2022/02/10

塩野義製薬と千葉大学病院による 粘膜ワクチン共同研究部門設置に関する契約締結について

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)と、千葉大学医学部附属病院(千葉市中央区、病院長:横手幸太郎、以下「千葉大学病院」)は、粘膜免疫誘導型ワクチン(以下、「粘膜ワクチン」)の研究開発を推進する共同研究部門設置に関する契約(以下、「本契約」)を締結しましたのでお知らせいたします。

 

本契約に基づき、千葉大学病院に共同研究部門として「ヒト粘膜ワクチン学部門」を設置し、粘膜ワクチンの研究開発を推進します。新型コロナウイルス感染症やインフルエンザなどの呼吸器感染症に対する予防ワクチンには、病原体に感染した後の発症予防、重症化予防だけでなく、病原体の感染そのものを防御する効果も必要とされてます。当部門では、特に、病原体への感染を防ぐために重要な役割を果たす、鼻腔や喉などにおける粘膜免疫を効率的に誘導できる粘膜ワクチンの研究開発に取り組みます。

 

ワクチン接種は注射による接種が一般的ですが、感染防御において重要な働きを果たす粘膜免疫を誘導するためには、経鼻投与ワクチンの使用が効果的だと考えられています。一方で、経鼻投与のワクチンには、鼻腔内への投与量と体内への吸収量との相関や、噴霧の方法による粘膜免疫の誘導効率に対する影響が明らかとされていないといった課題も存在します。こうした課題を解決するにあたって必要なのが、産学連携による非臨床研究と臨床研究のブリッジング研究です。千葉大学病院は、コロナワクチンセンターという臨床研究に応用可能な施設を有しており、塩野義製薬は、感染症領域の研究開発ならびに製剤化技術に強みを持っています。両者が連携することで、経鼻投与ワクチンの抱える課題解決を目指します。

 

このたびの共同研究部門設立により、千葉大学病院と塩野義製薬は、ワクチンによる免疫誘導メカニズムの理解促進、臨床普及の促進、人材育成に取り組み、世界でもトップクラスの粘膜ワクチンの研究開発拠点を形成し、感染予防に有効な粘膜ワクチンを創出し提供することを通じて、グローバルヘルスへの貢献を果たしてまいります。

 

以 上

 

 

 

[お問合せ先]

塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.

千葉大学病院医学部附属病院 病院広報室

Tel:043-226-2225 Fax:043-224-3830 E-mail:byoin-koho@chiba-u.jp

 

塩野義製薬株式会社について

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、治療薬の研究・開発だけにとどまらず、未病・啓発・予防・診断並びに重症化抑制といった感染症のトータルケアに対する取り組みを進めています。感染症薬のリーディングカンパニーとして,新型コロナウイルス感染症の早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために,新規の治療薬,ワクチン等の開発に加えて既存の化合物の価値を最大化し、より多くの患者さまにヘルスケアソリューションを提供できるよう、外部パートナーとの連携を含めた取り組みを強化しています。

 

千葉大学医学部附属病院について

千葉大学医学部附属病院は「人間の尊厳と先進医療の調和を目指し、臨床医学の発展と次世代を担う医療人の育成に努める。」という理念のもと、患者さんに良質な最先端の医療を提供しています。2021年3月にはコロナワクチンセンターの運用を開始し、新型コロナウイルスワクチン接種推進に取り組むとともに、医学研究院と連携し、ワクチンの有効性・安全性について研究し、高度先進医療の提供と地域医療への貢献を果たしています。