調達DX
調達DXによる経営基盤強化 ― 間接・直接材調達業務の変革
					
	            1. 分断された調達が抱えていた課題
以下の原因により、統制不足や業務の属人化を招き、全体最適の障壁となっていました。
● 老朽化によるセキュリティリスク
● 商材カテゴリごとにシステムが分断
● SHIONOGIグループ各社で調達プロセスがバラバラ
2. 調達DXを実現した3つの取り組み
複雑さを吸収し、業務を一本化
カテゴリごとに異なっていた業務要件を整理し、購買シナリオやシステム連携を見直しました。これにより、複雑さを吸収しつつ統一的な業務運営を可能にしました。
透明性を高める統制の仕組み
発注、受領(検収)、請求書処理の各業務をを別々の担当者が実施することにで、不正発注の防止を図っています。(これまでは受領と請求書は同じ人が実施可能だったため、架空請求を可能とするような業務フローとなっていました)
製品標準機能に合わせる挑戦
システムを自社仕様に合わせるのではなく、Coupaの製品標準機能に業務を合わせる方針を採用。ユーザーを巻き込みながら導入を進め、要件224件のうち221件を標準機能で対応(98.7%)しました。製品標準機能を利用しているため、システムのメンテナンス性が向上し、Coupaの自動機能追加を享受可能なことが大きなメリットです。
※Coupaはクラウド型のサービス提供型アプリケーションであり4か月に1度大型機能拡張あり。
					
				3. 調達DXで得られた成果
● 調達品毎にばらばらの調達業務を統一(標準化)することにより、業務の煩雑さをなくし、業務を効率化
● 発注、受領、請求書処理の担当者に別の人を割り当て(三権分立)、架空発注などの不正リスクを低減
● 調達品毎にばらばらのシステムを統一し、システム運用負荷を軽減
● SHIONOGI独自のカスタマイズを排除し、システムが持つ自動拡張機能メリットを最大限に享受
4. さらなる改善と、描く未来像
ユーザーとともに使いやすさを磨く
稼働4か月後のアンケートで明らかになった課題に対応し、マニュアル整備やトレーニングを強化していきます。
変化に強いシステム基盤をつくる
調達業務に必要な情報変化(例えばインボイス制度による「適格請求書発行事業者の登録番号」等)により、システムの発注画面への項目追加が発生することがあります。調達業務プロセスが複数システムを跨る場合、システム連携が必要となりますが、項目追加時にシステム連携の仕組みの変更影響を最小化するための設計が重要となります。これにより、システム連携の仕組みの保守性を向上させることが可能となります。