塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、当社と中国平安人寿保険股份有限公司※1(本社:中国広東省)との合弁会社である平安塩野義有限公司(本社:中国上海、董事長:吉田 達守、以下「平安塩野義」)が、平安健康医療科技有限公司(本社:中国上海、会長:方蔚豪(Fang Weihao)、以下「平安健康」)との間で、代謝性疾患患者さまを対象としたリアルワールドデータ(RWD)収集・解析研究の実施に向けた新たな業務提携を締結しましたので、お知らせいたします。
本研究では、平安塩野義が販売する複数の薬剤および平安健康の保有するオンライン医療プラットフォーム「Ping An Good Doctor」を活用いたします。いずれかの薬剤が処方される際、本研究への参加に対する患者さまの同意を取得し、ウェアラブルデバイスとスマートフォンアプリを提供いたします。提供したウェアラブルデバイスとアプリにより、日常生活における患者さまの服薬履歴や睡眠・活動量・精神状態・認知機能などのRWDがモニタリングされ、それらの情報は患者さまが分かりやすい形でアプリ上で見える化され、患者さまご自身で確認することができます。平安健康は、本研究用アプリ開発、運営、患者さまのヘルスケアデータ収集、管理などの業務を請け負います。
平安塩野義は、本研究を通じて患者さまの服薬アドヒアランスの向上、収集データを活用した併存疾患などの早期発見および治療、最適な医療サービスの提供などに貢献いたします。平安健康におきましても、Ping An Good Doctorを利用するユーザーのQOL向上に貢献することが期待されます。また、本研究は平安塩野義の研究開発コンセプトに掲げるデータドリブン創薬を加速するための重要な取り組みの一つとなります。まず代謝性疾患において良質なRWDの収集・解析を可能とするデジタル基盤を構築し、それを認知症やうつ病など当社の重点領域である精神・神経疾患に展開し、平安グループ※2のAI技術を組み合わせながら臨床研究を継続することで、ヘルスケアデータを駆使した新しい薬またはサービスの創出に取り組んでまいります。
塩野義製薬は、中期経営計画「Shionogi Transformation Strategy 2030(STS2030)」において、従来の医療用医薬品を中心に提供する「創薬型製薬企業」から、ヘルスケアサービスを提供する「HaaS※3企業」へと自らを変革し、社会に対して新たな価値を提供し続けていくことで、患者さまや社会の抱える困り事をより包括的に解決するという方向性を示しています。平安グループとの長期的かつ強固な戦略的パートナーシップの下、サイエンスとデジタルテクノロジーという異なる強みを融合しシナジー効果を発揮することで、引き続きHaaSの実現に取り組んでまいります。
以 上
※1 中国平安保険(集団)股份有限公司(本社:中国広東省)の出資機能を有する子会社
※2 中国平安保険(集団)股份有限公司の子会社及び関連会社の総称
※3 医薬品の提供にとどまらず、顧客ニーズに応じた様々なヘルスケアサービスを提供すること
[お問合せ先]
塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.
【平安健康とのRWD研究の概要】
本研究は、対象となる代謝性疾患患者さま1,000名を対象とした研究です。参加する患者さまにウェアラブルデバイスと対応アプリを提供し、日常生活における各種パラメータをモニタリングします。患者さまのフォローアップを行い得られたデータを解析することで、服薬率の変化とそれによるQOLの関連性などの多様なパラメータ間の相関を見出し、新薬や新たなヘルスケアサービスにつながるコンセプトを創出します。収集したデータは、匿名化の上で加工し厳重に管理され中国国外に持ち出されることはございません。