塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として開発中の経口抗ウイルス薬(開発番号:S-217622、以下、「本治療薬」)の国内供給に向けて、本日、厚生労働省との間で基本合意書を締結いたしましたのでお知らせいたします。
このたびの基本合意は、本治療薬の製造販売承認後、当社が製造販売を開始することを条件に、当社と厚生労働省が、承認取得までの期間に売買契約ならびに流通委受託契約の締結に向けて協議・交渉を進めていくことが主な内容であり、国産の経口治療薬に対しては初めての締結となります。国内を中心に感染患者に本治療薬を広く提供できるよう、日本政府が承認後速やかに100万人分を購入し、それ以降についても一定数量を確保する方向で、協議が行われる予定です。
塩野義製薬は、パンデミックの早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために、本治療薬の研究開発に注力し、それまでに得られたデータ1, 2 を基に、2022年2月25日付で条件付き承認制度の適用を希望する製造販売承認申請を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に対して行いました2。軽症および中等症のSARS-CoV-2感染者に対する新たな治療選択肢として、本治療薬を1日も速く提供できるよう、基本合意に基づく協議に真摯に対応するとともに、引き続き、審査対応、生産、ならびに進行中の臨床試験におけるエビデンス集積に鋭意取り組んでまいります。
なお、本件が2022年3月期の連結業績予想に与える影響に関しては、今後、状況に応じて精査いたします。
以 上
【S-217622について】
COVID-19治療薬であるS-217622は、北海道大学と塩野義製薬の共同研究から創製された3CLプロテアーゼ阻害薬です。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を有しており、S-217622は3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制します。現在、国内を中心に軽症/中等症のCOVID-19患者を対象とした第2/3相臨床試験のPhase 3 part、または無症候/軽度症状のみ有するSARS-CoV-2感染者を対象としたPhase 2b/3 partを実施中です。また、グローバル第3相臨床試験の開始に向けて、The AIDS Clinical Trials Group(ACTG、本部:米国カリフォルニア州)と共同で準備を進めています。
参考:
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬S-217622の 第2/3相臨床試験Phase 2a partの結果について
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬S-217622の国内における製造販売承認申請について
COVID-19に対する当社の取り組みは、当社ホームページでも随時更新しております。また、各機関から発信されているCOVID-19に関する情報も同ページにまとめておりますので、ご参考までにご確認ください(塩野義製薬ウェブサイト)。
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