抗菌性物質製剤(以下、抗菌薬)、中でも本供給確保計画で取り扱うセフェム系抗菌薬を含むβラクタム系抗菌薬※1は、感染症の治療だけに限らず、手術時の感染予防等のための診療ガイドラインにおいても推奨薬に位置づけられるなど、医療上の必要性が極めて高いとされています。一方で、その原材料のほぼ100%を海外に依存している状況にあり、抗菌薬の国内への安定供給を左右する課題として指摘されています。実際に、βラクタム系抗菌薬として汎用されるセファゾリンナトリウムについては、サプライヤーとして大きな割合を占める中国での製造上のトラブル等に起因し、2019 年に長期にわたって供給が滞り、国内での医療の円滑な提供に深刻な影響を及ぼす事案が発生しました。このようなサプライチェーン上の課題を踏まえ、抗菌薬が経済安全保障推進法第7条の規定に基づく「特定重要物資」に指定され、国内で用いられる抗菌薬の安定供給確保に向けた検討が厚生労働省を中心に進められています1。
※1 分子中にβラクタム環をもつ抗生物質の総称であり、ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系などに区分される
【供給確保計画の認定概要】
認定事業者名: |
シオノギファーマ株式会社、Pharmira株式会社 |
特定重要物資名: |
セファゾリンナトリウム、セフメタゾールナトリウム |
取り組み内容: |
原薬等製造設備導入、備蓄体制整備 |
認定日: |
令和5年7月28日 |
参考:
1. 抗菌性物質製剤に係る安定供給確保を図るための取り組み方針
2. 医薬品安定供給支援事業 実施事業者の公募について(1次公募)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12086.html
3. 医薬品安定供給支援事業 実施事業者の公募について(2次公募)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17823.html
4. 医薬品安定供給支援事業 実施事業者の公募について(3次公募)