SHIONOGIは社会の信頼に応えるため、高い倫理性と透明性をもって事業活動を推進しています。

透明性向上に向けた取り組み

世界的に製薬企業に対する医療関係者等との関係の透明性やデータの信頼性が求められる中、SHIONOGIでは、法令および業界自主規範の遵守に加え、より高い倫理基準に基づいたポリシーを自ら制定し、社会の信頼に応えるよう努めています。

SHIONOGIは「企業活動と医療機関等の関係の透明性に関する指針」、「企業活動と患者団体の関係の透明性に関する指針」および「SHIONOGI・コード・オブ・プラクティス」を制定し、高い倫理性や透明性の確保に努め、医療関係者・医療機関等への資金提供も適切に開示しています。

腐敗行為・贈賄防止の取り組み

SHIONOGIは2014年4月1日付けで「SHIONOGIグループ腐敗行為・贈収賄防止ポリシー」を制定し、同年その実効性を高めるため全組織・関係会社に対し、腐敗行為・贈収賄防止における問題発生リスクを洗い出すためのアンケートおよび聞き取り調査を実施しました。その内容を受けて「SHIONOGIグループビジネスパートナー贈収賄防止に関するガイドライン」を策定し、現在まで運用しております。
また全従業員(パート、契約社員含む)に不正競争防止法(第18条)及び、米国FCPA、英国贈収賄防止法をメインに教育※を定期的に実施しております。特にリスクの高い組織として、みなし公務員である医師との接触が多い部署においては、SHIONOGI・コード・オブ・プラクティス、SHIONOGI医薬品等プロモーションコードなどについて定期的に教育を実施しております。

2019年度の教育受講率(web研修)は不正競争防止法(第18条)で99.1%、米国FCPA・英国贈収賄防止法で97.1%でした。

責任あるプロモーション活動

SHIONOGIでは、国際製薬団体連合会(IFPMA)の「IFPMAコード・オブ・プラクティス」に基づいて日本製薬工業協会(製薬協)が制定した「製薬協コード・オブ・プラクティス」の趣旨に則った「SHIONOGI・コード・オブ・プラクティス」を設け、医療関係者、医療機関、研究者、研究機関、患者団体等と交流する場合の具体的な基準を定めてSHIONOGIの全役員・従業員が常に高い倫理性と透明性を確保し、日々の業務を遂行しております。
また、SHIONOGIの医療用医薬品(体外診断用医薬品およびワクチン類等の予防薬を含む)および医療機器のプロモーション活動におきましても、患者さんのための最適な医療の実現のための行動指針である「SHIONOGI医薬品等プロモーションコード」の中で、医療用医薬品および医療機器の適正使用を歪めるおそれのある行為を厳に慎むことを求めるとともに、本コードを当然順守しなければならない基本的かつ最低限の基準と位置付け、プロモーション活動を担う従業員に対し、本コードを順守することで自らを磨き、成長・発展させていくことを求めています。

 

さらに、医療用医薬品の適正な販売情報提供活動の規範を定めた厚生労働省の「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」の策定を受けて、2019年1月にこれを指導・監督するための体制として販売情報提供活動監督部門を設置し、弊社が販売情報提供活動を適切に実施していることを常時確認しております。本部門では、プロモーション用資材の審査によりその適切性を担保し、弊社による販売情報提供活動のモニタリングを適時実施しております。また、社外の第三者を含む審査監督委員会(プロモーション活動監督委員会)を設け、販売情報提供活動のモニタリング結果を報告し、当委員会からの助言を受け、これに準拠するよう努めています。加えて、本部門ではプロモーション活動に関わる従業員に対して定期及び随時の研修を実施しています。営業所長及びMR等並びにプロモーション用資材の作成に携わる従業員を対象とし、販売情報提供活動監督部門スタッフによる講義研修やe-ラーニング・システム研修により、「医薬品医療機器等法」、「医薬品等適正広告基準」、「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」、「製薬協医療用医薬品プロモーションコード」「公正競争規約」等、医薬品の広告規制周辺の知識と規制順守への理解の向上を図っています。なお、もしも弊社による不適切な販売情報提供活動が発生した場合には、速やかに情報を収集したうえで是正措置及び予防措置を講じ、同じ事例を二度と繰り返さないために臨時研修も実施します。さらに、販売情報提供に携わる担当者だけでなく、全ての従業員に対しても定期的なe-ラーニング・システム研修により、これら規制への理解促進を図っています。

以上のように、SHIONOGIでは全社をあげて患者さんにとって必要な医療用医薬品に関する適正かつ正確な情報提供を維持することにより、今後も医薬品の適正使用の推進に貢献するとともに、社会の信頼に応えてまいります。

研究開発倫理

研究段階においては、必要最小限の動物実験を実施するにあたり、関連法令・指針等を踏まえ制定した「動物実験の適正な実施に関する規則」および3Rの原則(*1)に則り、動物実験計画を倫理的かつ科学的な観点から審査を行い、動物福祉に配慮した適正な動物実験の実施に努めています。その実効性を高めるべく、動物実験実施者に対して実験動物の適正な管理・使用に関する教育訓練を行うとともに、実験実施状況の自己点検・評価を通じて継続的に改善を図っています。

 

また、適正な動物実験の実施を担保するために、実験動物の倫理的かつ人道的な管理・使用に関する国際的な第三者認証機関であるAAALAC International(*2)による認証を継続的に取得しています。

臨床開発においては、被験者の安全性の確保を適切に行うとともに、「臨床試験データの透明性に関するポリシー」に基づいて適切に情報開示を行い、透明性を確保しています。
また、新薬の研究開発における各過程がICHのガイドラインや各試験実施国の法規制等を遵守し、倫理的配慮のもとに科学的、医学的に実施されるよう、社外の専門家や一般の立場を代表する方によって構成される「研究倫理委員会」「臨床試験倫理委員会」を設立しています。

参考:

*1 Replacement(代替法の利用)、Reduction(動物利用数の削減)、Refinement(実験方法の洗練、実験動物の苦痛軽減)を指し、動物実験の実施に際して配慮すべき基本理念

*2 Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care International の略称

公的研究費の運営・管理および研究不正に対する取り組み

SHIONOGIは、文部科学省、厚生労働省および経済産業省が制定した「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン」および「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に基づき、公的研究費の運営・管理および研究不正防止に関する規程を定めました。

当該規程に基づき、体制を以下の通り定めます。

  • 最高管理責任者:代表取締役社長(コンプライアンス委員会委員長)
  • 統括管理責任者:コンプライアンス部長(コンプライアンス委員会事務局長)
  • 研究倫理教育責任者:公的研究費に関係する各組織の組織長
最高管理責任者は、当社のグループコンプライアンスポリシーおよび当該規程に則り、率先して研究不正防止を推進します。

通報窓口

内部通報制度として、従業員のみならず社外の方も利用可能な社内外のコンプライアンス通報窓口を設置して、不祥事の早期発見と再発防止・未然防止に努めています。さらに通報窓口等の連絡先を記載した緊急連絡・相談先カードを作成し、すべての役員および従業員に配布することにより、相談できる体制整備にも取り組んでいます。