塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development:AMED)のワクチン開発・生産体制強化戦略関連事業である先進的研究開発戦略センター(Strategic Center of Biomedical Advanced Vaccine Research and Development for Preparedness and Response:SCARDA1)が公募したワクチン・新規モダリティ研究開発事業に、当社のユニバーサル抗原ワクチン研究開発が採択されましたので、お知らせいたします。
SCARDAは、2021年6月に閣議決定された「ワクチン開発・生産体制強化戦略」に基づき、平時からの研究開発・生産体制の強化を目的に、2022年3月に日本医療研究開発機構(AMED)内に新設された組織です。ワクチン実用化に向け政府と一体となって戦略的な研究費のファンディングを行います。当社は、応募課題「重症感染症等に対する感染症ワクチンの開発」に対して、「ユニバーサルサルベコウイルス*ワクチンの研究開発」で応募しました。本研究開発は、ウイルス変異の影響を受けにくいコロナユニバーサル抗原デザイン技術の確立を目指すものであり、2022年6月29日付で研究課題として採択されました。
*サルベコウイルス亜属:コロナウイルス科ベータコロナウイルス属に属するウイルスの一群。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)やSARSコロナウイルスはサルベコウイルス亜属に属しています。
コロナユニバーサル抗原ワクチンは、将来想定される新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異ウイルスや新たなパンデミックに対する備えとして期待されています。当社では、2021年9月より、KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社(以下「KOTAI社」)2と共同でコロナユニバーサル抗原ワクチンの抗原デザイン研究に取り組んでいます。今後は、KOTAI社(研究開発分担者:山下 和男代表取締役)、国立感染症研究所(研究開発分担者:治療薬・ワクチン開発研究センター・高橋 宜聖センター長)と連携して本研究を進め、ウイルスの変異が起きにくい領域に対する中和抗体を選択的に誘導するコロナユニバーサル抗原ワクチンの研究開発に取り組むことで、高い有効性や安全性だけでなく、ウイルス変異による影響を受けにくい特徴を持ったワクチンの創製を目指します。
塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。当社は感染症のリーディングカンパニーとして、SCARDAの支援のもと、コロナユニバーサル抗原ワクチンの研究開発に注力し、世界中の患者さまのもとにいち早くお届けできるよう、継続して取り組んでまいります。
以 上
COVID-19に対する当社の取り組みは、当社ホームページでも随時更新しております。また、各機関から発信されているCOVID-19に関する情報も同ページにまとめておりますので、ご参考までにご確認ください(塩野義製薬ウェブサイト)。
【KOTAIバイオテクノロジーズ株式会社について】
KOTAI社は大阪大学での研究成果を基礎に、2016年に設立されたバイオテクノロジー企業です。免疫やタンパク質構造の情報解析における専門家集団として、多くの研究機関・大学や製薬企業等と共同で研究開発を行っています。詳細はKOTAI社のウェブサイトをご覧ください。
【ユニバーサル抗原ワクチンについて】
ユニバーサル抗原ワクチンは、ウイルスの変異が起きにくい領域に対する中和抗体を選択的に誘導することの出来る抗原を用いたワクチンです。新たなパンデミックや変異株の発生に対する備えとして期待されており、コロナウイルス、インフルエンザウイルスなどに対して、研究開発が進められています。
[お問合せ先]
塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:
https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.
参考: