2024/09/27

うつ病治療薬候補ズラノロンの国内における製造販売承認申請について

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」、または「当社」)は、当社がSage Therapeutics, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州、CEO:Barry Greene、以下「Sage社」)から日本、台湾および韓国における独占的開発権・販売権を取得1しているうつ病治療薬候補ズラノロンについて、9 月27 日付で日本での製造販売承認申請を行いましたので、お知らせいたします。このたびの製造販売承認申請は、当社が日本で実施した第3相検証試験の良好な結果に基づいています2

 

第3相検証試験は、中等症から重症のうつ病患者412 名を対象に、ズラノロンの有効性および安全性、忍容性の評価を目的に国内で実施された試験です。うつ病の重症度を評価する尺度であるHAM-D合計スコアのベースラインからの変化量について、ズラノロン投与群はプラセボ投与群に対して統計学的に有意な減少が確認され、主要評価項目を達成しました。また、ズラノロン投与群は、投与3日目からHAM-D合計スコアが有意に減少し、本剤の即効性が示されました。

 

日本におけるうつ病の患者数は約500万人と推計され3、非致死性の健康を損なう疾患の中では最多の罹病者数です。既存の治療薬は効果発現までに数週間かかることが多く4、即効性のある治療薬が求められています。これまでの臨床試験で即効性が確認されている本剤は、うつ病治療の新たな選択肢として貢献することが期待されます。

 

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「健やかで豊かな人生への貢献」を特定し、誰もがより長く、そして自分らしくいきいきとした生活を送ることができる社会の実現に向け、取り組みを進めています。うつ病に対する画期的な治療薬候補である本剤を、患者さまにいち早くお届けできるよう、引き続き努力してまいります。

 

なお、本件が2025年3月期連結業績に与える影響は軽微です。

以 上

 

【ズラノロンについて】

ズラノロンは、既存の抗うつ薬とは異なる新規の作用機序を有する経口剤であり、シナプスおよびシナプス外のGABAA 受容体に対するポジティブアロステリックモジュレーターです。これまでの試験結果より、1日1回14日間の経口投与により、速やかなうつ症状の改善が期待されます。

ズラノロンは、成人の産後うつ病患者に対する世界初の経口治療薬として、2023年8月に米国食品医薬品局(FDA)から承認を取得しています(米国での製品名:ZURZUVAE™)。

 

■参考

1.       プレスリリース:2018年6月14日

2.       SHIONOGI R&D Day 2024 説明会資料p98

3.       WHO, Depression and Other Common Mental Disorders Global Health Estimates

4.       日本うつ病学会治療ガイドライン

 

 

[お問合せ先]

塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:

https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.