2023/04/10

再生誘導医薬®レダセムチドの急性期脳梗塞患者を対象としたグローバル後期第2相臨床試験開始について

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長 CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、株式会社ステムリム(本社:大阪府茨木市、代表取締役会長 CEO:冨田 憲介、以下「ステムリム社」)から導入した再生誘導医薬®レダセムチド(開発番号:S-005151)について、急性期脳梗塞患者を対象としたグローバル後期第2相臨床試験(以下「本試験」)を新たに開始しましたので、お知らせいたします。

 

レダセムチドの急性期脳梗塞患者を対象とした開発計画としては、国内第2相臨床試験の良好な成績に基づき、グローバル第3相臨床試験を開始すべく、各規制当局と協議を重ねてまいりました1。その結果、開発計画を一部見直し、用量設定を目的とした本試験を実施することを決定いたしました。

 

本試験は、18歳以上の発症から25時間以内の急性期脳梗塞患者627名を対象に、レダセムチド(1.5 mg/kg)、レダセムチド(0.75 mg/kg)またはプラセボを5日間投与した際の有効性および安全性を評価するものです。まずは国内で開始したのち、米国、欧州および中国において順次開始する予定であり、至適用量情報を得たのちに製造販売承認申請に向けたグローバル第3相臨床試験への移行を計画しております。なお、今回の開発計画変更に伴う申請時期への影響は、現時点では軽微に留まると想定しております。

 

塩野義製薬は2030年に成し遂げたいVisionとして掲げた「新たなプラットフォームでヘルスケアの未来を創り出す」ことを実現するため、自社研究開発に加え国内外のアカデミアや企業との連携など、社外リソースの活用を積極的に推進しています。今後も革新的な新薬の継続的な提供を通じ、世界中の皆さまの健康寿命の延伸とQuality of Life(QOL)の向上に貢献できるよう努力してまいります。

 

 

【レダセムチドについて】

レダセムチドは、怪我や病気で損傷した組織を生きた細胞を用いることなく薬の投与により再生させる再生誘導医薬®の開発品です。再生誘導医薬®の特性を活かし、より多くの患者さまにヘルスケアソリューションを提供するために、急性期脳梗塞に加えて栄養障害型表皮水疱症、慢性肝疾患、変形性膝関節症、心筋症における開発を進めております。

 

【急性期脳梗塞患者を対象とした国内第2相臨床試験について】

急性期脳梗塞患者150名を対象に、レダセムチド(1.5 mg/kg)を5日間投与した際の有効性および安全性を評価しました。有効性は社会復帰に向けた予後の程度を示す投与90日後のmodified Rankin Scale*(mRS)を主要評価項目として評価した結果、5日間投与完了の翌日に介助が必要な状態であった患者が投与開始90日後には「介助不要となる社会的自立可能なレベルまで改善する割合(mRS≦2の状態にまで至る割合)」が、レダセムチド群ではプラセボ群の約2倍に増加(レダセムチド群:34%、プラセボ群:18%)しました2

 

* modified Rankin Scale:脳卒中または神経障害の他の原因に苦しんでいる人々の日常活動における障害または依存の程度を測定するために一般的に使用されるスケール

 

【ステムリム社について】

ステムリム社は、大阪大学発の“創薬研究開発型”バイオテック企業です。2006年に大阪大学大学院医学系研究科の玉井克人教授らが同定した骨髄多能性幹細胞動員因子を医薬品として開発することを目的に設立されました。以来、大阪大学との共同研究を通じて、怪我や病気により損傷し機能を失った生体組織の機能的再生・治癒を促進する再生誘導医薬®の実現を目指した研究開発に取り組んでおり、「再生誘導で難治性疾患を克服する」ことを企業使命に、世界をリードするバイオベンチャーになるべく、挑戦を続けています。詳細はステムリム社のホームページをご覧ください。

 

 

参考:

1.        2022年10月12日:SHIONOGI R&D Day 2022説明会資料(p62 - 64)

2.        2021年12月13日:SHIONOGIプレスリリース
再生誘導医薬候補S-005151 (一般名:レダセムチド) の急性期脳梗塞患者を対象とした第2相臨床試験の良好な結果について

 

[お問合せ先]

塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:

https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.