発展途上国におけるヘルスケアシステムの強化

持続可能な社会の実現には、次世代の子どもたちが健康に育つ環境が不可欠です。
Mother to Mother SHIONOGI Projectは、妊産婦・新生児・乳幼児を予防可能な死から守り、ヘルスケアシステムの強化を通じて、UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)の達成を目指します。
サブサハラ・アフリカの課題
サブサハラ・アフリカ地域では、今でもなお、5歳未満児死亡率は出生1,000件中78件、妊産婦死亡率は出生10万人当たり533人※1に上り、SDGsにおいて掲げる目標(それぞれ25件以下、70人未満※2)との間にはまだ大きな隔たりがあります。

サブサハラ・アフリカが全体の半分以上を占めている

死亡要因の多くは出生と感染症に関係
5歳未満児死亡の47%は新生児が占めている
5歳未満児死亡の47%は新生児が占めている

- ※1unicef THE STATE OF WORLD’S CHILDREN 2019 Children, food and nutrition
- ※2持続可能な開発目標(SDGs)指標仮訳(総務省)
- ※3Child Mortality Report 2019
母親の妊娠・出産の環境改善および子どもの感染症を中心とした対策が必要
5歳未満児死亡のうち47%は生後28日未満に発生し、その1/3以上は生まれた当日に生じており、ほとんどが予防可能だと言われています。子どもが最も脆弱な時期(とくに新生児)に、適切な医療サービスを届けることは、その国の社会の持続的な繁栄につながります。
Mother to Mother SHIONOGI Project
シオノギ製薬は2015年から従業員からの寄附をもとに、国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパンとともに、ケニアの新生児・乳幼児・妊産婦の死亡率低減に取り組んでいます。



<ケニアの母子保健課題>
ケニアでは広大な国土に対し診療所の数が非常に少なく、医療従事者の不足や、地域住民の保健や栄養に関する知識不足、ジェンダー不平等の問題などにより、多くの方の医療サービスへのアクセスが制限されています。
また、安全で清潔な水へのアクセスも限られており、下痢の発症率が高いなどの課題があります。
これらを解決するため、ケニアのナロク県、キリフィ県において、2つの母子保健支援事業を実施しています。詳細は各事業のページをご覧ください。
体調を崩した子供を診療所へと連れていく家族

第1期事業 | 第2期事業 | |
---|---|---|
事業地 | ナロク県ナロク南準県 イララマタク地域 | キリフィ県ガンゼ準県 バンバ地域、ジャリブニ地域 |
期間 | 2015年10月~2020年9月(5年間) | 2020年4月~2023年3月(3年間) |
支援施設数 | 1施設 | 3施設 |
受益者数 | 合計 14,612人 | 合計 77,506人 |
直接受益者:5,947人 間接受益者:8,665人 |
直接受益者: 28,196人 間接受益者: 49,310人 |

事業活動の3本柱
「母子の健康管理を自立的かつ持続的に行えるコミュニティの実現」
本プロジェクトでは、妊産婦の出産環境を整えるだけではなく、コミュニティへの教育・啓発や保健人材の能力強化、水衛生環境の整備、政府へのアドボカシー等を通じて、地域の健康管理の自走を目指しています。

妊産婦・授乳婦・5歳未満児の母子保健サービスへのアクセス向上
- 保健施設の整備
- 保健人材の能力強化
- 巡回診療の実施等

コミュニティの栄養・水衛生
行動改善の仕組み整備
- 水供給施設の整備
- 栄養・衛生教育
- 栄養プログラムの実施
- コミュニティと学校において適切な衛生知識と行動の浸透

保健システムマネジメントの強化
- アドボカシー・グループ活動
- 政府・パートナーとの定期会合
- モニタリング・評価の強化
