2022/05/11

一般財団法人「シオノギ感染症研究振興財団」の設立
ならびに自己株式の処分、取得および消却に関するお知らせ

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「当社」)は、2022年5月11日開催の取締役会において、一般財団法人 シオノギ感染症研究振興財団(以下、「新財団」)を設立すること、新財団の活動を継続的、安定的に支援する目的で第三者割当による300万株の自己株式の処分を行うこと、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、720万株または500億円を上限とする自己株式の取得を行うこと、ならびに会社法第178条の規定に基づき、420万株の自己株式の消却を行うことを決議しましたので、下記の通りお知らせいたします。なお、本自己株式の処分に関しましては、2022年6月23日開催予定の当社第157回定時株主総会の承認を条件として実施するものといたします。また、本自己株式の取得および消却に関しましては、同株主総会にて本自己株式の処分が承認されることを条件に実施するものといたします。

 

 2019年末より発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、人々の生活に甚大な影響を及ぼし続けておりますが、世界には三大感染症(エイズ、結核、マラリア)や熱帯病など、人類にとっての脅威がまだまだ存在し、薬剤耐性(AMR)や変異ウイルスの発生、拡大など、感染症に対する医療ニーズも数多く残されております。

 当社は「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という基本方針のもと、事業活動を通じて医療ニーズに応え、社会課題の解決を図ることにより、社会に必要とされる企業として成長し、その成果をステークホルダーと共有することを目指しております。その上で、当社の取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、治療薬の研究・開発にとどまらず、啓発・検知・予防・診断ならびに重症化抑制といった感染症のトータルケアに対する取り組みを進めております。こうした取り組みの一環としまして、平時からの感染症研究の重要性や感染対策の必要性が改めて見直されている現状を考慮した結果、自社研究開発の推進、業界団体やパートナーとの連携強化に加えて、新たに感染症に関する研究を広く支援する枠組みが必要との結論に至り、新財団を設立することといたしました。

 

 新財団は、『人類にとって脅威となる感染症に関する研究を援助奨励し、もって学術の振興および人類の健康と福祉に寄与する』ことを目的に、これらの社会課題解決への取り組みを加速する役割を担うものと考えております。また、こうした活動は、当社グループの経営理念の実現に資するものであり、企業の持続的成長と中長期的な価値向上に繋がるものと考えております。当社は、今後も感染症の克服を目指して、様々な活動に積極的に取り組んでまいります。

 

1.新財団の設立について

(1)財団設立の目的

人類にとって脅威となる感染症に関する研究を援助奨励することにより、学術の振興、および人類の健康と福祉の向上に寄与することを目的としています。

 

(2)財団の概要

財団の概要

2.自己株式の処分について

(1)処分要領

処分要領

(2)処分の目的および理由

新財団がその目的に沿った社会貢献活動を継続的、安定的に行うため、当社は三井住友信託銀行株式会社を受託者、日本カストディ銀行株式会社を再信託受託者、新財団を受益者とする他益信託(以下、「本信託」)を設定し、本信託は、当社株式を取得します。本信託は、当社株式の配当等による信託収益を新財団に交付し、新財団は当該信託収益を原資として活動します。

 

(3)調達する資金の額、使途および支出予定時期

①調達する資金の額

調達する資金の額

②調達する資金の具体的な使途

 上記差引手取概算額については、新財団の設立準備費用に充当する予定 です。

 

(4)資金使途の合理性に関する考え方

 調達した資金は新財団の設立に関する検討に要した弁護士費用等の諸費用に充当いたします。各諸費用は新財団の設立に必須のものであり、新財団の活動内容等に鑑みると、当該資金使途には合理性があるものと考えております。

 

(5)処分条件等の合理性

①払込金額の算定根拠およびその具体的内容

 新財団は、『人類にとって脅威となる感染症に関する研究を援助奨励し、もって学術の振興および人類の健康と福祉に寄与する』ことを目的として、これらの社会課題解決への取り組みを加速する役割を担うものと考えております。本自己株式の処分は新財団の社会貢献活動原資を拠出することを目的としたものであり、調達する資金も上記(3)②のとおり新財団の設立準備費用に充当することを予定しております。このため、1株につき1円という処分価額は、合理的と考えております。なお、本自己株式の処分は、新財団に対する有利発行に該当するため、当社は2022年6月23日開催予定の第157回定時株主総会において、有利発行に係る特別決議を経ることを条件としております。

 

②処分数量および株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠

 新財団がその目的に沿った活動を行う団体に対する助成等の事業を継続的、安定的に実施するための活動支援の原資となる自己株式の処分数量は合理的な規模であると考えております。加えて、本信託の枠組みでは、当面は本自己株式処分による株式が大量に株式市場へ流出することは考えられないため、流通市場への影響は軽微であり、当該処分数量のレベルは合理的であると考えております。

