2022/02/03

ViiV社の抗HIV薬Dolutegravirに対するGilead社Biktarvyの特許権侵害訴訟の和解ならびに特許ライセンス契約の締結に関するGSK社の発表について

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、塩野義製薬がGlaxoSmithKline plc.(以下「GSK社」)およびPfizer Inc.とともに資本参加しているViiV Healthcare Ltd.(以下「ViiV社」)が、Gilead Sciences Inc.(以下「Gilead社」)のHIVインテグラ―ゼ阻害薬Biktarvyに対して提起した特許権侵害訴訟について、Gilead社と和解しましたことをお知らせいたします。本件は、英国時間2月1日付で発表されました1

 

ViiV社、GSK社および当社は、Gilead社のBiktarvy(bictegravirを含む3剤配合の抗HIV薬)が、当社が創製しViiV社に権利を移転したdolutegravirならびにその関連化合物を包含する特定の特許を侵害しているとして、2018年2月以降、訴訟を提起しておりました。このたびの和解により、米国、英国、日本をはじめとする全9ヵ国での特許侵害訴訟は中止されます。また、ViiV社、GSK社、塩野義製薬の3社は、Gilead社との間において、ViiV社が保有するdolutegravirの関連特許に係るライセンス契約を締結しました。本契約の締結により、3社はGilead社のBiktarvyおよびbictegravirを含む今後の製品に対して、製品中のbictegravir成分に係る特許の主張範囲においてdolutegravir関連特許に基づく新たな申し立ては行わないことで合意しました。

 

このたびの和解ならびにライセンス契約の締結により、Gilead社はViiV社に対して12.5億米ドルの一時金を2022年1~3月期に支払う予定です。加えてGilead社は、今後の米国におけるBiktarvyの売上高(参考:2020年 60.9億米ドル)およびbictegravirを成分に含む将来の製品売上高のbictegravirに係る金額に対して、3%のロイヤリティーをViiV社に支払います。ロイヤリティー支払いは、2022年2月より開始され、ViiV社のdolutegravirに係る米国特許(No. 8,129,385)が満了する2027年10月5日まで存続する予定です。当社は、Gilead社からViiV社への一時金およびロイヤリティー支払いの一部を受領します。現時点では、通常配当として分配される部分を除き、一時金より230~250百万米ドルを受領する予定です。

 

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、HIV感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。当社は今後もViiV社の経営に参画することで、HIV感染症の治療および予防の両面で、当社より権利を導出したdolutegravir、cabotegravirならびにS-365598の価値最大化を通じたグローバルヘルスへの貢献を果たしてまいります。

 

なお、本件が2022年3月期の連結業績予想に与える影響につきましては、当第4四半期に前述の一時金の受領が見込まれますが、金額ならびに会計上の取り扱いが確定した時点で速やかに公表いたします。

 

以 上

 

 

参考:

1.       GSK社プレスリリース:2022年2月1日
GSK announces settlement between ViiV Healthcare and Gilead Sciences, Inc. resolving litigation relating to Biktarvy and ViiV’s dolutegravir patents and entry into a patent licence agreement