2021/10/21

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬S-217622の 試験結果に関する国際学会(ISIRV)での発表について

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として開発中の経口抗ウイルス薬(開発番号:S-217622、以下「本治療薬」)につきまして、非臨床試験および国内第1相臨床試験における結果をInternational Society for Influenza and Other Respiratory Virus Diseases(ISIRV)-WHO Virtual Conference(2021年10月19日~21日開催、以下「ISIRV」)にて発表しましたのでお知らせいたします。

 

ISIRVでは、2021年7月から開始した国内第1相臨床試験1の結果の概要を含め、これまで非臨床で実施した薬効および薬物動態に関する試験結果を発表しました。要約は以下のとおりです。

 

Ø  非臨床試験

-     in vitroにおいてδ株を含む幅広い株に対して活性を示した

-     動物を用いた種々の試験において用量依存的なウイルス減少効果を示した

-     高い代謝安定性に加え、各種動物において長い半減期と優れた経口吸収性を示した

Ø  国内第1相臨床試験(単回投与用量漸増試験)

-     良好な安全性、忍容性が確認された

-     1日1回の経口投与で,非臨床試験から予測されたウイルス減少効果に必要な目標血中濃度を上回った

 

これらの結果から、本治療薬が1日1回の経口投与により新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を効果的に減少させることが期待されます。

 

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。COVID-19が世界的な脅威として人々の生活に大きな影響を与える中、当社はパンデミックの早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために、本治療薬の開発に引き続き注力し、企業としての社会的責任を果してまいります。

 

 

以 上

 

 

【S-217622について】

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬であるS-217622は、塩野義製薬と北海道大学の共同研究から創製された3CLプロテアーゼ阻害薬です。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を有しており、S-217622は3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制します。SARS-CoV-2感染動物を用いた非臨床試験において、ウイルス量を速やかかつ有意に低下させることが確認されております。日本において、2021年7月から第1相臨床試験1を開始しており、現在、軽症のCOVID-19患者または無症候のSARS-CoV-2感染者を対象とした第2/3相臨床試験2を実施中です。

 

参考:

1.       プレスリリース:2021年7月26日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬S-217622の臨床試験開始について‐経口抗ウイルス薬の国内第1相臨床試験開始‐

2.       プレスリリース:2021年9月28日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬S-217622の国内第2/3相臨床試験の開始について

 

COVID-19に対する当社の取り組みは、当社ホームページでも随時更新しております。また、各機関から発信されているCOVID-19に関する情報も同ページにまとめておりますので、ご参考までにご確認ください(塩野義製薬ウェブサイト)。