2020/10/26

増大する薬剤耐性の脅威に対処するためのイノベーションの継続 および政策変更の必要性に関する提言のNature Outlook誌掲載について

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、Antimicrobial resistance(薬剤耐性、以下「AMR」)の脅威に対処するためのイノベーションの継続と政策変更の導入の必要性を強調する提言がNature Outlook誌に掲載されたことをお知らせいたします。

 

AMRは、細菌、ウイルス、真菌および寄生虫によって引き起こされる感染症に対して効果的な予防・治療を行う上で深刻な脅威となっています。AMRは世界規模の重要課題であり、毎年70万人が死亡していると推定されています。このまま問題が解決されなければ、2050年には死亡者数は年間1000万人に達すると予測されています1。特に抗菌薬に対する細菌の耐性獲得は最も重要であり、一般的な化学療法だけでなく、日常的な医療処置から臓器移植といった多岐にわたる医療を支える抗菌薬の効果が失われることで、これまで人類が築き上げてきた医療技術の使用が不可能になる未来に直面する可能性が危惧されています。このように、AMRは政府や国、あるいは世界レベルでの緊急の課題と考えなければなりません。

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、抗菌薬の研究、開発、製造、販売と幅広くAMRに対する取り組みを進めております。これまでのAMRに対する取り組みは以下のとおりです。

l  AMR対策に関するダボス共同宣言に署名(2016年1月)

AMR対策の進展へ向けた産業ロードマップの策定(2016年9月)

AMRポジションペーパー公開(2019年4月)

新規注射用シデロフォアセファロスポリン抗菌薬セフィデロコルを発売(2020年2月)

AMR Action Fundへの参画(2020年7月)

 

今回の提言は、抗菌薬の継続的なパイプラインを支える収益体制、抗菌薬の価値を決定する評価プロセスの刷新、実効性のある健全な市場形成のための保険償還制度の導入といった、開発から商業化までをトータルで奨励する仕組みの確立を支援するとともにこの取り組みを通じて、当社が社会に貢献することに使命感を持ち、個々の患者さんだけでなく社会全体が継続的に抗菌薬の恩恵を受けられるよう邁進していくという意思を表明したものです。

 

当社は引き続き、感染症薬開発のリーディングカンパニーとして、AMRに対する取り組みを強化、推進してまいります。

 

以 上

 

 

参考

1.      Tackling Drug-Resistant Infections Globally: Final Report and Recommendations (Review on Antimicrobial Resistance, 2016)

 

Nature Outlook 掲載の提言はこちらからご参照いただけます。

https://www.nature.com/articles/d42473-020-00446-9

 

Nature OutlookのAMRに関するその他の記事はこちらを参照ください。

https://www.nature.com/collections/decbfhfijb

を参照してください。