塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長 CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する予防ワクチン(開発番号:S-268019)について、小児(5歳~11歳)を対象とした国内第1/2/3相臨床試験(Part 2)および国内第3相追加免疫試験を開始しましたので、お知らせいたします。
国内第1/2/3相臨床試験は、小児(5歳~11歳)を対象とした臨床試験であり、Part 1とPart 2から構成されています。Part 1では、S-268019を初回免疫(1回目・2回目)で接種した際の安全性と忍容性の評価を目的に実施し、良好な結果が確認されました。このたび開始したPart 2では、初回免疫期においては、既に実施した中和抗体価比較試験2において20歳以上の被験者にS-268019を2回接種した際の免疫原性に対する、小児にS-268019を2回接種した際の免疫原性の非劣性を、コミナティ筋注を2回接種する対照群を置いた盲検下で検証します。また追加免疫期においては、S-268019の2回目接種後28日時点の免疫原性に対する、S-268019の3回目接種後28日時点の免疫原性の非劣性を評価します。
また、国内第3相追加免疫試験3では、既に実施した国内第2/3相追加免疫試験4でのコミナティ筋注を2回接種後6ヶ月以上経過した20歳以上の被験者にS-268019を追加接種した際の免疫原性に対する、コミナティ筋注を2回接種後5ヶ月以上経過した小児(5歳~11歳)にS-268019を追加接種した際の免疫原性の非劣性を評価します。
当社はS-268019について、成人における、初回免疫(1回目、2回目接種)および追加免疫(3回目接種)によるCOVID-19の予防を適応として、2022年11月24日に日本国内における製造販売承認申請を行い、現在PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)による審査中です。また、国内では依然として低年齢層に接種可能なワクチンの選択肢は限られており、青少年や小児での開発にも取り組むことで、より幅広い年代の方々を対象とした国産ワクチンの早期開発・供給に注力いたします。
塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。COVID-19が世界的な脅威として人々の生活に大きな影響を与える中、当社はパンデミックの早期終息による社会の安心・安全の回復に貢献するために、国産ワクチンの早期供給に向けて引き続き注力し、企業としての社会的責任を果してまいります。
なお、本件が2023年3月期の連結業績予想に与える影響については軽微です。
以 上
[お問合せ先]
塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:
https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.
【小児(5歳~11歳)を対象とした国内第1/2/3相臨床試験(Part 1、Part 2)1】
国内第1/2/3相臨床試験は、小児(5歳~11歳)を対象とした臨床試験であり、Part 1とPart 2から構成されています。Part 1では、S-268019を初回免疫(1回目・2回目)で接種した際の安全性と忍容性の評価を目的に実施し、良好な結果が確認されました。Part 2は、S-268019の免疫原性、安全性の評価、並びに臨床的有効性を検討する無作為化実薬対照二重盲検比較試験です。初回免疫期においては、既に実施した中和抗体価比較試験2において20歳以上の被験者にS-268019を2回接種した際の免疫原性に対する、小児にS-268019を2回接種した際の免疫原性の非劣性を、コミナティ筋注を2回接種する対照群を置いた盲検下で検証します。また追加免疫期においては、S-268019の2回目接種後28日時点の免疫原性に対する、S-268019の3回目接種後28日時点の免疫原性の非劣性を評価します。Part 1試験の詳細はjRCT2011220011を、Part 2試験の詳細はjRCT2031220493をご参照ください。
【中和抗体価比較試験2について】
中和抗体価比較試験は、2回接種後の免疫原性を指標として、S-268019とバキスゼブリア筋注の比較検証を目的とする成人および高齢者1,000例を対象とした無作為化実薬対照二重盲検比較試験です。試験の詳細は、jRCT2051210151をご参照ください。本試験の被験者登録は完了しており、2回目接種から28日後のSARS-CoV-2中和抗体価のGMT(幾何平均抗体価)について、主要評価項目達成基準を満たしています。
【小児(5歳~11歳)を対象とした国内第3相追加免疫試験3】
国内第3相追加免疫試験は、既に実施した国内第2/3相追加免疫試験4でのコミナティ筋注を2回接種後6ヶ月以上経過した20歳以上の被験者にS-268019を追加接種した際の免疫原性に対する、小児にS-268019またはコミナティ筋注を追加接種した際の免疫原性の非劣性を検証することを目的とした無作為化実薬対照二重盲検比較試験です。本試験の詳細は、jRCT2031220530をご参照ください。
【国内第2/3相追加免疫試験4】
国内第2/3相追加免疫試験は、コミナティ筋注を2回接種後6ヶ月以上経過した成人200例を対象としS-268019あるいはコミナティ筋注の追加接種後の免疫原性を指標として、S-268019のコミナティ筋注に対する非劣性検証および安全性評価を目的とする無作為化実薬対照二重盲検比較試験です。試験の詳細は、jRCT2031210470をご参照ください。本試験の被験者登録は完了しており、SARS-CoV-2中和抗体価のGMT(幾何平均抗体価)および抗体応答率について、主要評価項目を達成しました。
なお、いずれの臨床試験におきましても、被験者は希望すれば試験期間中いつでも試験参加を辞退することが可能です。
COVID-19に対する当社の取り組みは、当社ホームページでも随時更新しております。また、各機関から発信されているCOVID-19に関する情報も同ページにまとめておりますので、ご参考までにご確認ください(塩野義製薬ウェブサイト)。