塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する予防ワクチン(開発番号:S-268019)について、国内第2/3相臨床試験を10月20日に開始しましたのでお知らせいたします。
本ワクチンは、アジュバント注1を変更した新製剤として、2021年8月より国内第1/2相臨床試験注2が開始されました。本試験では、日本人成人60例を対象に、忍容性、安全性および免疫原性の評価が行われており、これまでに本ワクチンの忍容性を確認するとともに、安全性についても大きな問題は見られておりません。さらに、良好な中和抗体価の上昇を確認したことから、このたび、国内における第2/3相臨床試験に移行しました。
注1 免疫を活性化させ、ワクチンの効果を補強する物質
注2 国内第1/2相臨床試験については、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development: AMED)の支援を受けております。
国内第2/3相臨床試験は、日本人成人を対象としたオープンラベル試験です。本ワクチンを2回接種した際の安全性および免疫原性の評価を行い、臨床的有効性を検討します。(jRCT:2031210383)また、本試験の実施と並行して、国内外での複数の臨床試験の実施に向けた準備を進めます。大規模試験の実施ならびに承認申請に向けては、引き続き、厚生労働省や独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)等と協議を行っております。
塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、治療薬の研究・開発だけにとどまらず、疾患の啓発・検知・予防・診断ならびに重症化抑制といった感染症のトータルケアに対する取り組みを進めております。COVID-19の早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために、引き続き、国産ワクチンの早期開発・提供に向けて取り組むとともに、ワクチンと並んで最優先で進めている治療薬の開発にも注力してまいります。
なお、本件が2022年3月期の連結業績予想に与える影響に関しては、今後、状況に応じて精査いたします。
以 上
参考:
COVID-19に対する当社の取り組みは、当社ホームページでも随時更新しております。また、各機関から発信されているCOVID-19に関する情報も同ページにまとめておりますので、ご参考までにご確認ください(塩野義製薬ウェブサイト)。