2020/08/18

1日1回投与2剤配合錠Dovato®(ドルテグラビルおよびラミブジン)の 米国FDAによる追加適応承認について
- 抗レトロウイルス療法によりウイルス抑制が維持されている 成人HIV-1感染患者を対象とした治療 -

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、当社がGlaxoSmithKline plc.およびPfizer Inc.とともに資本参加しているViiV Healthcare Ltd.(本社:英国ロンドン、Chief Executive Officer:Deborah Waterhouse、以下「ViiV社」)が2020年8月6日に、Dovato® (ドルテグラビル[DTG]/ラミブジン[3TC])について、抗レトロウイルス療法によりウイルス抑制が維持され、過去に治療失敗歴がなく、DTGおよび3TCのいずれにも薬物耐性が認められていない成人HIV-1感染症患者の治療を対象に、米国食品医薬品局(FDA)が追加適応承認したことを発表しましたので、お知らせいたします。

 

Dovato®は2019年4月に、治療歴のない成人HIV-1感染患者の治療についてFDAから承認されました(リリース①)。今回承認された追加適応は、テノホビル・アラフェナミド・フマル酸塩(TAF)を含む3剤以上の治療レジメンでウイルス抑制が確認されている成人HIV-1感染患者を対象にしたTANGO試験での良好な結果(リリース②)を基に判断されました。本追加適応の承認により、Dovato®は米国においても欧州(リリース③)と同様に、治療歴のない成人患者だけでなく、既存の3剤以上のレジメンでウイルス抑制が維持されている成人患者の治療にも処方いただくことが可能となりました。本薬がより多くの患者さまにとって、生涯にわたり曝露される薬剤数を削減する治療選択肢となることが期待されます。

 

塩野義製薬はViiV社の株主として、世界中のHIV感染者の皆さまに継続的に新たな治療選択肢が提供されることを期待するとともに、今後も同社の経営に参画することで、抗HIV治療における患者さまへの提供価値の最大化に貢献してまいります。

 

なお、本件が2021年3月期の業績に与える影響は軽微です。

 

以 上

※    ご参考:ViiV社リリース

 

 

Dovato® (ドルテグラビルおよびラミブジン)について

Dovato®は、抗レトロウイルス治療歴がないまたは、抗レトロウイルス療法によりウイルス抑制が維持され、DTGおよび3TCのいずれに対する薬剤耐性も認められないHIV-1成人感染患者の治療を適応として承認されています。Dovato®は、DTG 50mgと3TC 300mgの1日1回投与の2剤レジメン配合剤です。

Dovato®は、2剤でDTGベースの3剤レジメンと同様、2つの異なる部位でウイルスサイクルを阻害します。DTGのようなインテグラーゼ阻害剤は、ウイルスDNAがヒト免疫細胞(T細胞)の遺伝物質に組込みを阻害することにより、HIV複製を阻害します。このステップは、HIV複製サイクルにおいて必須であり、慢性感染の確立に関与します。3TCは、ウイルスRNAのDNAへの変換を阻害し、ウイルスの増殖を停止させる核酸系逆転写酵素阻害剤です。

TANGO試験について

TANGO試験は、TAFを含む3剤以上のレジメンで6ヵ月以上のウイルス抑制が確認されている成人HIV-1感染患者を対象に、治療薬をDTG/3TCに切り替えた場合と、TAFを含む3剤以上のレジメンを継続した場合の有効性と安全性を比較検証した第III相臨床試験です。本試験の主要評価項目は、48週時点のウイルス学的失敗(血漿中HIV RNA量:> 50 コピー/mL)となった患者の割合です。試験デザインの詳細は、ClinicalTrials.govからNCT03446573を検索しご覧下さい。