2022/03/25

抗HIV治療における長時間作用型注射レジメンCabenuva (カボテグラビルおよびリルピビリン)の米国における経口剤による導入治療のオプション化に関するViiV社の発表について

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、塩野義製薬がGlaxoSmithKline plc.およびPfizer Inc.とともに資本参加しているViiV Healthcare Ltd.(以下「ViiV社」)が、長時間作用型注射レジメンであるCabenuva(カボテグラビル(ViiV社)およびリルピビリン(Janssen社))について、経口剤による導入治療のオプション化により注射投与から治療が開始できるようになる変更に伴う添付文書の改訂を、米国食品医薬品局(FDA)が承認したことを発表しましたので、お知らせいたします。

 

今回の申請は、第III相臨床試験であるFLAIR試験の124週の結果1に基づいています。本試験では、経口剤で導入治療を開始した群と注射剤(Cabenuva)で治療を開始した群を比較し、ウイルス学的抑制、安全性、忍容性、および薬物動態において両群で同様の結果であることが示されました。

 

米国においてCabenuvaは、抗HIV治療における長時間作用型注射レジメンとして承認されており2,3、注射投与開始前には忍容性の確認のため約1カ月間のVocabria(カボテグラビル経口剤)およびEdurant(リルピビリン錠)の経口剤の投与による導入治療が必要でした。今回の承認により、経口導入がオプション化され、注射投与からの治療開始が可能になることで、治療開始時の患者さまおよび医療関係者の負担軽減が期待されます。

 

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、HIV感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。当社は今後もViiV社の経営に参画することで、HIV感染症治療と予防の両面で、当社より権利を導出したdolutegravir、cabotegravir ならびにS-365598の価値最大化を通じたグローバルヘルスへの貢献を果たしてまいります。

 

なお、本件が2022年3月期の連結業績予想に与える影響は軽微です。

 

以 上

 

参考:

【FLAIR試験 (NCT02938520) について】

FLAIR 試験は、抗ウイルス治療の経験がないHIV-1感染成人患者を対象とした、Cabenuvaの、抗ウイルス活性および安全性を評価することを目的とした、第III相、無作為化、非盲検、多施設共同、並行群間、非劣性検証試験です。本試験の主要評価項目は、48 週目にFDAスナップショットアルゴリズム(Intent-to-Treat Exposed [ITTE]集団)により、血漿HIV-1 RNA が50c/mL以上の被験者の割合です。本試験においては追加の検証として、経口剤による導入治療の有無によるウイルス学的抑制、安全性、忍容性、および薬物動態の維持に対する影響を評価しています。

FLAIR試験の詳細については、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02938520をご参照下さい。

 

1.        D'Amico R, Orkin C, Morell EB, et al. Safety and efficacy of cabotegravir + rilpivirine long-acting with and without oral lead-in: FLAIR Week 124 results. Presented at HIV Glasgow 2020.

2.        プレスリリース: 2021年1月22日
抗HIV治療における月1回投与の長期作用型注射2剤レジメンCabenuva(カボテグラビルおよびリルピビリン)の米国における承認取得に関するViiV社の発表について

3.        プレスリリース: 2022年2月2日

抗HIV治療における長時間作用型注射レジメンCabenuva(カボテグラビルおよびリルピビリン)の米国における2ヵ月に1回投与の承認取得に関するViiV社の発表について

 

 

[お問合せ先]

塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:

https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.