医療へのアクセス改善に向けてシオノギが取り組むべき重要なポイントは、医学的知識を正しく伝え、疾患認知・診断率・医薬品の適正使用を向上させることです。

感染症薬の適正使用に向けた取り組み

既存の抗菌薬が効果を示さない細菌(耐性菌)が増加している現状はシオノギにとっても重大な懸念事項であり、それを解決するべく、シオノギは世界中の医療従事者に対して感染症薬の適正使用を推進・教育することに尽力しています。感染症薬の適正使用を推進することにより、新たな耐性菌・耐性ウイルスの発生を防ぎ、患者さまが現在のみならず未来も治療を受け続けられるように、継続的に取り組んでいます。
販売活動においては、医療情報担当者の抗菌薬の販売量と人事評価を切り離しています。この取り組みはAntimicrobial Resistance Benchmark 2018の調査において高い評価を受けています。評価との切り離しは、長期にわたる適正使用を支え、患者さまのよりよい治療効果を導き、必要な抗菌薬の持続性にもつながると考えています。また、製造活動においては、抗菌薬の環境への排出を軽減できるように取り組んでいます。
適切な抗菌薬使用を推進することに加えて、シオノギは耐性菌感染症に関する経年的で精度の高いサーベイランス活動を実施する各国のアクションプランを支援しています。サーベイランスによる正確な疫学情報の把握、各種ガイドライン文献の精査など、感染症薬の適正使用・管理に必要な情報を引き続き提供していきます。抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」の適正使用に向けて、ウイルス変異株や安全性に関する追加解析等にも鋭意取り組み、それらの情報を正確に提供していきます。

普及啓発・教育

感染症薬の適正使用にあたっては、疾患や感染予防・制御等の正しい知識の普及啓発・教育が必要不可欠であり、そのための取り組みも積極的に進めています。

2018年度には、5歳未満の感染症対策への取り組みとして、産官学連携の「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」の啓発セミナー(計5回、保育所関係者339名が参加)を実施しました。さらに、ガイドラインの解説動画や保護者向けの「こども感染症ナビ」を通じて、一般の皆さまへの啓発も展開しています。

また、アジア諸国・日本の専門家を招いたSHIONOGI Infectious Disease Symposiumを開催し、各国

のAMRの現状や取り組みについて議論することで、迫りくるAMRの脅威に対して連携を深め、国際協力の取り組みを推進しています。

疼痛薬の適正使用に向けた取り組み

シオノギは、がん疼痛に苦しむ患者さまが、医療用麻薬 をより安心して使用できる社会創りを目指しています。

WHO方式がん疼痛治療法が発表された1980年代後半、日本でがん疼痛薬としての医療用麻薬がほとんど普及していない中、当時の厚生省からがん疼痛薬としての医療用麻薬の開発要請があり、持続性がん疼痛治療薬である「MS コンチン錠」の開発を引き受け、1989年に発売しました。以 後、行政や学会、医療従事者の方々とともに、30年にわた り適切な緩和医療、がん疼痛治療の普及に努めてきました。

昨 今、米国におけるオピオイドクライシス等、薬物乱用問題は 全世界的な広がりを見せ、人類が抱える最も深刻な社会問 題の1つとなっています。

日本でこのような社会問題を引き起こすことがないよう に、がん疼痛領域の製品ラインナップの充実のみならず、医 療用麻薬の不適切な取り扱いを未然に防ぐ活動に取り組んでいます。がんの痛みから患者さまが解放され、医療用麻 薬の乱用を起こすことのない社会の実現とともに、SDGs 目標3のターゲットに掲げられている「麻 薬 乱用やアル コールの有害な接種を含む、薬物乱用の防止・治療を強化する」の達成に貢献していきます。

愛知県と連携し、薬物乱用防止活動を推進

 2018年5月より愛知県と連携し、薬物乱用防止活動を推 進しています。シオノギは、日本で薬物乱用問題を起こすことがないように、医療用麻薬の不適切な取り扱いを未然に 防ぐ活動に取り組むことで、がんの痛みから患者さまが解 放され、医療用麻薬の乱用を起こすことのない社会創りに より一層貢献してい きます。

聴覚・視覚障がい者の服薬バリア解消を目指す取り組み

コミュニケーションバリアフリープロジェクト(CBF-PJ)
-「最もよい薬」に必要な「情報」をすべての患者さまに-
医薬品は健康や生命に関わるものであるため、薬が持つ 効果を最大限に引き出し、かつ副作用を最小限に抑えるた めに、医療従事者による服薬指導等を通じて情報提供が行 われています。 シオノギは服薬に必要な情報がすべての患者さまへ正しく 伝わることが非常に重要だと考え、障がい者と健常者の区 別なく万人がその情報を得られることを目指しています。
シオノギでは、「情報の伝え方を改善し、障が いのある患者さまが服薬指導を受ける際のコミュニケーショ ンの壁(バリア)をなくす」活動を展開しています。 障がい者、とりわけ聴覚や視覚に障がいのある患者さま の場合、薬についての説明を十分に受けられず、誤った方法 で服用してしまうことがあります。この問題は障がいのある 方が情報を受け取りにくいことだけで生じるのではなく、情報の伝え方によっても生じます。そうした服薬に関するコミュ ニケーションバリアの存在を広く正しく知ってもらうため、 様々な関係者に対して啓発を行っています。2018年には、 医療従事者の方々を対象とした障がい啓発セミナー(10件 の大学病院・市民病院等にて、712名の医師・看護師・薬 剤師等が参加)を開催しました。
 障がいの有無によらず、誰もが「人々の健康を守るために 必要な最もよい薬」を適正に使用し、すべての方々が生き生 きと活躍できる社会創りに貢献していきます。
[医療従業者]聴覚・視覚障がいのある方の病院・薬局での困りごとや対応方法を知ってもらうための活動[患者さま]聴覚・視覚障がいのある方や当事者団体を対象とした啓発活動[製薬業界]コミュニケーションバリアをなくすために業界全体で取り組むことを目指した啓発活動[行政]行政による啓発活動を促すための活動