新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンS-268019の
塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する予防ワクチン(開発番号:S-268019)について、国内において、追加接種注1による臨床試験を開始しましたので、お知らせします。
注1 ワクチン接種後、時間の経過に伴い徐々に効果が低下していくことが示唆されており、感染拡大防止および重症化予防を目的に、初回免疫を完了した接種者に対して追加の接種を行うこと。
本臨床試験は、mRNAワクチンを2回接種後6ヶ月以上経過した成人を対象に、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する免疫原性を主要評価項目として、3回目にmRNAワクチンあるいはS-268019を接種した際の有効性の非劣性検証および安全性評価を行います。
国内では、COVID-19ワクチンの3回目の接種が12月1日から開始されており、18歳以上の接種希望者全員が接種可能となるように、ワクチンの確保が続いています。世界中で流行の長期化により、今後も継続したワクチン接種が必要となることが予想されており、国内におけるワクチンの安定供給を実現するためにも、国産ワクチンの早期開発・供給が必要とされています。
当社では、本追加免疫試験とともに、S-268019の初回免疫(1回目・2回目)時の安全性および有効性の検証を目的に、海外でのプラセボ投与群を対照とした発症予防試験および国内外での既承認ワクチンを対照とした中和抗体価比較試験の開始準備を進めています。
今後の承認申請に向けては、現在実施中の国内第2/3相臨床試験の結果および最終段階の臨床試験結果をもとに、引き続き、厚生労働省や独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)等と協議を行ってまいります。
塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。COVID-19が世界的な脅威として人々の生活に大きな影響を与える中、当社はパンデミックの早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために、国産ワクチンの早期開発・供給に引き続き注力し、今後も状況に変化があり次第、皆さまにお知らせし、企業としての社会的責任を果してまいります。
なお、本件が2022年3月期の連結業績予想に与える影響に関しては、今後、状況に応じて精査いたします。