世界が直面するAMR問題へのシオノギの挑戦

AMR問題はグローバル、地域、国レベルでの優先度の高い社会課題である一方で、ビジネス面で利益を生み出しにくいこともあり、多くの製薬会社が感染症領域の研究・開発から撤退しつつあります。新規抗菌薬の研究・開発自体が益々難しくなっていることに加え、新規抗菌薬の使用制限が進んでいる状況から、抗菌薬の将来的な市場予測がかなり難しくなっており、現在では、製薬会社の上位50社中5社のみしか抗菌薬のパイプラインを保有していないとの報告もあります。
そのような環境下でも、シオノギは患者さまと社会の両方が将来必要とする抗菌薬の恩恵を確実に受け続けられるように、新しい感染症治療法の研究・開発を続けることを明言し、今もなお、精力的に取り組んでいます。
シオノギは「世界を感染症の脅威から守る」ことを顧客・社会に新たな価値を創出するために取り組む重要課題の1つとして掲げ、未だに治療法が確立していない感染症に対する新薬の創製、感染症薬の適正使用のさらなる推進に取り組んでいくと宣言しました。また、2018年には、AMRという社会課題に対するシオノギの考え、取り組みについて「AMRポジションペーパー」を公開しており、今後も引き続き、抗菌薬の研究・開発、適正使用、流通等のAMR対策におけるリーディングカンパニーを目指して、取り組みを進めていきます

セフィデロコルの開発

最も優先して対処すべき菌種の多くは、カルバペネム系抗菌薬に対する耐性菌であり、それらに対応できる薬剤を世界が求めています。シオノギが開発を進める多剤耐性グラム陰性菌感染症治療薬候補セフィデロコルは、WHOが緊急性が高く重大と位置付けている3種のカルバペネム耐性菌に対応できる貴重な薬剤として期待され、2019年11月に米国において承認され、欧州においても2020年4月に承認を取得しています。

シオノギは、これからも世界のAMRに関する問題に対して、全力で取り組んでいきます。

シオノギと産業界による取り組み

シオノギは、AMRに関する国内外の各種活動にも積極的に参加し、グローバルにおける社会的課題の解決に寄与できるように取り組んでいます。

ダボス共同宣言(2016年1月)

  • 医薬品、バイオおよび診断薬業界の多剤耐性菌対策に関する共同宣言
  • シオノギを含む100社以上の企業が加盟、以下をコミットメント
  • 抗菌薬の薬剤耐性発現の軽減に努める
  • 公衆衛生のニーズに応える革新的な診断と治療の研究開発に投資
  • 高品質の抗菌薬へのアクセスを改善し、すべての必要な人が利用可能にする
  • 過剰な抗菌薬使用を抑制するために販売インセンティブを与えない

抗菌薬耐性対策の進展へ向けた産業ロードマップ(2016年9月)

シオノギを含む世界をリードする製薬企業13社が参画、主要4つのコミットメントのためのロードマップを策定
  • 抗菌薬の生産による環境負荷の低減
  • 必要とする患者さまへの抗菌薬の適正使用
  • グローバルアクセスの改善
  • 官民パートナーシップによる協力体制の支援

AMR Industry Alliance Board

  • シオノギ、ファイザー、メルク、ジョンソン・エンド・ジョンソン、グラクソ・スミスクライン、サノフィ、ロシュの7社が、AMR Industry Alliance Boardを設立
  • AMRを抑制するために、業界における生命科学の進歩を推進し、製薬、ジェネリック医薬品、バイオテクノロジー、診断薬会社の100を超える研究ベースの提携

AMR Action Fund(2020年7月設立発表)への参画

AMR Action Fundは研究開発型製薬業界を代表する国際組織である国際製薬団体連合会(IFPMA)のイニシアチブ。シオノギを含む20社以上の大手バイオ製薬企業からの投資により、AMRに対応するために創出された共同ベンチャー事業として以下の活動を推進

  • 公衆衛生上の最優先のニーズに対応し、臨床現場での治療を大きく変え、命を救う革新的な抗菌薬の開発に傾注する小規模なバイオテクノロジー企業に投資する
  • 投資先企業に技術的な支援を行い、それら企業に大手バイオ製薬企業が持つ深い専門知識と資源へのアクセスを提供することで、研究開発を強化するとともに、抗菌薬へのアクセスと適切使用を支援する
  • 業界と、慈善団体・開発銀行・国際機関を含む業界外の関係団体との広範な連合体を主導し、抗菌薬パイプラインへの持続可能な投資を実現するための市場環境を創出するよう各国政府に促す