2023/11/01

塩野義製薬と米国Apnimed社による睡眠障害における課題解決に向けた合弁会社の設立について

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長 CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、当社と米国Apnimed, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州、Chief Executive Officer:Lawrence G. Miller, MD、以下「Apnimed社」)が、睡眠障害における課題解決を目的として合弁会社「Shionogi-Apnimed Sleep Science, LLC」を設立することに合意しましたので、お知らせいたします。

 

 

1.合弁会社設立の背景・目的

当社は、中期経営計画「STS2030 Revision」における重要課題として「健やかで豊かな人生への貢献」を掲げています。その中でQOLに重大な影響を及ぼし、未解決のまま解決されず、高齢化により将来的にさらに大きな影響が予測される社会的影響度の高い疾患に対する研究開発を進めています。深刻な睡眠障害である閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea:OSA)はこのような疾患の一つです。米国で4,500万人以上が罹患し、世界中でさらに数億人が影響を受けていると推定されています。OSA は、高血圧、糖尿病、心血管疾患、脳卒中などその他の慢性疾患につながることや労働生産性を損なうことが示唆されています。また、OSAを未治療のままにしておくと寿命が著しく低下することが示唆されています。診断された患者の大部分は持続気道陽圧療法(CPAP)などの陽圧療法装置が中心となっていますが、アンメットニーズは依然として高く、有効で安全かつ利便性の高い治療薬が望まれています。当社は、OSAをはじめとした睡眠障害におけるアンメットニーズを満たすという強いコミットメントとともに、補完的な能力を有していることから、睡眠障害における卓越した専門知識を有する臨床段階の製薬企業であるApnimed社と合弁会社「Shionogi-Apnimed Sleep Science, LLC」を設立することに合意しました。

合弁会社は、当社の有する低分子創薬力とBest-in-classの化合物創出力、およびApnimed社の有する経験豊富な臨床段階の創薬チーム、睡眠障害の医療に関する臨床施設との強固なネットワークを含むOSA領域における高度な知見や優れたトランスレーショナルリサーチを合わせます。それにより、この合弁会社は両社の協力なしでは実現できないより迅速なOSAの有望なソリューションの創造を目指します。

合弁会社には両社が50%ずつ出資します。なお、Apnimed社の最も進行している開発パイプラインであるAD109(第Ⅲ相)とAD504(第Ⅱ相)はこの合弁会社の事業には含まれていません。

 

 

2.合弁会社の概要

1.       

名称

Shionogi-Apnimed Sleep Science, LLC

2.       

本社所在地

米国マサチューセッツ州

3.       

事業内容

医薬品の研究・開発

4.

設立年月日

2023年11月1日(予定)

5.       

出資比率

塩野義製薬 50%、Apnimed社 50%

 

 

3.合弁契約相手先の概要

1.       

名称

Apnimed, Inc.

2.       

本社所在地

米国マサチューセッツ州コモンウェルス

3.       

代表者の役職・氏名

CEO:Lawrence G. Miller, MD

4.       

設立年

2017年

 

 

4.日程

取締役会決議日                                2023年10月31日

合弁会社設立                                   2023年11月1日(予定)

 

 

以 上

 

 

【閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea:OSA)について】

閉塞性睡眠時無呼吸は、深刻な睡眠障害の一つです。米国で4,500万人以上が罹患し、世界中でさらに数億人が影響を受けていると推定されています。OSAS は、睡眠中に上気道が部分的または完全に閉塞することを特徴としています。これにより、夜間の酸素レベルが著しく低下し、睡眠の質の低下につながる可能性があります。さらに、長期的には高血圧、糖尿病、心血管疾患、脳卒中などの慢性疾患のリスクも増加します。また、OSAは仕事の生産性の低下、日中の機能能力の低下、QOLの低下にも関与する可能性があります。診断された患者のほとんどは、持続的気道陽圧療法(CPAP)などの陽圧療法装置が処方されていますが、多くの患者がこれらの機械的な装置に満足していないため、長期間の使用率は50%未満です。さらに、多くの患者が未治療のままであるか、治療が不十分であるため、健康と安全に潜在的なリスクをもたらしています。

 

 

【Apnimed社について】

Apnimed社は、マサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を置く臨床段階の製薬会社で、睡眠時無呼吸症候群(OSA)および関連疾患の新たな薬物治療のポートフォリオを開発しています。Apnimed社の主力の開発プログラムは、OSAの治療のため一日一回の経口薬投与により睡眠中の上気道の開存を維持するというもので、従来の治療法に劇的変化をもたらすことが期待されています。詳細については、apnimed.comをご覧いただくか、XLinkedInでフォローしてください。

 

[お問合せ先]

塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:

https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.