注力する研究領域
SHIONOGIは、「感染症の脅威からの解放」と「健やかで豊かな人生への貢献」に関連する研究領域に注力し、新薬を創出し続けます。
感染症の脅威からの解放
感染症のトータルケア
感染症のSHIONOGIとして、自社の取り組むべき重要課題(マテリアリティ)の一つに「感染症の脅威からの解放」を掲げて研究開発を進めています。呼吸器感染症をはじめ、治療に長期間を要する感染等を含め、ニーズに応えるトータルケア実現のため日々研究を進めています。
一つは近年のCOVID-19への対応や、将来起こる可能性のあるパンデミックに対する研究をさらに進め、今後の感染症対策の一助となる研究を進めています。これらの感染症は重症化すると生命に係わること、人から人への急速な広がりが社会や経済活動へ甚大な影響を与えることから、早急な対策が望まれています。さらには薬剤耐性(AMR)など既存の治療薬では治癒が難しい感染症、いつ発生するか予測が難しい新興感染症に対する対策も大きな社会・医療ニーズとなっています。特に、HIV、結核、マラリアの三大感染症はグローバルヘルスの観点で非常に大きな脅威・課題となっており、SDGsの観点からも一刻も早い克服が望まれています。
SHIONOGIでは、このような感染症の脅威からの解放を実現するため、画期的な新薬創製を推進していくと共に、診断薬を含めた多様なアプローチで感染症のトータルケアにチャレンジしていきます。
ワクチン
COVID-19の流行が長期化する中、有効で安全性の高い国産ワクチンの早期提供が望まれています。我々は遺伝子組換えタンパクワクチンという技術を用い用いて研究開発を進め、2024年6月にSHIONOGI初の組み換えタンパクワクチン「コブゴーズ」の国内製造販売承認を取得しました。また、粘膜免疫の誘導による感染予防可能な経鼻ワクチンの創製、ユニバーサル抗原設計技術の構築による新たなパンデミックへの対応などにも取り組んでおり、感染症の脅威から皆様を解放するワクチンの創製に様々な観点からチャレンジして参ります。
健やかで豊かな人生への貢献
- 認知症:認知症の患者さんやご家族は、認知症特有の中核症状とよばれる認知機能障害のみならず、周辺症状とよばれる幻覚・妄想や攻撃的になる焦燥性、徘徊等の症状で困っています。SHIONOGIはそれらの症状を取り除くことで、『認知症患者さんが自分らしく、また愛する家族に迷惑をかけることなく幸せな余生を過ごす』 ことに貢献します。
- 肥満:近年、食習慣の変化や運動不足から摂取エネルギー過多となり、肥満の人は増加しています。肥満は認知症や心血管疾患を含む生活習慣病など数多くの疾患の発症リスク要因のため、健康寿命延伸には肥満を予防、改善することが重要であり、我々SHIONOGIは肥満による困りごとを解決できるように研究開発に取り組んでいます。
- 発達障がい:発達障がいで見られる多様な特性と生活環境とのミスマッチは様々なライフステージで困りごとを生じ、ご本人のみならず療育者等の関係者のQOLにも広く影響しています。 SHIONOGIは、薬物療法に加えデジタル治療等の非薬物療法も含めた治療法の開発研究に取り組んでいます。
- 睡眠障害:不眠、過眠、概日リズム睡眠障害、睡眠時無呼吸症候群 といった睡眠障害は、疲労、集中力や記憶力・思考力の低下のみならず、精神疾患、心血管系疾患、代謝性疾患、認知症等、様々な疾患と密接に関連することが知られています。また、長期にわたる症状により 、長期欠勤や生産性の低下など、活力ある生活に大きな影響を与えています。我々は、睡眠障害で悩む多くの患者様の、より健やかで豊かな人生への貢献を目指し、研究・開発に日々取り組んでいます。
- 難聴:難聴に苦しむ方は世界で15億人以上と推定されています。なかでも、感音難聴の患者数は、生活環境の変化から、高齢者だけでなく若年者も含めて、増加の一途をたどっています。また、その経済的な損失は年間113兆円と試算されており、社会的に大きな問題となっています。しかし、現在、感音難聴に対する承認薬はありません。我々SHIONOGIは感音難聴に苦しむ患者さまに適した治療法を届けるべく研究開発に取り組みます。
- がん:がんは多くの国で死亡原因の上位を占め、生命および健康にとって重大な問題となっております。また、患者さまご本人に留まらず、ご家族や知り合いにも、長期に渡って不安を与え、長期治療に伴って就労の問題を引き起こすこともあります。近年、免疫チェックポイント阻害剤の登場により、がん治療体系は大きく変化し、腫瘍に対する免疫反応が持つ潜在能力が注目されています。我々は、作用機序の異なる多様かつユニークな腫瘍免疫アセットを構築することで個々の患者さまに適したより有効なソリューションの提供に取り組んでいます。
- 子どもの疾患・希少疾患:世界には有効な治療法がない子どもの疾患がまだまだ多数あります。我々は子どもの疾患に対して有効な医薬品の開発を通じて、社会の未来を担う子どもの成長を支援します。
- 小児適応・製剤:優れた有効性を示す医薬品であっても、小児適応または小児製剤がないことにより、子どもの患者様に適切な薬物治療の機会を提供できない場合があります。我々は成人向け医薬品の開発と並行して、小児適応の取得及び利便性の高い小児製剤の開発を追求することにより、子どもの患者様とそのご家族、医療関係者様にとって最適な薬物治療機会の提供を目指します。