ワクチンは感染症の予防だけでなく治療にも用いられます。

B型肝炎

B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)が血液・体液を介して感染することで生じる肝炎で、HBVが一過性に感染する急性B型肝炎と、HBVの感染がほぼ生涯にわたって維持される慢性肝炎に大別されます。このうち、慢性肝炎に対してはインターフェロン(IFN)療法や核酸アナログ製剤による治療が行われますが、現在の医学ではHBVを体内から完全に排除することは困難です。
このような背景から、HBVの構成タンパクを抗原とする治療ワクチンは、IFN療法や核酸アナログ製剤に代わる治療法として近年期待されています。HBVの構成タンパクを抗原とする治療ワクチンは、IFN療法や核酸アナログ製剤に代わる治療法として近年期待されています。一方で、HBVの排除に至るような強いワクチン抗原を創製するためには、HBVを構成するタンパク質のどの部位が強い免疫反応を誘導することができるか、またどのHLA(Human leukocyte antigen:ヒト白血球抗原)型を持つ患者さまにどの抗原を投与すべきかなど、多岐にわたる検討が必要です。
SHIONOGIは、日本電気株式会社(NEC)ならびにNEC OncoImmunity ASと共に、AI技術を用いることで有効なワクチン抗原を迅速に見出し、HBVによる慢性肝炎の治療ワクチンを創製することを目指しています。