塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)と日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼CEO:森田 隆之、以下「NEC」)は、B型肝炎に対する新たな治療ワクチンの創製に関する共同研究契約を締結しましたのでお知らせいたします。また、本共同研究には、AIを用いたバイオテクノロジー開発を手掛けるNECのグループ会社NEC OncoImmunity AS(NECオンコイミュニティ、本社:ノルウェー、オスロ、CEO: Richard Stratford Ph.D.)も参画します。
B型肝炎は、ヒトB型肝炎ウイルス(以下、「HBV」)によって引き起こされる肝疾患であり、慢性感染症を引き起こし、最終的に肝硬変や肝臓がんに至るリスクが高まります。世界で約3億人が感染しており、2019年のB型肝炎による死亡者は82万人と推定されています1。乳児のB型肝炎予防ワクチンの普及により、5歳未満の感染率は劇的に減少していますが、その一方で、他の経路による新規感染者は増え続けています2。現在、B型肝炎の治療にはインターフェロン(IFN) と核酸アナログ製剤が用いられていますが、IFNによる治療は副作用が発現する頻度が高く、また、核酸アナログ製剤は治療中断による肝炎の再発率が高いことから生涯にわたり服薬が必要となるなど3、アンメット・メディカルニーズが高い疾患の1つです。そのため、安全でかつ有効性が高く、最終的には根治できる治療法が求められています。
塩野義製薬 代表取締役社長の手代木 功は次のように述べています。
「塩野義製薬は、60年以上にわたり感染症の研究開発に取り組んできました。感染症のリーディングカンパニーとして、人々の感染症に対する脅威からの解放、トータルケアの実現に向けた挑戦を進めていますが、今回の新型コロナウイルス感染症のような地球規模の感染症の課題に対処していくためには、1社単独あるいは製薬業界のみで行えることには限界があります。自社の強みを最大限活かしつつ、NECの有するAI技術を融合させることで、グローバルヘルスへの貢献を一層高めてまいります。」
NEC 取締役会長の遠藤 信博は次のように述べています。
「NECは”Orchestrating a brighter world”というビジョンを掲げており、今般の塩野義製薬とのコラボレーションは、新薬の開発を通じてそのビジョンを体現するものになります。通常、薬の開発は時間と労力がかかるものですが、私たちはAI技術の活用により、このような課題の解決と新たなバリューチェーンの構築に取り組みます。感染症分野の創薬をけん引される塩野義製薬との連携の中で、私たちのAI技術が迅速な創薬開発を可能にし、社会に貢献することを目指します。」
本共同研究では、感染症を重点疾患領域とする塩野義製薬の創薬力と、NECグループの得意とするAI技術の強みを融合し、B型肝炎の新たな治療選択肢となる治療ワクチンを早期に創出し、患者さまにお届けできるよう努めてまいります。今後、両社は他の感染症においても積極的に共同研究を展開することで、アンメットニーズが高い感染症領域における新たなイノベーションの創出に取り組んでまいります。
以 上
塩野義製薬について
塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、その実現に向けて、検知・予測、予防、診断、治療、重症化抑制、適正使用といった感染症のトータルケアに必要な様々な取り組みを進めています。塩野義製薬の詳細はホームページをご覧ください。https://www.shionogi.com/jp/ja/
NECについて
NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。詳細はホームページをご覧ください。https://jpn.nec.com
[参考]
1. World Health Organization, Hepatitis B
2. World Health Organization, Global Hepatitis Report, 2017
3. 一般社団法人 日本肝臓学会 B型肝炎治療ガイドライン 第3.4版
[お問合せ先]
塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:
https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.
NEC AI創薬統括部:
E-Mail:contact@aidd.jp.nec.com