2023/05/17

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬候補S-892216の国内第1相臨床試験開始について

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症(COVID-19)に対する治療薬候補S-892216につきまして、国内第1相臨床試験を開始し、本日初回投与を行いましたので、お知らせいたします。現状、初回投与後の安全性上の懸念は確認されておりません。
 S-892216は、当社が次世代COVID-19経口抗ウイルス薬として創製した3CLプロテアーゼ阻害薬です。非臨床試験では、優れた抗ウイルス効果が確認されており、現時点で安全性に関する大きな懸念は認められておりません。国内第1相臨床試験では、健康成人を対象にS-892216服用時の体内動態、安全性、忍容性の確認を行います。なお、本研究開発は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development: AMED)の新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業による支援を受けております。
 COVID-19は、これまで変異株の発生を一因として、グローバルにおいて感染拡大を引き起こしてきました1。現在は、各国政府によるワクチン接種の推進やオミクロン株への置き換わりにより、感染者の重症化率が低下してきていることから、グローバルでの混乱が収束に向かいつつあります。一方で、COVID-19は、今なおウイルスの変異を繰り返し、世界中の多くの人々の健康や生活に影響を与え続けていることから、有効で安全な治療薬の開発が引き続き求められています2
 塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。COVID-19治療薬であるエンシトレルビル フマル酸(日本での製品名:ゾコーバ®)についても、グローバル開発を加速し、さらなるエビデンスの集積に努めています3-7。引き続き、社会の安心・安全の回復に貢献するとともに、新たな変異株の出現や今後の流行状況に合わせ、必要とされる治療薬、ワクチンを迅速に提供できるよう、COVID-19に対する研究開発を推進してまいります。
以 上

参考:

1.        Tracking SARS-CoV-2 variants. The World Health Organization. Accessed May 8, 2023. Available at: https://www.who.int/activities/tracking-SARS-CoV-2-variants

2.        Therapeutics and COVID-19. Page 8. The World Health Organization. January 13, 2023. Available at:

https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/365584/WHO-2019-nCoV-therapeutics-2023.1-eng.pdf?sequence=1

3.        プレスリリース:2022年3月16日
塩野義製薬とACTGによる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬 S-217622のグローバル第3相臨床試験の実施について

4.        プレスリリース:2022年7月4日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬S-217622の中国における新薬承認申請に向けた資料の提出開始について

5.        プレスリリース:2023年1月4日
韓国における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬 エンシトレルビル フマル酸の新薬承認申請受理について

6.        プレスリリース:2023年2月16日
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬 エンシトレルビル フマル酸の グローバル第3相臨床試験(STRIVE)開始について

7.        プレスリリース:2023年4月11日
新型コロナウイルス感染症治療薬エンシトレルビル フマル酸 (日本での製品名:ゾコーバ®錠125mg)の台湾におけるEUA承認申請受理について

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https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.