 また、本自己株式の処分におけるその希薄化の規模は、発行済株式の総数に対し0.96%(総議決権個数3,010,818個に対する割合1.00%、ともに小数点以下第3位を四捨五入)であり、株式市場への影響は軽微であると考えております。加えて当社では、2022年6月23日開催予定の第157回定時株主総会で、本自己株式の処分に係る議案が承認を経ることを条件に、下記3.の「自己株式の取得について」において、本自己株式の処分数量を上回る数量の自己株式の取得を計画しており、株式の希薄化に対処する措置を講ずる予定のため、株式の希薄化の規模についても合理的であると判断しております。

 

(6)処分予定先の選定理由等

①ア 処分予定先の概要

日本カストディ銀行株式会社は、本信託の再信託受託者であり、本信託の信託財産として割当を受けます。

イ 信託契約の概要(注)

信託契約の概要

※なお、当社は、受託者および再信託受託者が、反社会的勢力とは何ら関係を有していないことを確認しています。

 

②処分予定先を選定した理由

 「(2)処分の目的および理由」に記載の目的を実行するにあたっては、信託業務における豊富な実績・経験を有する三井住友信託銀行株式会社が最適であるとの判断に至り、同社を受託者とし、日本カストディ銀行株式会社を再信託受託者とする本信託を処分予定先に選定いたしました。

 

③処分予定先の保有方針

 本信託は、今後締結する信託契約に基づき、新財団を引き続き受益者の地位に留まらせるとの信託目的の達成が困難であると認められる場合を除き、処分株式を保有する予定です。また、信託を終了する際は、信託財産を受益者に現状有姿のまま交付するものとします。

 なお、本自己株式の処分により本信託が保有する株式の議決権については、信託期間を通じて行使しないものとします。

 当社は処分先である日本カストディ銀行株式会社の再信託委託者である三井住友信託銀行株式会社との間において、払込期日より2年間において、当該処分株式の全部又は一部を譲渡した場合には、直ちに譲渡を受けた者の氏名および住所、譲渡株式数、譲渡日、譲渡価格、譲渡の理由、譲渡の方法等を当社に書面にて報告すること、当社が当該報告内容を東京証券取引所に報告すること、ならびに当該報告内容が公衆縦覧に供されることにつき、内諾を得ております。

 

④処分予定先の払込みに要する財産の存在について確認した内容

 処分先である日本カストディ銀行株式会社は、当社が今後設定する本信託の信託財産である金銭をもって払込みを行います。

 

(7)処分後の大株主および持株比率

処分後の大株主および持株比率

※上記は、発行済株式総数(自己株式を除く)に対する比率(小数点以下第3位を切捨て)を記載しております。

 

(8)今後の見通し

 今後の当社業績に与える影響につきましては、軽微であると認識しておりますが、開示すべき事項が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。

 

(9)企業行動規範上の手続きに関する事項

 本自己株式処分は、①希薄化率が25%未満であること、②支配株主の異動を伴うものではないことから、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第432条に定める独立第三者からの意見入手および株主の意思確認手続きは要しません。

 

(10)最近3年間の業績およびエクイティ・ファイナンスの状況

①最近3年間の業績(連結)

最近3ン3ん間の業績(連結)
最近3年間の業績およびエクイティ・ファイナンスの状況

③最近3年間のエクイティ・ファイナンスの状況

該当事項はございません。

ご注意:上記2.自己株式の処分についての文章は、取得勧誘を目的に作成されたものではありません。

 

3.自己株式の取得について

(1)自己株式の取得を行う理由

企業価値のさらなる向上につながる株主還元の強化、資本効率の向上、ならびに経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行を図るとともに、上記2.の自己株式の処分に伴う株式価値の希薄化に対処するため。

 

(2)取得に係る事項の内容

①取得する株式の種類             当社普通株式

②取得しうる株式の総数          7,200,000株(上限)

(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合2.39%)
(小数点以下第3位を四捨五入)

③株式の取得価額の総額       500億円(上限)

④取得期間                         2022年6月23日開催予定の当社第157回定時株主総会終了後から2022年12月31日まで

⑤取得方法         東京証券取引所における市場買付け

⑥その他                            本自己株式の取得は、上記2.の自己株式処分に関する株主総会の承認を条件とする。

 

(ご参考)2022年3月31日時点の自己株式の保有

発行済株式総数 (自己株式を除く):301,482,780株

自己株式数   :  10,103,385株

 

4.自己株式の消却について

(1)消却に係る事項の内容

①消却する株式の種類     当社普通株式

②消却する株式の数        4,200,000株

③消却予定日                 2023年2月10日(予定)

④その他                       本自己株式の消却は、上記2.の自己株式処分に関する株主総会の承認を条件とする。

以 上

 

[お問合せ先]

塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:

https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.