デジタルセラピー


デジタル医療とは
- 離れた場所から医師が患者の診察ができる遠隔医療システム
- スマートフォンやスマートウォッチから患者の健康状態や病気の兆候を予測するサービス
- 蓄えられた大量の医療データを人工知能が解析し、医師の診断を補助するソフトウェア
- 音や光、映像によって脳に刺激を与えて精神状態を癒すデバイス
デジタル治療とは

医療従事者と患者のバランス
医療従事者と患者の人数バランスは適正な医療の実施にとって大きな問題です。もしも、患者に対して医療従事者の数が少なければ、医療の質は低下し、したがって人々の健康を守るのは困難になります。多くの国々がこうした問題に直面しており、発展途上国では人口増加が、先進国においては少子高齢化が医療従事者と患者のバランスに対して影響を与えています。一方で、医師、看護師、薬剤師、検査技師等の医療従事者の業務は多岐にわたる上に、専門的な知識が要求されるため、その人数を急に増やすのも容易ではありません。このような背景から医療の生産性向上は喫緊の課題であると言えます。
保健医療財政の問題
より進んだ健康と医療に対する考え方
デジタル医療の貢献
デジタル医療・デジタル治療は医療の大幅な効率化とそれに伴う省力化、コストダウンを図ることができます。これは医療従事者の相対的不足に関する問題や、保健医療財政に関する問題に対する有力な解決手段であると言えます。
デジタル医療・デジタル治療は、すでに多数の疾患領域で効果が実証されている、あるいはされつつある状況です。このことは新規治療法開発の選択肢を広げアンメット・メディカル・ニーズへの対応に強く貢献します。
QOLの向上に対してもデジタル医療・デジタル治療の果たす役割は大きいと言えます。デジタル医療ではスマートフォンやウェアラブルデバイスを通じて日常生活で継続的な治療を行うとともに、日常のそこで得られるデータをフィードバックすることができます。人々の個別の状況に合わせて最適な行動変容を起こし、健康を維持し、症状を改善することができるようになるでしょう。
このように、デジタル治療の研究・開発は大きな広がりを見せる分野であると言えます。

シオノギの目指す姿
このような背景からシオノギは「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創りだす」ことを2030年Visionとした新中期計画STS2030(Shionogi Transformation Strategy 2030)を発表しました。この中で、従来の医療用医薬品のみを提供する「創薬型製薬企業」から、ヘルスケアサービスを提供する「Healthcare as a Service (HaaS) 創造企業」に自らを変革すること、そして、社会に対して新たな価値を提供し、患者様や社会の抱える困りごとを包括的に解決することを目標と位置付けています。「医療用医薬品」の創製で培った強みをさらに強化し、その強みを活かして協創の核になること、多様なパートナーとの協創による新たな付加価値を創出し、患者様や社会の困りごとを解決することを目指しています。そのために、医薬品創出力をさらに強化し、コアとなる治療薬を創出するとともに、診断、予防、未病・ケアという幅広いアプローチから疾患全体を俯瞰して、社会にとって必要な製品・サービスを提供していこうと考えています。
HaaS創造企業とデジタル医療・デジタル治療
上記のようなシオノギの「HaaS創造企業」への変革において、デジタル医療・デジタル治療を非常に重要なものであると位置付けています。シオノギは他社に先駆けてデジタル治療製品候補の導入 (デジタル治療用アプリAKL-T01、AKL-T02の導入に関するAkili 社とのライセンス契約締結について(2019年3月7日)) に加えて、人工知能診断企業との提携 (AI 医療機器ベンチャー アイリス社との資本業務提携について (2019年5月7日))、オンライン診療の価値実証(兵庫県養父市と塩野義製薬株式会社との「地域医療の向上」に係る連携協定について(2020年3月10日)) を始めており、この分野でも変革に向けた種を撒き、育てています。