塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、この度、InveniAI LLC(本社:米国コネチカット州、社長兼CEO:Krishnan Nandabalan, Ph.D.、以下「InveniAI社」)との間におきまして、InveniAI社が有するAI創薬プラットフォームであるAlphaMeld® を用いた、精神・神経系領域におけるマルチターゲット創薬に関する共同研究契約を締結しましたので、お知らせいたします。
InveniAI社が有するAlphaMeld® は、過去10年以上にわたって培われたデータセットをもとに構築された機械学習アルゴリズムであり、特定の疾患に関連する標的分子を選定するだけでなく、その疾患に関連する周辺の因子を可視化することで、関連する複数の標的やその標的に対する既存薬の提唱を可能とするAI創薬プラットフォームです。InveniAI社がAlphaMeld®を用いて選定し、その関連会社であるBioXcel Therapeutics社が開発している化合物において、臨床での有効性が確認されています1。
この度の契約締結により、当社はAlphaMeld® による中枢・神経系領域の特定の疾患に対する創薬標的の探索が可能となります。特に複数の因子が絡み合う中枢・神経系疾患においては、標的探索や評価系の構築、ツール化合物の探索に膨大な時間とコストが必要ですが、今回の提携により、標的およびその組み合わせを効率よくかつ網羅的に探索できるようになることから、これらの課題解決に要するリソースの軽減と、創薬の迅速化が期待されます。当社は、本契約の締結に伴う一時金、今後の開発進展に応じたマイルストン、ならびに製品上市後の販売額に応じたロイヤリティーをInveniAI社に支払います。
塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「社会生産性向上」を特定しています。依然としてアンメットメディカルニーズが高い精神・神経系疾患に対する画期的な治療薬を世界中の患者さまにお届けできるように、様々な最先端の技術を積極的に活用しながら努力するとともに、そのご家族のQOLや生産性の向上に貢献できるよう、外部パートナーとの連携を含めた取り組みを強化してまいります。
なお、本件が2022年3月期の連結業績予想に与える影響については現時点では未定ですが、今後の状況の変化により、業績に与える影響を認識した時点で速やかに公表いたします。
以上
【InveniAI® LLCについて】
InveniAI社は、AIおよび機械学習の応用において世界を牽引する企業であり、アンメットメディカルニーズを満たす革新的な医薬品の発見や、それらの研究開発の促進に寄与することで、医薬品産業にイノベーションをもたらします。同社は、AIと機械学習にペタバイト規模の異なるデータセットを活用することで、AIに基づく創薬・開発のための価値を提供します。これまでの、メガファーマ、スペシャリティファーマ、バイオテック企業、コンシューマーヘルスケア企業など、多数の産業とのコラボレーションの実績は、医療の主要な分野において同社の技術を活用する価値があることを示しています。同社は、AlphaMeld®プラットフォームを活用して、業界パートナーとの創薬プログラムを強化および加速しています。詳細は、www.inveniai.comをご覧ください。
参考
1. https://www.bioxceltherapeutics.com/product-pipeline