2024/03/04

長崎大学とのマラリアを中心とした感染症分野における包括的連携の第二期事業の開始について

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」)は、2019年2月に国立大学法人長崎大学(所在地:長崎県長崎市、学長:永安 武、以下「長崎大学」)との間に「マラリアを中心とした感染症分野における包括的連携」に関する協定(以下、本協定)を締結1し、活動を進めてまいりました。この度、本協定とそれに基づいた活動を継続し、第二期事業を開始することになりましたので、お知らせいたします。

 第一期(2019年2月~2024年3月)では、当社と長崎大学は新たに提携した7つの機関と強固に連携しながらマラリアの予防および治療に関する研究を大きく進展させ、マラリアの創薬研究基盤を構築いたしました2,3。創薬研究においては、新たな低分子の候補化合物を見出すとともに、ワクチン研究においても有効性の高いワクチンモダリティを確立しました。第二期(2024年4月~2029年3月)では、第一期の成果を踏まえ、候補品を早期に開発ステージへ移行させるとともに、さらなるアンメットニーズを満たす新たな創薬研究にも取り組んでまいります。

※ 学校法人北里研究所、国立感染症研究所、公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金「GHIT Fund」、Medicines for Malaria Venture(MMV)、大阪公立大学、Mount Kenya University、国立大学法人愛媛大学

 マラリアは、エイズ、結核と並ぶ世界三大感染症の一つであり、マラリア原虫をもった蚊(ハマダラカ属)に刺されることで感染する疾患です。主に熱帯、亜熱帯地域で流行しており、1年間の感染者数は世界で約2.5億人、死亡者数は約61万人と報告されています4。予防ワクチンの有効性が十分ではない上、既存の治療薬に耐性を示す原虫が増加してきていることから、マラリアは依然として大きな医療ニーズが存在しています。さらに近年、気候変動による流行地域の拡大も見られ、人類の脅威として世界的に深刻視されています。
  塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、感染症のトータルケアの実現に向けた取り組みを進めております。当社は感染症のリーディングカンパニーとして、公衆衛生上の大きな課題である世界三大感染症、AMR、COVID-19など幅広い感染症への対策に継続して取り組んでまいります。

以 上

 

[お問合せ先]

塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム:

https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.

参考:

1.        プレスリリース:2019年2月28日
長崎大学とのマラリアを中心とした感染症分野における包括的連携に関する協定締結について

2.        プレスリリース:2020年11月25日
塩野義製薬・長崎大学の包括的連携と北里研究所との抗マラリア薬の創製を目指した共同研究契約の締結について

3.        プレスリリース:2023年3月13日
新規マラリア治療薬創出に関する 長崎大学・MMVとの共同研究契約の締結とGHIT Fundによる採択について

4.        WHO:world malaria report 2023