SHIONOGIは、「感染症の脅威からの解放」をめざし、三大感染症やサイレントパンデミックと言われる多剤耐性菌感染症に加えて未だ治療法が確立していない新興・再興感染症に対する新薬の創製に継続的に取り組んでいます。また、感染症薬の適正使用を推進することにより、新たな耐性菌・耐性ウイルスの発生を防ぎ、早期に適切な治療が可能となるよう診断薬の開発にも努めています。

当社は、2016年1月の世界経済フォーラムにおいてダボス共同宣言に署名をしました。100社以上の企業が署名したダボス共同宣言とは、医薬品、バイオおよび診断薬業界の多剤耐性菌対策に関する共同宣言 であり、現在の治療法や新しい治療法を将来にわたって維持する必要性を強調しつつ、抗菌薬、ワクチン、診断の持続可能で予測可能な市場を創出するための集団的活動が求められています。当社はその後更に展開を進め、12社のリーディングカンパニーと共に、AMR Industry AllianceのBoard Memberとして活動を開始し、抗菌薬の研究・開発、適正使用、流通、製造及び環境への配 慮などのAMR対策の進展へ向けた産業ロードマップを策定しました。また、多剤耐性菌感染症予防・治療・診断に関わる開発を支援するためのAMR Action Fundにも出資し、日本からはSHIONOGIがBoard Memberとして活動しています。さらに低中所得国へのアクセス提供の観点から、ドルテグラビルやカボテグラビルについてはViiV Healthcareを通じてMedicines Patent Pool(MPP)にライセンス供与していますし、エンシトレルビルについてもMPPにライセンスを供与しています。ただ、これまで抗菌薬の低中所得国へのアクセス提供の具体的な仕組みは世界中に存在していなかったため、当該領域としては初めてのアクセス提供の試みとして、セフィデロコルをGlobal Antibiotic Research & Development Partnership(GARDP)にライセンスし、Clinton Health Access Initiative(CHAI)との連携による活動にも着手しています。

AMR対策を成功させるためには、政府、国際機関、製薬会社、抗菌薬の処方医師、使用者(患者さん)を含む全てのステークホルダーが連携して進めていくことが必要です。

私たちは、新しい感染症治療法の研究・開発を続けることを明言していることに社員一同が誇りに思い、患者さんと社会の両者が効果的なAMR治療薬からの恩恵を受け続けられるように一生懸命に取り組み続けています。

副会長 澤田 拓子