塩野義製薬・長崎大学の包括的連携と北里研究所との
塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)と国立大学法人長崎大学(所在地:長崎県長崎市、学長:河野 茂、以下「長崎大学」)は、2019年2月に「マラリアを中心とした感染症分野における包括的連携」に関する協定(以下、「本連携」)を結び、共同研究を進めております1。このたび、本連携において、学校法人北里研究所(所在地:東京都港区、理事長:小林 弘祐、以下「北里研究所」)と抗マラリア薬の創製を目指した共同研究契約を締結しましたのでお知らせいたします。
北里研究所は、感染症研究の世界的なパイオニアである北里 柴三郎 博士を創始者とし、近年では特別栄誉教授 大村 智 博士が2015年ノーベル医学・生理学賞を受賞されるなど、日本を代表する感染症研究機関の一つです。本契約の締結により、附置研究所である大村智記念研究所で新たに見出した抗マラリア作用を有する微生物由来の化合物群に関し、本連携との間で共同研究を実施し、革新的な抗マラリア薬創製を目指します。
すでに本連携においては、同じく日本を代表する感染症研究機関である国立感染症研究所(所在地:東京都新宿区、研究所長:脇田 隆字、以下「感染研」)との間で2020年3月から共同研究契約を締結し、マラリアに関する共同研究を開始しています。感染研の有するマラリア感染や分子メカニズムに関する知見・技術を本連携におけるマラリア創薬研究に融合し、革新的な抗マラリア薬やワクチンの開発を目指しています。
マラリアはエイズ、結核と並ぶ世界三大感染症の一つであり、主に熱帯、亜熱帯地域で流行している感染症です。世界で毎年2億人を超える新規患者が発生し、死亡者は幼い子供を中心に約40万人にも上ると報告されています2。予防ワクチンの有効性が十分でなく、主要な薬剤に対する耐性が広がりつつある中、人類の脅威として深刻視され、その克服が国際社会の目指す指針として「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」にも掲げられています。
塩野義製薬は、「感染症の脅威からの解放」を取り組むべき重要課題とし、オープンイノベーションで多様な知見・技術を持ち寄り、マラリア撲滅を目指したプラットフォームをパートナーと共に構築し、革新的な抗マラリア薬やワクチンの創出・提供を通じて、世界の人々の健康と持続可能な社会の発展に貢献できるよう努力してまいります。
なお、本件が2021年3月期の業績に与える影響は軽微です。
以 上
[参考]
1, プレスリリース 2019年2月28日:「長崎大学とのマラリアを中心とした感染症分野における包括的連携に関する協定締結について」