SHIONOGIのAI革新への挑戦
塩野義製薬のAI戦略 - 全社的な取り組み
塩野義製薬は、HaaS(Healthcare as a Service)というビジョンのもと、AI技術を活用した医薬品開発の革新に取り組んでいます。2022年から本格化したAI活用は、既存の業務改善から新たな価値創造まで幅広く展開されています。
  
					
	            AI活用事例 - 臨床試験プログラミング自動化
2022年9月にリリースした「人工知能解析プログラマシステム(AI-SAS)」は、臨床試験で必要な統計解析プログラム(SAS)をAIが自動生成し、標準作業時間の30%削減を実現しました。
  
					
	            
					
	            医薬品開発における生成AIを活用したメディカルライティング支援
医薬品の研究開発プロセスにおいて、臨床から早期開発段階での文書作成業務は大きな負担となっています。プロトコールやCSR(治験総括報告書)などの専門文書の作成には多大な工数を要し、開発期間にも影響を与えます。生成AI(大規模言語モデル)の定型文生成や文体統一機能を活用することで、メディカルライティング業務の効率化と品質向上を実現し、新薬開発の迅速化を目指しています。
  
					
	            次世代AI技術への挑戦 - Generative AIグループの活動
2024年10月に発足したGenerative AIグループは、生成AI技術を活用した新しい業務支援システムの開発・導入および社内展開を進めています。現場のニーズを起点に「実際に使える」「安全な」アプリケーションを素早く実装し、継続的な改善を重ねることで、業務変革を加速しています。
  1. 業務支援アプリケーションの開発
▶ 全社用ベースAIアプリ
- AIチャットアプリの継続改善(モデル更新、RAG機能、API公開など)
▶意思決定支援AI
- 経営ペルソナアプリ(経営者視点の壁打ちによる案件検討の深化)
- 審議決裁支援アプリ(意思決定前にリスクや検討ポイントを提示)
▶ 医薬開発メディカルライティング支援AI
- CSR(治験総括報告書)作成支援
- プロトコール作成支援
▶ 部門横断文書検索システム
- 臨床開発・CMC領域などを横断した社内文書検索
- インテリジェント文書検索機能の高度化
▶ 軽量アプリ群(ノーコードLLM開発ツール活用)
- 議事録作成支援
- ガイドライン検索支援 など
2. 外部サービス導入と連携
- 論文検索AI (SaaS)
- Microsoft 365 Copilotなど
3. 社内教育とリテラシー向上
- 社内ポータルを通じた情報発信
- レベル別・テーマ別のハンズオントレーニング
					
					
				未来への展望 - AIが切り拓く医療の未来
これらのAI技術は、近い将来「当たり前の基盤技術」となり、医療業界全体のイノベーションを支えると期待されています。塩野義製薬は、AIが価値を創出する医療の実現を目指し、挑戦を続けています。