60年間積み上げてきた感染症領域における強みを活かし、抗HIV藥テビケイ®や抗インフルエンザ薬ゾフルーザ®、多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬セフィデロコルなど「感染症の脅威からの解放」のために競争優位性のある革新的な感染症薬を創製してきました。

また、新たな耐性菌・耐性ウイルスの発生を防ぎ、患者様が現在のみならず未来も治療を受け続けられるよう、感染症薬の適正使用に向けた取り組みを進めています。当社では、従来より感染症薬の適正使用推進のためには、疾患や感染予防などの正しい知識の普及が不可欠と考えております。そのため、医療従事者の方に対する情報提供に加え、一般の方々向けの啓発活動にも積極的に取り組んでおり、感染症対策に関する情報を提供しております。