2022/06/21

音刺激による脳活性化および認知機能改善に向けた共同研究に関する 塩野義製薬とピクシーダストテクノロジーズによる基本合意書の締結について
~「生活に溶け込んだ認知症ケア」サービスの提供に向けて~

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)とピクシーダストテクノロジーズ株式会社(本社:千代田区、代表取締役:落合 陽一、村上 泰一郎、以下「PxDT」)は、「音刺激による脳活性化および認知機能改善」に向けた共同研究に関する基本合意書(以下、本合意書)を締結しましたので、お知らせいたします。

 

 国内において高齢者人口は増加し続けており、28.4%と世界で最も高い高齢化率となっております1。日本の高齢者における認知症有病率は約15%と推計されており、高齢化の進展に伴って有病者数はさらに増加すると予想されております2。認知症は記憶・学習、言語能力、判断能力などの認知機能が障害されることでご本人のQOL(Quality of Life)が低下するとともに、介護者の肉体的、精神的、経済的負担にもつながり、社会に与える影響が大きい疾患です。一方で、既存治療法に対する患者満足度は高くなく3、新たなソリューションが求められています。

 

 認知症患者の脳においては特定のリズム活動(ガンマ波)が弱まっていることが報告されています4

 塩野義製薬とPxDTは2021年12月より「生活に溶け込んだ形で、自然五感を刺激することによって長期的な介入を可能とし、認知症ケアを実現する」というコンセプトを掲げ、感覚刺激による脳のリズム活動の変化に着目した、新しいサービスの開発に向けた共同研究に取り組んできました。その中で、脳の特定のリズム活動(ガンマ波)を強める可能性のある「音」を共同開発しました。本合意書の締結を通じて、今後は、テレビの音や音楽を自然な形で加工して特定のリズムの脳活動を強めるなど、「音」を通じたサービスの開発に向けたさらなるエビデンスの構築を目指してまいります。

 

 塩野義製薬とPxDTは両社の強みを活かし、聴覚や視覚など五感刺激による「生活に溶け込んだ認知症ケア」サービスの開発を通じて、患者さまや社会の抱える困り事の解決に向けた新たなソリューションの提供に取り組んでまいります。

 

以 上

塩野義製薬株式会社について

 塩野義製薬は、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として「社会生産性向上」を特定しています。引き続き、アンメットメディカルニーズの高い認知機能障害に対する画期的な治療法を患者さまにお届けできるよう努力し、精神・神経系疾患を抱える患者さまとそのご家族のQOLの向上に貢献してまいります。

URL:https://www.shionogi.com/jp/ja/

 

ピクシーダストテクノロジーズ株式会社について

 ピクシーダストテクノロジーズは、Digitally Rebalanced——世界をデジタル技術の観点から俯瞰し、新たな均衡点へ導く原動力となることを目指す大学発ベンチャーです。デジタルと物理世界を繋ぐインターフェース技術を研究開発し、連続的に社会実装していくことで、その実現に寄与します。

URL:https://pixiedusttech.com/

 

【お問い合わせ先】

・  塩野義製薬株式会社

塩野義製薬ウェブサイトお問い合わせフォーム:https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.

 

・  ピクシーダストテクノロジーズ株式会社

ピクシーダストテクノロジーズウェブサイトお問い合わせフォーム:

https://pixiedusttech.com/contact/

 

参考:

1.       令和2年度版高齢社会白書

2.       平成26年度厚生労働省科学研究費補助金特別研究事業「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」

3.       令和2年度 国内基盤技術調査報告書「60 疾患に関する医療ニーズ調査(第6回)」分析編

4.       Herrmann, C. S., & Demiralp, T. (2005). Human EEG gamma oscillations in neuropsychiatric disorders. Clinical neurophysiology, 116(12), 2719-2733.