2024/07/25

第3世代HIVインテグラーゼ阻害剤S-365598の新たなデータに関するViiV社の発表について

  •  既存薬とは異なる耐性プロファイル、良好な血中濃度の維持ならびに忍容性を確認

塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役会長兼社長CEO:手代木 功、以下「塩野義製薬」または「当社」)は、当社がGlaxoSmithKline plc.およびPfizer Inc.とともに資本参加しているViiV Healthcare Ltd.(以下「ViiV社」)による、超長時間作用型の抗HIV薬となることが期待される、第3世代インテグラーゼ阻害薬S-365598に関する非臨床試験および第Ⅰ相臨床試験の新たなデータの、第25回国際エイズ学会(AIDS 2024)での発表について、お知らせいたします。

 

S-365598(ViiV社の開発番号:VH4524184)は、当社が創製しViiV社に導出した、第3世代HIVインテグラーゼ阻害剤です。S-365598は長い半減期を有することから、低用量かつ3ヵ月以上に1回の投与で治療もしくは予防が可能な超長時間作用型製剤として、開発を進めています。なお、当社はS-365598の導出に際し、ViiV社とライセンス契約を締結しており、研究開発費用の一部を負担することで、上市後にViiV社に導出している既存のインテグラーゼ阻害剤と同一の条件で、ロイヤリティー収入を受領する予定です

 

非臨床試験では、既存のインテグラーゼ阻害剤(INSTI)に耐性を示す、20種類以上のHIVウイルスに対するS-365598の効果が評価されました。その結果、S-365598は既存のインテグラーゼ阻害剤とは異なる耐性プロファイルを有し、既存のインテグラーゼ阻害剤に耐性を示す変異に対しても、抗ウイルス活性を維持できることが示唆されました。

 

第Ⅰ相臨床試験では、HIVに感染していない被験者84名を対象に、S-365598の経口剤を投与し、薬物動態と安全性を評価しました。その結果、S-365598は十分な抗ウイルス活性を示す可能性がある血中薬物濃度を達成し、良好な忍容性を示しました。さらに、投与中止に至る有害事象は認められませんでした。

 

これらの初期データにより、S-365598は超長時間作用型の抗HIV薬として、次世代の有望な開発化合物であることが示されました。現在ViiV社が、HIV非感染者を対象にS-365598の注射剤での評価を行う第Ⅰ相臨床試験と、HIV感染者を対象にS-365598の有効性および安全性と忍容性を評価するための第Ⅱa相臨床試験を実施中です。

塩野義製薬は、取り組むべきマテリアリティ(重要課題)として「感染症の脅威からの解放」を特定し、HIV感染症をはじめとする三大感染症への取り組みを推進しております。今後も、60年以上におよぶ感染症領域における研究・開発で培ったノウハウを活用し、ViiV社と連携して事業を推進することで、HIV感染症治療と予防の両面でグローバルヘルスへの貢献を果たしてまいります。

 

本件が2025年3月期の連結業績予想に与える影響は軽微です。

 

以 上

 

 

 

参考:

1.       プレスリリース: 2021年9月28日
超長時間作用型薬剤となる第3世代HIVインテグラーゼ阻害剤S-365598の導出に関するViiV Healthcareとのライセンス契約締結について

 

[お問合せ先]

塩野義製薬ウェブサイト お問い合わせフォーム: https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3.