2023/12/22

「Mother to Mother SHIONOGI Project」第三期事業における連携事業の契約締結について
– タンザニアでの下痢症予防を目的としたアプリ開発 –

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、アフリカの母子支援活動「Mother to Mother SHIONOGI Project」(以下「本プロジェクト」)の第三期事業として、タンザニア連合共和国(以下、タンザニア)にて下痢症予防の教育を目的とした衛生教育ソリューションの開発に関する契約を、African Mothers株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:川端 康夫、以下「African Mothers社」)および原田 英典 准教授(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)と締結したことをお知らせいたします。
 本プロジェクトは、2015年よりアフリカの母子健康支援を継続して行っています1-3。2023年6月より開始した第三期事業4では、ケニアおよびガーナにおける医療アクセスの改善と子どもの下痢症低減に注力して支援事業を推進しています。
 下痢症は、世界の5歳未満の子どもの死因の中で肺炎、早産の合併症、出生時仮死/外傷につぐ第4位の死因であり、タンザニアを含むアフリカでの子どもの健康に甚大な影響を与える疾患です5。また、子どもの下痢症は、母親の疾患や衛生等に対する知識や母乳育児の開始時期が異なることなど、様々な要因が関連しています6。そこで、下痢症予防を目的としたアプリ開発事業をスマホ普及率が高まっているタンザニアにて開始し7,8、その効果を検証した上で、他のアフリカの国や地域での下痢症予防活動も検討していきます。
 塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「医療アクセスの向上」を特定し、国際的なパートナーとの連携も含めた活動もさらに強化し、持続可能な社会の実現に向けて、AMR治療へのアクセス向上への貢献やアフリカでの母子支援活動を行っております。本プロジェクトを通して得た学びとネットワークを活かし、多様なパートナーとともに、母子の健康改善に向けた取り組み、特に低中所得国の大きな課題である医療へのアクセスや衛生環境の改善、子どもの下痢症の予防に注力し、アフリカ地域におけるユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現に向け取り組んでまいります。

【開発事業の概要】

目的

母親への衛生教育コンテンツ(アプリ)によって、子どもの下痢症予防を推進すること

事業地

タンザニア連合共和国

開発期間

2023年11月~2026年(予定)

役割

African Mothers社:教育コンテンツ制作、アプリ設計・実装・カスタマイズ、タンザニアにおける広告宣伝活動、利用結果の分析、報告

原田准教授:教育コンテンツの監修、本アプリの機能等に関する助言、教育コンテンツへのアクセス記録等の助言・監修

塩野義製薬:プロジェクトの全体管理、委託、成果物の確認

Taarifa Za Mama(タリファ ザ ママ)
アプリのイメージ写真

■   パートナーについて

African Mothers株式会社

African Mothers株式会社はアフリカでのデジタル母子保健事業を専業とする、キャスタリア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:山脇智志)の100%子会社です。社外取締役に新福洋子 広島大学大学院医系科学研究科教授を迎えて、タンザニアでのスマートフォンアプリTaarifa Za Mama(スワヒリ語で「ママの記録」)の開発と展開を行っています。詳細についてはWebサイトをご覧ください。

原田 英典 准教授

京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科 アフリカ地域研究専攻 准教授

アジア・アフリカ地域をフィールドとして、人間の生活に必須の水と衛生(WASH)のあり方について、環境衛生工学のバックグラウンドに基づき健康リスク、物質循環、および地域の水と衛生の持続性の観点から研究しています。SDGsゴール6(水と衛生)の進捗監視を公式に担当するWHO/UNICEF「水と衛生に関する共同モニタリングプログラム(JMP)」の戦略諮問委員会にて東・東南アジアで唯一の委員を務めています。詳細や主な研究テーマについてはWebサイトをご覧ください。

参考:

1.        プレスリリース:2021年8月3日
第一期事業ナロク県イララマタク地域の支援について
~ケニアの母子支援活動「Mother to Mother SHIONOGI Project」 診療所の県政府へ引き渡し完了~

2.        プレスリリース:2022年3月16日
ケニアの母子支援活動「Mother to Mother SHIONOGI Project」 包括的な取り組みの成果を公表
~マサイ族の母子の健康改善に貢献~

3.        プレスリリース:2020年4月1日
ケニア共和国キリフィ県における新たな母子保健支援事業の開始
- 医療アクセス改善に向けた「Mother to Mother SHIONOGI Project」第二期事業の開始について –

4.        プレスリリース:2023年6月1日
「Mother to Mother SHIONOGI Project」第三期事業の開始について
ケニア共和国およびガーナ共和国における新たな母子支援活動

5.        Diarrheal Diseases - Our World in Data

6.        Diarrhea and associated factors among under five children in sub-Saharan Africa: Evidence from demographic and health surveys of 34 sub-Saharan countries

7.        Mobile subscription penetration Tanzania 2000-2022 | Statista

8.        Start.io | Smartphone Users in Tanzania Audience

以 上

[お問合せ先]

塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:

https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.